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1章「魔剣オルクストート」
14話
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「いや、勇者である俺がやるべきだ」
「そそそ、それだけは駄目ですよぅ! もしもふぃるりーくさんが魔剣に乗っ取られちゃったら私達じゃどうしようもできなくなりますよぉ」
「そっすね、お嬢ちゃんのいうとーりっす、フィア様はプリーストっす、お嬢ちゃんは魔術師っす、この至近距離で剣士である勇者様が敵に回ったらあっし等は何も出来なくなるっす」
「む……確かにそうだが……」
「フィア様は攻撃魔術は召喚魔術こそ使えるっすけど、召喚されてるあっし等まで乗っ取られるかっていわれたら分かんないっすけど、乗っ取られない可能性も十分あるっす」
炎の精霊が言う通り、魔剣に精神を乗っ取られてしまった場合の事を考えればフィルリークでなくフィアに任せる方が正しいだろう。
勿論、乗っ取られない前提であれば、勇者であり剣を扱えるフィルリークに任せた方が良くなるだろう。
『の、乗っ取る事なんてないですから! は、早く私を助けて下さい、こ、このままでは私の精神が!』
フィルリーク達のやりとりを聞いた上で、魔剣が急かす様にそう言った。
「む、それはマズイ」
「そう」
「はにゃにゃ~!? ととと、兎に角やるしかないですぅ!?」
ちなみもまた、魔剣オルクストートの入手によりマジックタウンの平穏が守られると判断しているのだろう。
それが例えプリーストタウンの手に渡ったとしても、だ。
故に魔剣オルクストートの言葉を受け、少しばかり焦っている様だ。
そんなちなみとは裏腹にフィアが詠唱を始めた。
術を描くフィアの周囲に白いオーラが展開される、恐らくは光属性の魔法だろう。
「これは?」
「多分、光属性のエネルギーを増幅させて、魔剣の闇の力に対抗するんじゃないっすか?」
『ちょ……そ、それは!?』
何故か先程まで助けを乞うていた魔剣が待ったと言いたげな声を上げた。
「大丈夫、念の為」
魔法を完成させたフィアは、まるでそんなもの使わなくてもお前なんか問題無いと言わんばかりに不敵な笑みを見せその柄を手に収めた。
『い、いやあああ、や、やめてぇぇぇぇ!』
フィアは魔剣の悲鳴を鮮やかにスルーし、その風貌を眺めた。
「今悲鳴が聞こえたが……」
「気のせい」
「そうだよな、助けてといって助けたら悲鳴を上げられるってのは変な話だ」
「そうっすね、けど、助けた男が変質者だったらちょっと考えるっす」
「そういうものなのか?」
「勇者様はカッコイイからカンケーねーっすけど、薄気味悪い風貌をして低い声で迫ったら幾ら助けて貰えても恐怖を感じるっす」
「ふむ……確かに目の前にござると語尾を付けた人間いたら考えなくもないな」
フィルリークは、もしもカインがそうしたらと想像した様だ。
「えっと、フィアさん? だいじょーぶ、ですかぁ?」
「ふ……我が得物新しくなり」
「ちょ、ちょ、フィア様!? ま、まさかハリセンの代わりにソレを使うおつもりっすか!?」
「何か問題でも?」
「大有りっすよ!」
「……チッ」
「真っ二つになった上半身が宙を舞うとかグロすぎるっすよ!」
「治療魔法」
「いやいやいや、死んじゃうっす!」
「チッ……」
「見た限り問題は無さそうだ、それに黒いオーラも消えてるな」
フィアと炎の精霊とのやり取りに一瞬間が出来た所で、彼女が無事手中に収めた魔剣オルクストートをフィルリークが眺めながら言った。
「はにゃ~? そう言えばさっきの女の子の声が聞こえませんねぇ~?」
「……」
「フィア様の光の力でこの程度の闇の力は封殺してるっす、ただ、フツーの人には出来ない芸当だから真似するなって言ってるっす」
「そうか」
「だからと言って、フィア様は剣士じゃないっすから持つのが精一杯っす」
「プリーストならば仕方無い」
「にゃにゃ? ふぃあさん、おるくすとーとさんを片手で持ち上げてますよぉ~?」
「フィア様は剣士じゃないっすから持つのが精一杯っす」
「にょにょにょ? ふぃあさん、おるくすとーとさんをぶんぶん振り回してますよぉ~?」
「えっと、フィア様は……王女様っすから何でも出来るっす」
炎の精霊は、少し位空気読んで下さいよといわんばかりにため息をついた。
「それで、これからどうするんだ?」
「ちなみちゃんは魔剣さんに触っちゃったらどーなるか分からないから何も出来ないですぅ。 ですからぁ~王様の下に戻って報告するんですぅ☆」
「分かった」
「勇者サマはあっし等と一緒にプリーストタウンに戻るっす」
「了解した」
