続・最後の男

深冬 芽以

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18 まさかのデキ婚!?

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 一先ず、課長には帰ってもらい、私は凪子さんと話した。

 昨日、玄関で課長の匂いを嗅いだ瞬間、話どころではなくなったらしい。

 妊娠中の女性にはよくある拒絶反応。

 ご飯の炊ける匂い、味噌汁の匂い、コーヒーの匂い、旦那の匂い。

 ちなみに私は、旦那の匂い以外はセーフだった。

 とにかく、凪子さんはとてもじゃないけれど、千堂課長と顔を合わせて話ができる状態ではなく、というか、ベッドから起き上がれる状態にもなく、私が代わりに妊娠を告げることになった。

 千堂課長にしてみれば、二泊の出張から帰った途端に恋人から顔も見るのも拒絶され、何が起こったかわからずにいるところに、恋人からではなく部下から、自分の子供の存在を知らされたのだ。そりゃ、驚いていいのか、喜んでいいのか、心配していいのかわからなくもなる。

 何はともあれ、凪子さんと話をしようと電話をしたが、出てもらえず。

 動揺のあまりコーヒーを零し、今に至る。

『で? 俺にまでそんな話を聞かせて、なんて言って欲しいんだ?』

 そんないい方しなくても、と思った。

『男として責任を取るべきだ、とでも言ってやろうか?』

 千堂課長はスマホを睨みつけて、グッと唇を結んでいる。

「智也――」

『そんなことはわかってんだろーが!』

「わかってます!」



 お、喋った。 



『だったら、格好悪かろうが腹括るしかないだろ』

「ですよね」

『――ったく! 彩! 土産受け取ったら、とっととそっから出ろ』

 それを最後に、スマホはホーム画面に切り替わった。

「堀藤さん、お願いがあります」

 スマホをバッグにしまって顔を上げると、覚悟を決めた千堂課長が、今度は私をじっと見つめていた。

 一時間後、私は千堂課長と区役所の入り口にいた。
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