勇者と小さな魔王の旅

木元うずき

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運命のイタズラ

旅の記録39 この世で一番怖いもの

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洗い物を済ました日向は部屋の片隅で膝を抱き眠っていた。
さて、寝巻きから着替えたシルヴィはっと言うと・・・
「はぁ・・・。ここの守り主ですか?」
昨日、日向が新しい魔法を開発していた森で薬草の採取をしていた。そこでたまたま出会ってしまった大狼おおかみ。体長は約200M。この森の主っと言っても過言では無い。
「ですが、私は貴方を倒したい訳ではないので少し眠ってもらいますね?道具倍加術です」
シルヴィの目の前に出てきた黄色い光を手に持っていた花に当て、それを大狼おおかみに投げた。
「これでよしっと。さて、これでゆっくり採取出来ますね」
シルヴィは眠っている大狼おおかみの横をスキップで通り過ぎ深い茂みの中に入っていった。
深い茂みを抜けると辺りは一瞬で明るくなり開けた場所に出た。
「あったあった!」
辺りは木々が生えており光が殆ど刺さないこの森で唯一光が差し込む場所。通称『天国の光』と呼ばれている場所に生えている薬草が今回のお目当ての物だった。
「ふふ~ん。これで皆さんにご馳走出来そうですね」
まだ若い物は採らず片手じゃぁ少し溢れるぐらいの薬草をリュックに詰めその場を後にした。
「ただいまー」
元気よく扉を開けたシルヴィは誰からの返事もなく辺りを見渡したが誰もいなかった。
「あれ?皆さんお留守ですかね?なら、少し台所借りて帰ってきた皆さんを驚かせよ~っと」
シルヴィはさっき採った薬草をサッと水で土を落とし薄い紙で水気を取っている間に大会中に溜まったゴミを処分しようとゴミ箱に近づいた。
カサッ
「誰かいるのですか?」
不安気に辺りを見ているが誰もいず気のせいだと思ったのも束の間、次はどこから鳴ったのか分かるぐらい大きくなった。
いつもは小さくして直している木の棒・・・に見立てた杖を出しゆっくりと近づいた。
「で、出てくるのなら今のうちで、でひゅよ!」
怖がりが遂に頂点に達したのか言葉を噛んでしまった。
何故怖がるのか。それは簡単です。シルヴィは『眠り姫』の服装に着替えないと戦闘は弱くなってしまう。しかも、リュックは遠くに置いてあり、道具使いとしての本領が発揮できない状態だったからである!
え?空中に円でも書けば出せるのではないかと?いやー、あれは私の設定ミスで起こってしまった事でしてね~。表上、「私も無意識でやっていたので分からないです」って事にしています。本当に失礼しました
「う、うぅ。そっちがその気ならし、知りませんからね!」
シルヴィは物音がした場所付近の物を杖で払った。そこにいたのは・・・
「え、日向さん?」
袋で埋もれていた日向が発見されたのだった。壁に腰掛けてスヤスヤと眠っていたのだった。
「日向さ~ん。起きてくださ~い」
シルヴィは日向の頬を軽く叩きながら声を掛けているが起きる気配はなかった。もう少し強く叩いたがそれでも起きる気配が無く諦めて薬草の下ごしらえをしようとした時に日向の腰付近にあった杖が目に入った。
(確か、日向さんの杖って特注でしたよね?)
そっと杖に手をかけた時、冷たい目付きで見られているのに気がついた
「何しているの、シルヴィ?」
声は平坦で何の感情もこもっていない。あるのは冷たさのみ。
恐る恐る横目をやると真顔でシルヴィの事を見ている日向の顔があった。
「だから、何しているの?シルヴィ」
(こ、これは誰でも分かる!絶対怒ってますよね!?絶対に!)
日向は瞬きもせずにシルヴィを見て、しかもいつもは「シルヴィ様!」って言っているのに呼び捨てされている・・・。これは確定で、激おこ状態だった。
「え、えっと・・・あの~」
「3」
