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1章「魔剣オルクストート」
12話
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「にゃっはっは、このちなみちゃんが暗闇なんかこわい訳ありません!」
「サイですか、まー明かりはあっしが灯すけどさー」
「よし、行くぞ」
フィルリークの合図と共に洞窟の奥へと向かった。
―洞窟深部―
「チッ、よりにもよってこんな場所かよっ、俺様が見つかるまでどれだけの時間が掛かるっつーんだ」
魔剣オルクストートとし、アスザルワールドへ転移したネザーリッパーであるが、この様な人の気配のしない洞窟深部へと転移させられたことについて悪態をついている。
「クッソ、こちとらこの世界の人間の生き血を吸ってさっさと元の肉体に戻りてぇんだ!」
魔界に居ては元の力を取り戻す為に時間が掛かるからこそ態々この世界へと舞い降りたが、しかし初動から躓いている事に対し物凄いフラストレーションを抱いている様だ。
「ああっ!? ふざけんじゃねー! なんでフィルリークの野郎がいやがんだ!」
ネザーリッパ―が異世界転移した理由の一つとして、宿敵フィルリークから遠ざかると言う事も勿論あった。
「クソがっ! 異世界なんざ腐る程あるっつーのになんで俺が選んだ異世界に来やがったんだ!」
しかし、何故かフィルリークの気配を探知してしまったネザーリッパーは己の不条理さを怒りに変え周囲の岩壁にぶつけてしまいたい衝動に駆られた。
勿論、その身を魔剣としてしまったネザーリッパーにその様なが出来る筈もなかった。
「いや、待て、例えフィルリークの野郎だろーがここからの脱出に利用しない手はねぇ!」
ネザーリッパーは、自由を得る為にフィルリークを利用する事とした。
フィルリーク達は炎の精霊が放つ灯かりを頼りに洞窟の深部へと向かっていた。
「意外と単純みたいだな」
「はわわ!? そ、そーなんですかぁ!?」
特に複雑な分岐点も無く、罠が設置されている気配も無い。
また、魔物が襲撃してくる様子も全く無く精々いえば山岳部にある洞窟であるが故、下り坂や上り坂が多く体力の消耗が少し多い事が気になる位だった。
この程度の洞窟を探索する事など元の世界では幾度と無く行っていたフィルリークにとっては朝飯前の事であったのだが、フィルリークの腕にぴったりとくっついてにゃーにゃー騒いでいるちなみにとってこの洞窟は大変なものである様だった。
「……」
「マスター? どーしたんっすか?」
「ちなみ、さんだったか?」
フィルリークは自分に対して妙にくっついてくるちなみに対して疑問の声を投げかけるが、
「にゃー暗いのこわいにゃ~」
そんなフィルリークの声なんか無視してちなみは可愛い子ぶって更にべったりとその身を寄せる。
「……」
「まーそーっすねぇ、あの小娘演技ヘタっすね……まさか、マスター、あのふぃるなんちゃらに気でもあるんっすか?」
「……」
「は……ははは、ま、ますたー?じょ、ジョーダンっすよ? そ、そんな物騒なブツお納め下さいまし……」
下らない事をいった炎の精霊に対してフィアがハリセンを取り出し身構えるも、それを見た炎の精霊が震えながらも懇願した。
「……」
「ふ、ふぅ、た、助かったっす……光の精霊みたいにはなりたくないっす」
フィアがハリセンをしまった事を確認した炎の精霊が安堵の声を上げた。
その隣では、相変わらずちなみがフィルリークにべったりとくっついているのだが。
「ふむ、暗いのが怖いのか?」
「そうですにゃ~ちなみちゃん暗くてぶるぶる震えてるんですにゃ~☆」
「そうか」
普通の男であればちなみによる必死の可愛さアピールの前に鼻の下の一つでも伸ばしそうなのだが、フィルリークはそんなそぶりすら見せずに『ホーリィ・ライト』の魔法を発動させた。
「炎の精霊の灯かりとこれがあれば大丈夫だろう」
フィルリークの魔法により、先程までは周囲2-3Mしか分からなかった洞窟内部がほぼ全て照らされる様になった。
「はわわわわ……そ、そ~じゃないんですけどぉ~、そのぉ~ありがとうございますぅ~」
「……」
自分の思惑が全く伝わっていない事に困惑したちなみであるが、フィルリークの善意に対してはしっかりとお礼をした。
それと同時にフィアは、アンタがフィルリークにくっつく理由は無くなったよね? といわんばかりに凍て付いた視線をちなみに送った。
「あの勇者さんも中々のモンっすね」
「そうね」
炎の精霊は、フィルリークが鈍感過ぎると言いたい様だった。
「よし、先をいこう」
フィルリークが先陣を切り、その後をフィアの視線により渋々フィルリークから離れたちなみが後をつき、その後をフィアと炎の精霊が追った。
