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12 家族とは
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しおりを挟む当然のことながら、ゴールデンウィークは学校も休みで、彩と二人きりの時間は持てなかった。連休中、亮の野球の試合や真の塾、彩の妹家族が帰省したりして、合間を縫って会えたのは連休二日目の一日だけだった。
以前、彩が三人では遊園地に行けない、と話していたのを思い出して、遊園地に行く計画だった。が、生憎の雨予報。予報はあくまでも予報だと、俺はとにかく彩たちを迎えに出た。が、札幌市内を出る前にザーッと雨が降り出した。
「どうする?」
高速の手前のメガ〇ンキの駐車場に車を停めた。
「雨だから、中止でしょ」
真は遊園地に乗り気ではなかったようで、即決した。
「えー……。途中で止むかもしれないしょー」
亮は楽しみにしていたから、納得できない。
「けど、予報では一日中雨だよ?」と、彩がスマホを片手に言った。
なんとも間の悪い雨だ。
俺が子供たちに会うのは正月休み以来。
一緒に飯を食って、マンションで真心と勇気も一緒に過ごした。
割と最初からだが、真は俺を快く思っていないようだった。年齢的に、俺と彩の関係は理解しているだろうし、本人も思春期だから仕方がないとは思うが、もう少し距離を縮めたい。
せめて、『溝口さん』から『智くん』に昇格したかった。
逆に、亮はなんの躊躇いもなく懐いてくれた。いつも笑顔で、学校の話や野球の話をしてくれる。俺の時代とは色々違っていて驚かされることも多く、新鮮だった。
そういうわけで、俺は主に真との交流を深めるために、遊園地を提案したのだった。
フロントガラスに打ちつける雨足は激しくなる一方で、行くだけ無駄だと思った。
「よし! 買い物して帰るか」
俺は駐車場の隅から地下駐車場に車を移動させた。
「遊園地に行けなかった分、好きなもん買っていーぞ」
カートを押していた彩が、今にもお菓子売り場に飛んで行きそうな亮の腕を掴むと、真が代わりにカートを持った。これが、母子三人の日常なのだろう。微笑ましいけれど、自分の立ち位置に困る。
彩は亮に、勝手に歩かないように言い聞かせる。二年生だった頃と変わっていないやり取り。
代わって、真は初対面の頃よりも大人びた。まだ中学二年生だというのに、既に亮の保護者のよう。
彩も言っていた。『急いで大人にさせちゃったのは私なんだけど、もう少し子供らしく我儘とか言ってくれてもいいのに』と。
「よし!」と、俺はカートの先を引っ張った。
「彩と亮はお菓子選んで来い。俺と真で飯見てくるから」
「うん!」
亮は嬉しそうに返事をした。
「智くんは何のお菓子食べる?」
「んーーー、しょっぱいのだな。後は亮に任せる」
「わかった!」
心配そうに俺と真を見ていた彩に、大丈夫だからと軽く頷いて見せた。
「俺、ナッツ」
真にそう言われて、彩は渋々お菓子売り場に足を向けた。
「さて、何食う?」
「寿司と肉」
真がぶっきら棒に即答した。
彩が聞いたら、どっちかにしろと言うだろう。
「おし! 好きなの選べ」
真がカートを押し、俺は目についた美味そうなものを手に取って見る。明日以降、一人で過ごすための食材も買ってしまおうと、菓子パンやらカップ麺もカゴに放り込んだ。
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