「え、何のカウントダウンですか?」
「2」
「あ、そういう事ですか・・・」
「1」
「話すのでやめてくださーーーい!」
さて、何が起きたのか簡単に説明すると、カウントダウンを始めた日向はジワジワと杖に手を近づけそれを見たシルヴィは全てを察した。ってことです!当然、日向の表情は『無』です!
日向が杖を下ろしたのを見て安堵のため息をついたシルヴィは理由の説明を始めた
「日向さんの杖は確か特注だった覚えがあるので少しどんな物か触ってみたかったのです」
「ふ~ん。なるほどね?」
顔の表情が少し動いた日向の表情は目は笑ってないが口は笑っている。私が言う所の
気絶を覚悟したシルヴィは俯き魔法が撃たれるのを待っていた。・・・が一向に撃たれる気配がなかった。恐る恐る顔を上げてみると笑いを堪えている日向がいた
「え?怒っているのでわ?」
その発言を聞いた瞬間日向は笑いだしてしまった。しかも、お腹を抑えて床を叩くぐらいの大爆笑だった。何が起きたのか分からないシルヴィは取り敢えず日向の笑いが収まるまでその場で正座して待っていた
あれから30分・・・
「あはっ・・・は、は、はぁ~・・・スゥはぁ~・・・」
やっと笑いは収まりただいま深呼吸中!
途中で過呼吸になりながらも笑い続けていた日向は顔が真っ赤で危うく命の危険まで悟ったシルヴィでした。
「ふぅ。で、なんだっけ?」
やっと息が整ったのかケロッとした顔でシルヴィに問いかけた。
「いや、あの。怒っていなかったのですか?って事です」
「あ、そ・・・それね!」
またもや笑いだしそうになった日向は必死で堪えるために自分の胸を数回強く叩いた。
「ぷは!よし、これで暫くは大丈夫かな?」
日向は目を瞑り精神統一(?)をした。
「よし。で、私が怒ってたと思ったの?シルヴィ様は」
日向は背伸びをしながらシルヴィの問いかけに答え始めた。
「そうですけど?」
「ふぅ・・・。気持ちよかった。で、私はまだ怒っていなかったよ」
背伸びしたのが余程気持ちよかったのかズルズルと壁から滑っていった。
「答え次第では殺していたかな?」
満面の笑みでサラッと恐ろしいことを言った日向。この時シルヴィは改めて日向は敵に回さないとそっと誓ったのだった。
「で、杖が見たいなら言ったらいいのに。あ、次無言で触ったら半殺しね」
「だから、サラッと笑顔でとんでもない事言わないでくださいよ!」
と、改めて日向の怖さを実感したシルヴィだった。
めでたしめでたし
「所で何でここで寝ていたのです?」
「ゴミを処分しようとしたけど案外袋がいい大きさだったからつい寝ちゃった」
「・・・」
シルヴィは何とも言えない表情だったのはまた別の機会に。(触れないけどね!)


あ、そして補足説明!
台所は部屋の入口入ってすぐ右に折れた所にあり、ゴミ箱はその隅に置いてあります。なので、部屋の隅で寝ているは何も間違ってはいません!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ふぅ、さて夏休み真っ只中の私『木元卯月』は頑張って書いています!学校始まるまでまだまだ期間があるのでペースは落ちますが・・・まぁそれはそれで許してください・・・。
それよりこの作品『勇者と小さな魔王の旅』はこのまま行くとたぶん『旅の記録   60』ぐらいで終わりとなります。これは大雑把な計算の末に出てきた数字なので寄り道などしていたら伸びるかもしれません。逆に短くなるかもしれませんがね。それは勇者と日向と魔王の旅路次第で決まります。今後とも『勇者と小さな魔王の旅』をよろしくお願いします
「途中で見るのをやめたら私のブリザードで全員、殺すから」
「ちょっ!日向やめるんじゃ!読者を脅するじゃない!」
「えっと・・・これからもよろしくお願いします」
(ちょっとした寸劇でした!)
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