『お願い……私を助けてください……』
「誰だ?」
突然聞こえて来た女性の声に思わずフィルリークが反応した。
「サイですか、まー明かりはあっしが灯すけどさー」
「よし、行くぞ」
フィルリークの合図と共に洞窟の奥へと向かった。
―洞窟深部―
「チッ、よりにもよってこんな場所かよっ、俺様が見つかるまでどれだけの時間が掛かるっつーんだ」
魔剣オルクストートとし、アスザルワールドへ転移したネザーリッパーであるが、この様な人の気配のしない洞窟深部へと転移させられたことについて悪態をついている。
「クッソ、こちとらこの世界の人間の生き血を吸ってさっさと元の肉体に戻りてぇんだ!」
魔界に居ては元の力を取り戻す為に時間が掛かるからこそ態々この世界へと舞い降りたが、しかし初動から躓いている事に対し物凄いフラストレーションを抱いている様だ。
「ああっ!? ふざけんじゃねー! なんでフィルリークの野郎がいやがんだ!」
ネザーリッパ―が異世界転移した理由の一つとして、宿敵フィルリークから遠ざかると言う事も勿論あった。
「クソがっ! 異世界なんざ腐る程あるっつーのになんで俺が選んだ異世界に来やがったんだ!」
しかし、何故かフィルリークの気配を探知してしまったネザーリッパーは己の不条理さを怒りに変え周囲の岩壁にぶつけてしまいたい衝動に駆られた。
勿論、その身を魔剣としてしまったネザーリッパーにその様なが出来る筈もなかった。
「いや、待て、例えフィルリークの野郎だろーがここからの脱出に利用しない手はねぇ!」
ネザーリッパーは、自由を得る為にフィルリークを利用する事とした。
フィルリーク達は炎の精霊が放つ灯かりを頼りに洞窟の深部へと向かっていた。
「意外と単純みたいだな」
「はわわ!? そ、そーなんですかぁ!?」
特に複雑な分岐点も無く、罠が設置されている気配も無い。
また、魔物が襲撃してくる様子も全く無く精々いえば山岳部にある洞窟であるが故、下り坂や上り坂が多く体力の消耗が少し多い事が気になる位だった。
この程度の洞窟を探索する事など元の世界では幾度と無く行っていたフィルリークにとっては朝飯前の事であったのだが、フィルリークの腕にぴったりとくっついてにゃーにゃー騒いでいるちなみにとってこの洞窟は大変なものである様だった。
「……」
「マスター? どーしたんっすか?」
「ちなみ、さんだったか?」
フィルリークは自分に対して妙にくっついてくるちなみに対して疑問の声を投げかけるが、
「にゃー暗いのこわいにゃ~」
そんなフィルリークの声なんか無視してちなみは可愛い子ぶって更にべったりとその身を寄せる。
「……」
「まーそーっすねぇ、あの小娘演技ヘタっすね……まさか、マスター、あのふぃるなんちゃらに気でもあるんっすか?」
「……」
「は……ははは、ま、ますたー?じょ、ジョーダンっすよ? そ、そんな物騒なブツお納め下さいまし……」
下らない事をいった炎の精霊に対してフィアがハリセンを取り出し身構えるも、それを見た炎の精霊が震えながらも懇願した。
「……」
「ふ、ふぅ、た、助かったっす……光の精霊みたいにはなりたくないっす」
フィアがハリセンをしまった事を確認した炎の精霊が安堵の声を上げた。
その隣では、相変わらずちなみがフィルリークにべったりとくっついているのだが。
「ふむ、暗いのが怖いのか?」
「そうですにゃ~ちなみちゃん暗くてぶるぶる震えてるんですにゃ~☆」
「そうか」
普通の男であればちなみによる必死の可愛さアピールの前に鼻の下の一つでも伸ばしそうなのだが、フィルリークはそんなそぶりすら見せずに『ホーリィ・ライト』の魔法を発動させた。
「炎の精霊の灯かりとこれがあれば大丈夫だろう」
フィルリークの魔法により、先程までは周囲2-3Mしか分からなかった洞窟内部がほぼ全て照らされる様になった。
「はわわわわ……そ、そ~じゃないんですけどぉ~、そのぉ~ありがとうございますぅ~」
「……」
自分の思惑が全く伝わっていない事に困惑したちなみであるが、フィルリークの善意に対してはしっかりとお礼をした。
それと同時にフィアは、アンタがフィルリークにくっつく理由は無くなったよね? といわんばかりに凍て付いた視線をちなみに送った。
「あの勇者さんも中々のモンっすね」
「そうね」
炎の精霊は、フィルリークが鈍感過ぎると言いたい様だった。
「よし、先をいこう」
フィルリークが先陣を切り、その後をフィアの視線により渋々フィルリークから離れたちなみが後をつき、その後をフィアと炎の精霊が追った。
『お願い……私を助けてください……』
「誰だ?」
突然聞こえて来た女性の声に思わずフィルリークが反応した。
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