AUKUYAKU☆令嬢に転生したおっさんのAKUGYOU記1

うさぎ蕎麦

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3章「こんなはずでは?」

28話

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 魔王ルチーナを討伐し、無事元の世界に戻った俺達はレオナの研究室にある1室で、室内に配置されたテーブルの周囲に配備された椅子に俺達は座った。
 
「ルチーナお姉ちゃんお帰り☆」
「た、ただいまですわ」

 にこやかな笑顔で俺達を迎えるレオナだが、何とも言い難い結末を味わった俺は微妙な反応しか返せなかった。

「HAHAHA。我々の愛が勝利したのSA!」

 俺を見つめ、サムズアップを見せきらりと歯を輝かせるエリウッド。
 そら、アンタは勇者で勝利条件満たしただろーが、俺は討伐されたってか、討伐されなきゃゲームおわれなかったけどさぁ。
 まぁでも、アーマーパージ変態野郎と比べれば、この程度の空気を読めない位可愛いものやな。

「素晴らしいゲームで御座いましたわ。凄く楽しゅう御座いました」

 天使の様な笑顔を見せるステラお嬢様。
 そりゃーあれだけチート染みた能力を持てば楽しいでしょと言うツッコミよりもその笑顔に魅了される俺ルチーナである。

「おーほっほ。レオナが作ったならば当然な事ですわ」
 
 思わず、デヘヘヘヘと笑ってしまいそうになったが、ルチーナ・ファルタジナは高貴な悪役令嬢である。
 しかし、そう考えると魔王ルチーナはすっげー気楽だったと思い知らされる。
 
「えへへ。凄いでしょ? エリウッドお兄さん☆」

 愛くるしい笑顔を見せながらエリウッドに擦り寄るエリウッド。

「YES。ユーのゲームは最高だったNE、次のゲームが楽しみSA」

 エリウッドは俺に対し申し訳なさそうな表情を見せながら、擦り寄って来たレオナを手繰り寄せ膝の上に座らせた。
 こうやって見ると、仲の良い兄弟にみえるのだが、彼等は惚れ薬の効果があるが故、最悪あんな事やこんな事になる可能性を秘めているが。
 その時ツッコミを入れる為ハリセンの一つも用意して置きたい物だ。
 出来ればオリハルコン製の。
 現実世界ではありえない金属&そんな貴重な金属を加工してハリセンを作るもの好きがどこにいるんだよ!
 と心の中で一人ツッコミを入れ、みんなにバレない様一人でクスッと笑って見せる。
 
「サナリスさんにお別れの言葉の一つも言えなかったのは少しばかり心残りでありますわ」
「どなたで御座いましょうか?」
「ステラ嬢が魔法で迎撃した魔族ですわ」
「あのお方ですか? わたくし、凄く手加減致しましたがあの様になってしまったのは申し訳無いと思います」

 ステラ嬢、手加減した魔法3発でゲーム内上位のHPを持つサナリスを消し飛ばしてるからなぁ。
 
「あはは、あの時は痛かったですけど、知らなかったなら仕方ありませんよ」

 と、聞き覚えのある女性の声だ。
 声の質から少なくともステラ嬢では無い。
 なんだ? レオナの奴変声能力のある発明でもしたのか?
 この状況で女性の声を出す意味は無いが、いや、いたずらなら有り得るな。
 
「レオナ君? 新しい発明の実験ですか?」
「んーそうだよ」

 俺がレオナに尋ねると、少考した後に返事をした。
 ん? 元の少年の声をしている、つまりレオナが変声をして居る訳では無い。
 となると後考えうるのは、まさか妹にこの場所がバレた!?
 チィッ! これはまずい事になったなっ! 妹の口から母上様に伝わってしまったらこの聖域が破壊されてしまう!
 俺は、どうやって妹を黙らせようか考えながら声の主へと視線を向ける。
 すると、そこには耳元よりもすこしばかり長めのセミショートヘアーの女の子。
 ふわふわとした薄緑色の髪をゆっくりとなびかせる女の子。
 つい先程まで俺が対峙していた女の子に良く似ている。
 そして極めつけは頭のてっぺんから左右1本ずつ生える魔族特有の角、少なくとも人間では無い。
 更に、背中をチラ見すればこれまた魔族特有の翼が生えている。
 これらから導き出された答えそれは我が妹では無く、

「さ、サナリス!? どうしてお前がここに!?!?」
 
 彼女は龍の冒険の中にいるキャラクターのはずだ。
 そんな彼女がこの世界にこれるとは。
 いや、さっきレオナが新しい発明の実験との問いを肯定していた。
 
「えへへ。ルチーナお姉ちゃんがさみしそうにしていたから、ゲームの中にいる住人をこの世界に呼び出せる装置を作ったんだ」
 
 何っ! 今から俺が相談しようとしたことを先手打ってやってくれただと!? 俺、レオナの事を見直したぞ!

「ほほほ。 やりますわね、レオナルト」

 やばい、涙をこらえるのがしんどいッ。
 最悪二度と再会出来ないと思っていたサナリスと再会出来たこの瞬間涙を流さずいつ流すのだ!
 しかし、しかしっ。俺は気高き悪役令嬢ルチーナ・ファルタジナッ幾ら感動的になっても涙を流す訳にはいかないッ!

「ルチーナ様ですか!? お会いしたくて仕方が無かったんです☆」

 サナリスは席を立ち、俺の隣に来るとめいいっぱい抱き着いて来た。
 俺は今にも溢れ出しそうな涙を必死にこらえながら、サナリスの頭をそっと撫でた。

「ふふっ、それはわたくしも同じでありますわ」
「人間の姿のルチーナ様も素敵ですね☆」

 サナリスの無邪気な言葉が心に響く。
 涙をこらえながら10秒程深呼吸をして、
 
「当然の事でありましてよ」
 
 細々と言葉を紡ぎ出した。
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