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Mission 18*喧嘩
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しおりを挟むそうだ。
俺があづみと再会して付き合いだしたのは大学二年の冬。春休みは伊織が帰って来るし、就職活動の前にと自動車学校に通い始めて、あづみと別れた。
けれど、春休みに伊織は帰って来なかった。
木島との話を聞いて、伊織が一年間も実家に帰らなかったのは、木島と付き合っていたからだと思った。
俺はずっと、伊織が帰って来るのを待っていたのに、と腹が立った。
まさか、伊織が帰らなくなったのは俺とあづみを見たから――?
『石川さんだけは嫌だった』
伊織はそう言った。
あの頃、俺が女といる姿なんてしょっちゅう見ていたはず。それなのに、あづみだけは嫌だなんて不思議だ。
「あれ? 噂をすれば……。古賀さんじゃない?」
あづみが窓の外を指さした。俺も指の先を見る。
窓には大きく店名が描かれていて、その一文字『O』の真ん中から目を丸くしていたのは、間違いなく伊織だった。
目が合った瞬間、伊織は走り出した。
ヤバッ――!!
俺は勢いよく立ち上がり、店を飛び出した。伊織が走り去った方向を凝視したが、それらしき姿は見えなかった。
絶対……誤解した――。
こうなって初めて、不安がこみ上げてきた。
勝手に、俺と伊織は何があっても大丈夫だと思っていた。
ゆうきがよりを戻したいと言ってきた時も、木島との過去を聞いた時も、苛立ちや嫉妬は感じても不安はなかった。
なのに、今は行き交う人々の靴音も話し声もかき消すほどの早くて大きな鼓動に、全身が震える。
胃が締め付けられ、食べたものが逆流しそうな吐き気。
これまでに二度、伊織は黙って俺の前から消えた。
一度目は大学進学。二度目は大学三年の一年間。
突然、置き去りにされた時の孤独と暗闇を思い出す。
俺は会計を済ましてあづみに別れを告げると、全速力で社に戻った。
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