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輝くブレスレット。【コハク視点】
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◆◆◆◆
ヒスイの噂は聞こえても姿は全く見つけられなかった次の日。
もし見つけたら連絡手段だけでも手に入れたい。だけど会って早々に連絡先を聞くのはがっつきすぎ?
下心見え過ぎて警戒されるだろうか。
まずは雑談して・・・。いやそんな事してたら授業の時間になって連絡どころじゃないかも知れないよな。
見つけたら確実に何か連絡取れる方法を・・・。
そう考えた時に予定を書き込んだ手帳が目に入った。
そうだ、俺の予定を伝えて彼女の都合が良い時に連絡を貰えばいい!
彼女が俺に関わりたくない場合はきっと連絡来ない訳だし・・・考えたら悲しくなった。
だけど何もしないよりは良い。
後は・・・そうだ、復学祝!用意しなきゃ。急いで用意すれば何とかなるかな。
その前に入れ違いにならない様にまずは校門で待機しなくては。
急いでメモを書き、部屋の番号も入れる。
焦りながら鏡の前を通りすぎると今度は見た目が気になる。キリがない!!だけど格好いいと思われたい。変わったと思われたい。
いつも通りの感じでいいのか・・・それとも少し気合いいれた方が。
・・・
やっと校門に着いた時にはちらほら学生が登校を始めていた。まだ授業だけが目的なら早い時間だ。
そのまま辺りを見回しながら待っていると友達に声をかけられ雑談をして気を紛らわす。
「おはよーコハク。今日はソワソワしてるけど何かあるのか?」
俺の態度に気がついたのは貴族なのに気さくな友人のベリルだった。
貴族のマナーや常識もヒスイの側に居たいなら必要だと思い、勇気を出して話かけたら「勉強教えてくれるなら良いよ。」と気さくに了承してくれたのが始まりで、それから何かと人付き合いが初心者な俺を気にかけてくれる。
「今日、アスティリーシャさんが来るんじゃないかと思って。一目見たくて・・・あわよくば話がしたい。」
「あぁ、アスティリーシャ・グレングールシアさんか。確かに貴族寮に昨日入ったって騒がしかったよ。」
「それ本当に!?うわぁ、どうしよう。緊張してきた。見た目変じゃないかな?」
大丈夫だよって笑う彼だけど心配で仕方なかった。
ベリルは普通にしていても格好いいし様になる。男から見ても羨ましい。
ベリルを見た事で少し気落ちした時、視界の端に待っていた人物を見つけた。
心臓が跳び跳ねたと思う。緊張で胃がギュッと鷲掴みにされた気がした。
「ヒスイ!」
今はヒスイじゃないのに思わずその名前で呼んでしまう。怒るだろうか。
だけど優雅な動作でこちらを見たヒスイは最後に別れた時よりも綺麗で纏う魔力にも輝きが増していて・・・。
住む世界が違う。
そう思ってしまった。
けど俺の声に振り向いて見せてくれた笑顔に飛び付く勢いで走り出した。ちょっとごめんと友人への挨拶もそこそこに走り出すと、俺だけに聞こえる声でベリルが頑張れよ!と後押しする。
「コハクさん!」
嬉しそうに向けられる笑顔、そして振られる手には夏祭りに贈ったブレスレットがキラリと輝く。
片腕にはアスティリーシャさんに贈ったブレスレット、もう片方の腕にはヒスイに贈ったブレスレット。
手枷ではなく、綺麗に輝く装飾品を身につけた彼女の腕を見て胸に沸き上がる喜びを感じる。
ヒスイが、アスティリーシャさんが本当に自由になって帰ってきたと。
・・・
それにしても、俺が贈った物を身に付けて登校してくれるなんて。
これって俺との思い出を大切にしてくれてたって事だよね?これは今まで頑張ってきたご褒美かもしれないと心が弾む。毎日ヘトヘトになるまで頑張って良かった。
雑談もそこそこに連絡先も教える事ができてヒスイと呼ぶ事も許され、完璧だ!と心の中で拳を高く突き上げる。
・・・ここまでは良かった。
ラピスが現れてその場の空気が変わり、早々に会話が切り上げられてしまうし。
その日は養護施設で手伝いの約束もあった。
それでも出来る準備を、と俺が手入れをして育てた花達で一番綺麗な花を使って子供達と花束を作る。そんな時。
「僕は絶対応援なんてしませんからね!恋にうつつを抜かして親友放ったらかしですか!!帰ってきたら遊んでくれるって言ったのに薄情もの!!」
困惑しているようにワナワナとしているヒスイが居た。
だけど僕と言ったその声が記憶の中のヒスイを鮮明に思い出させた。
朝会った別世界の彼女ではなく一緒に生活したヒスイと重なる。
そうだ、この顔。それに態度。
