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Mission 24*夢見た未来
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私と圭は驚きを置き土産に、SIINAに別れを告げた。
去り際、若葉さんが島田さんと結婚することになりそうだと教えてくれた。どうやらおめでたらしい。
圭から、三浦さんは退職して竹井さんの地元について行くと聞いた。
みんな、それぞれの道を進む。
私と圭の任務は、終了した――。
私と圭は十日間の休暇を取り、新居のマンションを購入し、両家への挨拶を済ませ、新婚旅行をした。
とはいえ、あまり遠くに行く時間もなくて、秋の北海道。
のんびりと温泉に浸かり、札幌や小樽を観光し、ラーメンやお寿司を食べた。
最終日。
サプライズで連れて行かれたのは、教会だった。
「平日だから空いてたんだ」と、圭は何でもないように言った。
けれど、スタイリストの女性が教えてくれた。
「本当は、今日は定休日なんです。けど、新郎様がどうしてもと、何度もお電話くださって。割増料金どころか、その倍額払ってもいいとまで仰ってましたよ」
化粧が崩れないよう、涙を堪えるのに必死だった。
「迷ったんだけど、二人きりにしたよ」
教会の扉の前で、圭が言った。
「俺たちらしいかなと思って」
私は、頷いた。
たくさんの人たちに祝福してもらうのも幸せだろう。けれど、ずっと私たちの関係は秘密で、だからこそ深く想い合い、離れていてもそれは変わらなかった。
今のこの瞬間も二人だけの秘密だなんて、私たちらしいと思った。
「ねぇ、圭」
「ん?」
「前に、持ち越した質問、今してもいい?」
忘れていたのか、圭は少し記憶を辿ってから、頷いた。
「いいぜ」
「私を最後の女にしてくれる?」
前に同じことを言った。ベッドの中で。あの時は、セックスに夢中で、返事を聞けなかった。
「当然だろ? けど、それって……質問か?」
違う……か。
「訂正する」
中からパイプオルガンの音が聞こえる。
「私が圭の最後の女、ね!」
扉が開く。
私と圭の目に飛び込んできたのは、数人の参列者。
「二人きりだって……」
「そのハズなんだけど……」
どうやら圭も知らなかったよう。
圭の両親、私の両親、蓮兄、綾香さん、咲さん、蒼さん。
「軽くお辞儀して、入場です」
横に控えてくれていたプランナーさんが小声で言った。プランナーさんは参列者がいることを知っていたらしく、にっこり微笑んだ。
私と圭は慌てて頭を下げ、足を踏み出した。
涙が、溢れた。
みんなの拍手の数だけ、涙がこぼれた。
圭のお母さんも、私のお母さんも泣いている。
幸せだ、と思った。
ずっと、堂々と圭の隣に立てる日を夢見てた。圭は私の男だと、知らしめたかった。
「お前の最後の男も、俺だからな」
ベール越しに、圭が目に涙を浮かべているのが見えた。
死が二人を別つまで、圭を愛し続ける。
それはきっと、私の人生で最も重要で、最も簡単な任務――――。
――――― END ―――――
あとがき
まずは、最後までお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました<m(__)m>
二作品のストーリーを同時進行させるなんて、始めたものの、訳が分からなくなって何度投げ出しそうになったことか……(´;ω;`)
ですが、皆様から頂けるスターを励みに、何とか完結させることが出来ました(/・ω・)/パチパチ
完結をしてから一気読みしようと待っていて下さった方にも、忘れられなくて本当に良かった(つд⊂)エーン
終盤では、構想(妄想)が新作モードになってしまって、なかなか進まず苦労しました( ̄▽ ̄;)
無事に完結できて、本当に、本当に良かった!
