続・最後の男

深冬 芽以

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6 ダブルパンチ

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「彩!」

 肩を掴まれて引き上げられ、私の口から智也のモノがチュポンッと音を立てて飛び出した。

「どうしたんだよ!」

 はぁっ、と苦しそうに息を吐いた智也の顔は赤く、また熱が上がってしまったのでは心配になった。

「ごめ――」

「変だぞ。どうしたんだよ」

 両手で頬を挟まれ、唇が突き出る。私、きっとものすごく不細工な顔になっている。

「なに……も……」

「嘘だ!」

「嘘じゃない!」

 私は智也の手を払い除け、言った。

「私からソノ気になったらおかしい? こんな――おばさんが……みっともない? もっと若い子なら――」

 最悪だ。

 泣くつもりなんかなかったのに、涙が止まらない。

「どうしたんだよ」

 涙で歪んで見えないけれど、智也が心配しているのは声で分かる。

「彩」

 本当に、最悪だ。

 下半身丸出しで、ソノ気にさせられて、泣きだされて、興奮状態のモノは放置されて。

 こんな勝手な女、私なら面倒臭くて堪らない。

「抱いて……」

 何も考えたくなかった。

「お願い……」

 ただ、全身で智也の事だけ感じていたかった。

「抱いて――」

 四十のおばさんが年下の恋人に抱いてくれと懇願するなんて、こんなにみっともないことはない。それでも、なりふり構っていられなかった。



『あなたと付き合っても、智也には不利益デメリットしかないじゃない』



 言われなくたって、わかっている。



 それでも、一緒にいたい――。



 私は自らジーンズとショーツを脱ぎ、智也に跨った。まだ、大きく上を向いているモノに入口を押し当てる。

「待て! 彩――」

 智也の制止も聞かず、私は強引に智也を私の膣内なかに押し込んだ。

「んんんっ――!」

 どちらともなく、声を漏らす。

 私は智也の首に抱き着き、腰を揺らした。

「彩!」

 腰をグッと押さえられ、私は智也を最奥に飲み込んだまま、動きを止められた。

「どうしたんだよ」

「なんでも――」

「どうしてお前はいつもそうなんだよ!」

 智也が私を見上げて、言った。

「お前が我慢すると、俺じゃ頼りないって思われてるみたいで、ムカつく」

「そんなこと――」

「そういうことだろ!」

 考えもしなかった。

 自分の醜い嫉妬心を隠すのに一生懸命で、智也に煩わしいと思われたくない一心で、彼がどう思うかなんて考えもしなかった。

 私は智也の首にしがみつき、彼に見られないように涙を拭った。

「あの子のチョコ……食べたの?」

「え?」

「バレンタインに告白してきたのって、あの子でしょう?」

「――ああ」

「私が来なかったら、あの子に看病してもらえたのにね」

「そんなこと気にしてたのか」

 智也だって千堂課長のチョコを気にしたくせに、と思った。

「あの子、いくつ?」

「さあ? 三十手前ってとこか?」

「……」

「彩」

 言いたくない。



 言いたくないけど……。



「邪魔……だった?」

「……」

 聞いておきながら、返事を聞くのが怖くて、また涙が視界を歪ませる。
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