魔剣オルクストートを入手したフィルリーク一行は洞窟の外へ出ると、それぞれの目的地へ戻った。
「そそそ、それだけは駄目ですよぅ! もしもふぃるりーくさんが魔剣に乗っ取られちゃったら私達じゃどうしようもできなくなりますよぉ」
「そっすね、お嬢ちゃんのいうとーりっす、フィア様はプリーストっす、お嬢ちゃんは魔術師っす、この至近距離で剣士である勇者様が敵に回ったらあっし等は何も出来なくなるっす」
「む……確かにそうだが……」
「フィア様は攻撃魔術は召喚魔術こそ使えるっすけど、召喚されてるあっし等まで乗っ取られるかっていわれたら分かんないっすけど、乗っ取られない可能性も十分あるっす」
炎の精霊が言う通り、魔剣に精神を乗っ取られてしまった場合の事を考えればフィルリークでなくフィアに任せる方が正しいだろう。
勿論、乗っ取られない前提であれば、勇者であり剣を扱えるフィルリークに任せた方が良くなるだろう。
『の、乗っ取る事なんてないですから! は、早く私を助けて下さい、こ、このままでは私の精神が!』
フィルリーク達のやりとりを聞いた上で、魔剣が急かす様にそう言った。
「む、それはマズイ」
「そう」
「はにゃにゃ~!? ととと、兎に角やるしかないですぅ!?」
ちなみもまた、魔剣オルクストートの入手によりマジックタウンの平穏が守られると判断しているのだろう。
それが例えプリーストタウンの手に渡ったとしても、だ。
故に魔剣オルクストートの言葉を受け、少しばかり焦っている様だ。
そんなちなみとは裏腹にフィアが詠唱を始めた。
術を描くフィアの周囲に白いオーラが展開される、恐らくは光属性の魔法だろう。
「これは?」
「多分、光属性のエネルギーを増幅させて、魔剣の闇の力に対抗するんじゃないっすか?」
『ちょ……そ、それは!?』
何故か先程まで助けを乞うていた魔剣が待ったと言いたげな声を上げた。
「大丈夫、念の為」
魔法を完成させたフィアは、まるでそんなもの使わなくてもお前なんか問題無いと言わんばかりに不敵な笑みを見せその柄を手に収めた。
『い、いやあああ、や、やめてぇぇぇぇ!』
フィアは魔剣の悲鳴を鮮やかにスルーし、その風貌を眺めた。
「今悲鳴が聞こえたが……」
「気のせい」
「そうだよな、助けてといって助けたら悲鳴を上げられるってのは変な話だ」
「そうっすね、けど、助けた男が変質者だったらちょっと考えるっす」
「そういうものなのか?」
「勇者様はカッコイイからカンケーねーっすけど、薄気味悪い風貌をして低い声で迫ったら幾ら助けて貰えても恐怖を感じるっす」
「ふむ……確かに目の前にござると語尾を付けた人間いたら考えなくもないな」
フィルリークは、もしもカインがそうしたらと想像した様だ。
「えっと、フィアさん? だいじょーぶ、ですかぁ?」
「ふ……我が得物新しくなり」
「ちょ、ちょ、フィア様!? ま、まさかハリセンの代わりにソレを使うおつもりっすか!?」
「何か問題でも?」
「大有りっすよ!」
「……チッ」
「真っ二つになった上半身が宙を舞うとかグロすぎるっすよ!」
「治療魔法」
「いやいやいや、死んじゃうっす!」
「チッ……」
「見た限り問題は無さそうだ、それに黒いオーラも消えてるな」
フィアと炎の精霊とのやり取りに一瞬間が出来た所で、彼女が無事手中に収めた魔剣オルクストートをフィルリークが眺めながら言った。
「はにゃ~? そう言えばさっきの女の子の声が聞こえませんねぇ~?」
「……」
「フィア様の光の力でこの程度の闇の力は封殺してるっす、ただ、フツーの人には出来ない芸当だから真似するなって言ってるっす」
「そうか」
「だからと言って、フィア様は剣士じゃないっすから持つのが精一杯っす」
「プリーストならば仕方無い」
「にゃにゃ? ふぃあさん、おるくすとーとさんを片手で持ち上げてますよぉ~?」
「フィア様は剣士じゃないっすから持つのが精一杯っす」
「にょにょにょ? ふぃあさん、おるくすとーとさんをぶんぶん振り回してますよぉ~?」
「えっと、フィア様は……王女様っすから何でも出来るっす」
炎の精霊は、少し位空気読んで下さいよといわんばかりにため息をついた。
「それで、これからどうするんだ?」
「ちなみちゃんは魔剣さんに触っちゃったらどーなるか分からないから何も出来ないですぅ。 ですからぁ~王様の下に戻って報告するんですぅ☆」
「分かった」
「勇者サマはあっし等と一緒にプリーストタウンに戻るっす」
「了解した」
魔剣オルクストートを入手したフィルリーク一行は洞窟の外へ出ると、それぞれの目的地へ戻った。
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