『共犯者 ~報酬はお前~』が連載中なのですぐにとはいきませんが、番外編も書けたらなぁと思っています!(まだ、何にも考えていませんが(笑))
皆さま、これからもmegu☆ミの作品を応援してやってください<m(__)m>
megu☆ミ
去り際、若葉さんが島田さんと結婚することになりそうだと教えてくれた。どうやらおめでたらしい。
圭から、三浦さんは退職して竹井さんの地元について行くと聞いた。
みんな、それぞれの道を進む。
私と圭の任務は、終了した――。
私と圭は十日間の休暇を取り、新居のマンションを購入し、両家への挨拶を済ませ、新婚旅行をした。
とはいえ、あまり遠くに行く時間もなくて、秋の北海道。
のんびりと温泉に浸かり、札幌や小樽を観光し、ラーメンやお寿司を食べた。
最終日。
サプライズで連れて行かれたのは、教会だった。
「平日だから空いてたんだ」と、圭は何でもないように言った。
けれど、スタイリストの女性が教えてくれた。
「本当は、今日は定休日なんです。けど、新郎様がどうしてもと、何度もお電話くださって。割増料金どころか、その倍額払ってもいいとまで仰ってましたよ」
化粧が崩れないよう、涙を堪えるのに必死だった。
「迷ったんだけど、二人きりにしたよ」
教会の扉の前で、圭が言った。
「俺たちらしいかなと思って」
私は、頷いた。
たくさんの人たちに祝福してもらうのも幸せだろう。けれど、ずっと私たちの関係は秘密で、だからこそ深く想い合い、離れていてもそれは変わらなかった。
今のこの瞬間も二人だけの秘密だなんて、私たちらしいと思った。
「ねぇ、圭」
「ん?」
「前に、持ち越した質問、今してもいい?」
忘れていたのか、圭は少し記憶を辿ってから、頷いた。
「いいぜ」
「私を最後の女にしてくれる?」
前に同じことを言った。ベッドの中で。あの時は、セックスに夢中で、返事を聞けなかった。
「当然だろ? けど、それって……質問か?」
違う……か。
「訂正する」
中からパイプオルガンの音が聞こえる。
「私が圭の最後の女、ね!」
扉が開く。
私と圭の目に飛び込んできたのは、数人の参列者。
「二人きりだって……」
「そのハズなんだけど……」
どうやら圭も知らなかったよう。
圭の両親、私の両親、蓮兄、綾香さん、咲さん、蒼さん。
「軽くお辞儀して、入場です」
横に控えてくれていたプランナーさんが小声で言った。プランナーさんは参列者がいることを知っていたらしく、にっこり微笑んだ。
私と圭は慌てて頭を下げ、足を踏み出した。
涙が、溢れた。
みんなの拍手の数だけ、涙がこぼれた。
圭のお母さんも、私のお母さんも泣いている。
幸せだ、と思った。
ずっと、堂々と圭の隣に立てる日を夢見てた。圭は私の男だと、知らしめたかった。
「お前の最後の男も、俺だからな」
ベール越しに、圭が目に涙を浮かべているのが見えた。
死が二人を別つまで、圭を愛し続ける。
それはきっと、私の人生で最も重要で、最も簡単な任務――――。
――――― END ―――――
あとがき
まずは、最後までお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました<m(__)m>
二作品のストーリーを同時進行させるなんて、始めたものの、訳が分からなくなって何度投げ出しそうになったことか……(´;ω;`)
ですが、皆様から頂けるスターを励みに、何とか完結させることが出来ました(/・ω・)/パチパチ
完結をしてから一気読みしようと待っていて下さった方にも、忘れられなくて本当に良かった(つд⊂)エーン
終盤では、構想(妄想)が新作モードになってしまって、なかなか進まず苦労しました( ̄▽ ̄;)
無事に完結できて、本当に、本当に良かった!
『共犯者 ~報酬はお前~』が連載中なのですぐにとはいきませんが、番外編も書けたらなぁと思っています!(まだ、何にも考えていませんが(笑))
皆さま、これからもmegu☆ミの作品を応援してやってください<m(__)m>
megu☆ミ
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ごんたさん、コメントありがとうございます😊
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他サイトで、「共犯者」を読みました。こちらで「女は秘密の香りで獣になる 1・2」が公開されてるのをみつけ、3作品連続で読みました。おもしろかったぁ。ストーリーがしっかりあって、引き込まれました。でも、読後、「虫使い・・・車椅子・・」えっ、どうした?何があった?どこか読み落としてる?スピンオフがある?うぅ~気になる〜。
あめちゃんさん、コメントありがとうございます😊
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