心の中でジワジワと忘れたくなかったのに忘れてしまった親友の顔を思い出す。
それが泣きたい程嬉しかった、こんな風に可愛くて、態度は自信に満ちていて。思った事を結構素直に口にするヒスイ。
人の賑わう街中で話していると、少しは前と同じ雰囲気を作れたかもしれない!と希望が生まれた。
だけど作った花束はラピスに作ったと勘違いした子供達。
その話をしていた俺達をヒスイは睨んで名前を呼んでも振り向かず帰ってしまった。
早く誤解を解かないと!とラピスに向き合うけれど・・・。
「ラピス、申し訳ないけれど君にじゃなくてヒスイに作ったんだ。復学したから。」
彼女にそう伝えると悲しそうに眉を下げる。そして子供達から非難の声が上がり花束を持っていた手をグイグイと引っ張られていた。
「えー!ラピスお姉ちゃんにがいいー!」
「そうだよー、僕が詰んだお花ラピスお姉ちゃんにあげるの!」
摘むのを手伝ってくれた子供達の思いは確かにラピスにあってそれを取り上げる事は出来ない。
「そう、か。子供達がラピスの為に摘んだならラピスの物だね。」
やったー!と喜ぶ子供達に囲まれて彼女花束を受け取り苦笑いの表情を浮かべる。
上手く行かない。
だけどお祝いのお菓子とジュースだけは届けたいと意気込んだのにラピスに買い出しの荷物もちに引っ張られてしまった。家に着けば夕食を一緒にと部屋に引き入れられそうになったけど入り口で耐えた。彼女は獣人だから力が強いし結構強引な所がある。
「ねぇ、コハクはアスティリーシャさんが好きなの?」
「そうだよ。」
早く貴族寮まで行きたいのにと焦りが出る。そして素直な気持ちを話した。
すると一瞬の隙をつかれ一層強く引き寄せられると、入り口のドアをバタンと閉められてしまい抱きつかれた。
背後でガチャリとかけられた鍵の音は内側からかける物なのに背筋がゾクリとする。まだ照明で照らされていない暗い部屋で純粋に怖いと思った。
「私はコハクが好きなの。私達は番でしょ?」
密着されると番の香りを上手く避けれなくなる。胸がドキドキとするけれどそれは不自然で・・・自分の意識とは関係ない無理矢理高められる欲求に困惑する。頭がクラクラして意識がぼんやりして考えるのを止めてしまいそうだった。
まるで悪い薬でも使われたみたいに。
「俺が好きなのはヒスイだから。」
だけど俺の口から出る思いは彼女しかあり得なくて。
力の強い彼女を全力で引き離し、息を極力止めて風で空気の流れを作り脱出に成功した。
最近鍛えていて本当に良かった。女の子相手にそう思うとは思わなかったけれど。
「急がなきゃ。」
俺にはヒスイしか見えてなくて、時間も迫っていていたから彼女を気遣う余裕が無かった。
◆◆◆
貴族寮まで来たけれど多分寮の門限には遅れてしまっている。
今日は特別な日なのに散々だ。
案の定ラピスを好きだと勘違いされているし、彼女の中では惚れやすい俺のままらしい。
本当に最悪だ。
そう思っていたのに。
俺は衝動的にヒスイを抱き締める事に成功していた。時折頬擦りしても怒られない。
・・・俺は明日死んだりしないよな?と変な不安が芽生える。
離そうと思うのに離せない。だってこっちは約一年寂しい思いをしたんだ。
この幸運を逃したら次はいつチャンスが来るか。
そうしていたらヒスイからお風呂を勧められた。ベッドも二人寝れる程大きいと。
これは・・・。
これって・・・・・・脈ありじゃないか!?
・・・
いやいやいや、ヒスイは仕切りに「親友」の言葉を口にしていた。早まるな。俺達は一時期一緒に住んでいたんだ。
その安心感から提案してくれているに違いない。
ここでしくじったら彼女の身近に置いて貰う計画は消えて無くなる。
それなのに脱衣場にタオルを持ってきたメノウさんが「チャンス到来ぃ!頑張ってねぇ。」と発破をかける。
お風呂でせっかく温まった体なのに冷たいシャワーを凍えるほど浴びる事になった。
部屋に戻るとヒスイは俺の呪印にすぐ気がつき拭き取ってくれる。
更には俺から移った呪印の跡を責める事無く受け入れるし寧ろ誇らしそうに語る。
今にも「好き」の言葉が口から飛び出しそう。
最大限の我慢をしているのに可愛い獣が「がーお」と襲ってくる。首にアムアムと歯を立てず噛みつかれた時はくすぐったさに笑ってしまったけど、離れた途端に首に触れていた柔らかな唇の余韻が体に染み渡るとバクバクと心臓が素直な反応を示す。
可愛すぎてどうにかなりそう!という感覚になったのは初めてだった。
ヒスイの噂は聞こえても姿は全く見つけられなかった次の日。
もし見つけたら連絡手段だけでも手に入れたい。だけど会って早々に連絡先を聞くのはがっつきすぎ?
下心見え過ぎて警戒されるだろうか。
まずは雑談して・・・。いやそんな事してたら授業の時間になって連絡どころじゃないかも知れないよな。
見つけたら確実に何か連絡取れる方法を・・・。
そう考えた時に予定を書き込んだ手帳が目に入った。
そうだ、俺の予定を伝えて彼女の都合が良い時に連絡を貰えばいい!
彼女が俺に関わりたくない場合はきっと連絡来ない訳だし・・・考えたら悲しくなった。
だけど何もしないよりは良い。
後は・・・そうだ、復学祝!用意しなきゃ。急いで用意すれば何とかなるかな。
その前に入れ違いにならない様にまずは校門で待機しなくては。
急いでメモを書き、部屋の番号も入れる。
焦りながら鏡の前を通りすぎると今度は見た目が気になる。キリがない!!だけど格好いいと思われたい。変わったと思われたい。
いつも通りの感じでいいのか・・・それとも少し気合いいれた方が。
・・・
やっと校門に着いた時にはちらほら学生が登校を始めていた。まだ授業だけが目的なら早い時間だ。
そのまま辺りを見回しながら待っていると友達に声をかけられ雑談をして気を紛らわす。
「おはよーコハク。今日はソワソワしてるけど何かあるのか?」
俺の態度に気がついたのは貴族なのに気さくな友人のベリルだった。
貴族のマナーや常識もヒスイの側に居たいなら必要だと思い、勇気を出して話かけたら「勉強教えてくれるなら良いよ。」と気さくに了承してくれたのが始まりで、それから何かと人付き合いが初心者な俺を気にかけてくれる。
「今日、アスティリーシャさんが来るんじゃないかと思って。一目見たくて・・・あわよくば話がしたい。」
「あぁ、アスティリーシャ・グレングールシアさんか。確かに貴族寮に昨日入ったって騒がしかったよ。」
「それ本当に!?うわぁ、どうしよう。緊張してきた。見た目変じゃないかな?」
大丈夫だよって笑う彼だけど心配で仕方なかった。
ベリルは普通にしていても格好いいし様になる。男から見ても羨ましい。
ベリルを見た事で少し気落ちした時、視界の端に待っていた人物を見つけた。
心臓が跳び跳ねたと思う。緊張で胃がギュッと鷲掴みにされた気がした。
「ヒスイ!」
今はヒスイじゃないのに思わずその名前で呼んでしまう。怒るだろうか。
だけど優雅な動作でこちらを見たヒスイは最後に別れた時よりも綺麗で纏う魔力にも輝きが増していて・・・。
住む世界が違う。
そう思ってしまった。
けど俺の声に振り向いて見せてくれた笑顔に飛び付く勢いで走り出した。ちょっとごめんと友人への挨拶もそこそこに走り出すと、俺だけに聞こえる声でベリルが頑張れよ!と後押しする。
「コハクさん!」
嬉しそうに向けられる笑顔、そして振られる手には夏祭りに贈ったブレスレットがキラリと輝く。
片腕にはアスティリーシャさんに贈ったブレスレット、もう片方の腕にはヒスイに贈ったブレスレット。
手枷ではなく、綺麗に輝く装飾品を身につけた彼女の腕を見て胸に沸き上がる喜びを感じる。
ヒスイが、アスティリーシャさんが本当に自由になって帰ってきたと。
・・・
それにしても、俺が贈った物を身に付けて登校してくれるなんて。
これって俺との思い出を大切にしてくれてたって事だよね?これは今まで頑張ってきたご褒美かもしれないと心が弾む。毎日ヘトヘトになるまで頑張って良かった。
雑談もそこそこに連絡先も教える事ができてヒスイと呼ぶ事も許され、完璧だ!と心の中で拳を高く突き上げる。
・・・ここまでは良かった。
ラピスが現れてその場の空気が変わり、早々に会話が切り上げられてしまうし。
その日は養護施設で手伝いの約束もあった。
それでも出来る準備を、と俺が手入れをして育てた花達で一番綺麗な花を使って子供達と花束を作る。そんな時。
「僕は絶対応援なんてしませんからね!恋にうつつを抜かして親友放ったらかしですか!!帰ってきたら遊んでくれるって言ったのに薄情もの!!」
困惑しているようにワナワナとしているヒスイが居た。
だけど僕と言ったその声が記憶の中のヒスイを鮮明に思い出させた。
朝会った別世界の彼女ではなく一緒に生活したヒスイと重なる。
そうだ、この顔。それに態度。
心の中でジワジワと忘れたくなかったのに忘れてしまった親友の顔を思い出す。
それが泣きたい程嬉しかった、こんな風に可愛くて、態度は自信に満ちていて。思った事を結構素直に口にするヒスイ。
人の賑わう街中で話していると、少しは前と同じ雰囲気を作れたかもしれない!と希望が生まれた。
だけど作った花束はラピスに作ったと勘違いした子供達。
その話をしていた俺達をヒスイは睨んで名前を呼んでも振り向かず帰ってしまった。
早く誤解を解かないと!とラピスに向き合うけれど・・・。
「ラピス、申し訳ないけれど君にじゃなくてヒスイに作ったんだ。復学したから。」
彼女にそう伝えると悲しそうに眉を下げる。そして子供達から非難の声が上がり花束を持っていた手をグイグイと引っ張られていた。
「えー!ラピスお姉ちゃんにがいいー!」
「そうだよー、僕が詰んだお花ラピスお姉ちゃんにあげるの!」
摘むのを手伝ってくれた子供達の思いは確かにラピスにあってそれを取り上げる事は出来ない。
「そう、か。子供達がラピスの為に摘んだならラピスの物だね。」
やったー!と喜ぶ子供達に囲まれて彼女花束を受け取り苦笑いの表情を浮かべる。
上手く行かない。
だけどお祝いのお菓子とジュースだけは届けたいと意気込んだのにラピスに買い出しの荷物もちに引っ張られてしまった。家に着けば夕食を一緒にと部屋に引き入れられそうになったけど入り口で耐えた。彼女は獣人だから力が強いし結構強引な所がある。
「ねぇ、コハクはアスティリーシャさんが好きなの?」
「そうだよ。」
早く貴族寮まで行きたいのにと焦りが出る。そして素直な気持ちを話した。
すると一瞬の隙をつかれ一層強く引き寄せられると、入り口のドアをバタンと閉められてしまい抱きつかれた。
背後でガチャリとかけられた鍵の音は内側からかける物なのに背筋がゾクリとする。まだ照明で照らされていない暗い部屋で純粋に怖いと思った。
「私はコハクが好きなの。私達は番でしょ?」
密着されると番の香りを上手く避けれなくなる。胸がドキドキとするけれどそれは不自然で・・・自分の意識とは関係ない無理矢理高められる欲求に困惑する。頭がクラクラして意識がぼんやりして考えるのを止めてしまいそうだった。
まるで悪い薬でも使われたみたいに。
「俺が好きなのはヒスイだから。」
だけど俺の口から出る思いは彼女しかあり得なくて。
力の強い彼女を全力で引き離し、息を極力止めて風で空気の流れを作り脱出に成功した。
最近鍛えていて本当に良かった。女の子相手にそう思うとは思わなかったけれど。
「急がなきゃ。」
俺にはヒスイしか見えてなくて、時間も迫っていていたから彼女を気遣う余裕が無かった。
◆◆◆
貴族寮まで来たけれど多分寮の門限には遅れてしまっている。
今日は特別な日なのに散々だ。
案の定ラピスを好きだと勘違いされているし、彼女の中では惚れやすい俺のままらしい。
本当に最悪だ。
そう思っていたのに。
俺は衝動的にヒスイを抱き締める事に成功していた。時折頬擦りしても怒られない。
・・・俺は明日死んだりしないよな?と変な不安が芽生える。
離そうと思うのに離せない。だってこっちは約一年寂しい思いをしたんだ。
この幸運を逃したら次はいつチャンスが来るか。
そうしていたらヒスイからお風呂を勧められた。ベッドも二人寝れる程大きいと。
これは・・・。
これって・・・・・・脈ありじゃないか!?
・・・
いやいやいや、ヒスイは仕切りに「親友」の言葉を口にしていた。早まるな。俺達は一時期一緒に住んでいたんだ。
その安心感から提案してくれているに違いない。
ここでしくじったら彼女の身近に置いて貰う計画は消えて無くなる。
それなのに脱衣場にタオルを持ってきたメノウさんが「チャンス到来ぃ!頑張ってねぇ。」と発破をかける。
お風呂でせっかく温まった体なのに冷たいシャワーを凍えるほど浴びる事になった。
部屋に戻るとヒスイは俺の呪印にすぐ気がつき拭き取ってくれる。
更には俺から移った呪印の跡を責める事無く受け入れるし寧ろ誇らしそうに語る。
今にも「好き」の言葉が口から飛び出しそう。
最大限の我慢をしているのに可愛い獣が「がーお」と襲ってくる。首にアムアムと歯を立てず噛みつかれた時はくすぐったさに笑ってしまったけど、離れた途端に首に触れていた柔らかな唇の余韻が体に染み渡るとバクバクと心臓が素直な反応を示す。
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