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19 すれ違う未来
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「シなくても、いい」
『……本当に?』
「シたくて智也と付き合ってるわけじゃないから」
『ふぅん……』
嫌な予感。
言い方がマズかった。
「そんなことより! お祝い――」
『じゃ、なんで付き合ってんの?』
やっぱり、だ。
智也の意地悪なニヤケ顔が目に浮かぶ。
智也は時々、高校生か! と突っ込みたくなるような、甘い言葉や態度を欲しがる。
普段とのギャップが、私の心臓には悪い。
「――知ってて聞くの、ヤメて」
『俺が聞きたがってるの知ってて焦らしてるくせに』
ドンッ、と物音がした。
真か亮が壁を蹴ったようだ。
二人が眠っていることは電話の前に確認したが、それでもドキッとする。私の話し声が聞こえているのではないか、と。
私は口元まで引っ張っていた布団に、頭まで潜る。
私こそ、高校生か。
彼氏との会話を聞かれないように布団に潜るなんて。
「ほら! 明日も早いし、そろそろ――」
『好きだよ、彩』
「――――っ!」
不意打ちに、鼓動が加速し、身体が火照る。
何度も聞いているはずなのに、面と向かって言われるでも、抱き合っている時に言われるでもないのに、顔が見えないからこその電話での囁きがやけにキた。
『彩は?』
「そうっ……いう、の、恥ずかしくないの!?」と、照れ隠しに語尾を強めてしまった。
『全然? 若い時にこういうこと、あんま言わなかったからかな。すげー楽しいし、お前が恥ずかしがって布団に潜ってるの想像すると、興奮する』
「ヤメて。本気で恥ずかしいから」
『俺は本気で興奮してきた』
「腰に湿布貼った四十のおばさんを想像して興奮するって、変態じゃない!」
『かも』
あっけらかんと答える智也が、声を潜めて笑っているのが聞こえる。
『お前のギャップ、萌える』
「は、はぁ!?」
声が裏返ってしまった。
萌える、なんて言葉、私にこそ永遠に縁のない単語だと思っていたから。
『お前、年とか体形で自分のこと卑下するけどさ、そういうお前が顔真っ赤にして恥ずかしがったり、セックスの時に蕩けた顔になるの、クるんだよ。あと、真面目そうなのに
フェラ上手いとか』
「――っ!」
もう、言葉がない。
実際、こんな時に上手くかわせるほどの経験はないし、セックスの時まで気取れるほどの余裕はない。フェラが上手いのは――、わかるはずもない。
『とにかく! そういうことだから、湿布貼ってても俺はセックスしたいんだよ。けど、お前は嫌だろ? だから、ちゃんと病院に行けってことだ』
一瞬、智也のドヤ顔が思い浮かんだ。
「なんか……、智也の独り勝ちみたいでムカつくんだけど」
『なんでだよ』
「彼女想いのいい男、アピールされただけのような?」
『ま、事実だからな』
再び、智也のドヤ顔。
『……本当に?』
「シたくて智也と付き合ってるわけじゃないから」
『ふぅん……』
嫌な予感。
言い方がマズかった。
「そんなことより! お祝い――」
『じゃ、なんで付き合ってんの?』
やっぱり、だ。
智也の意地悪なニヤケ顔が目に浮かぶ。
智也は時々、高校生か! と突っ込みたくなるような、甘い言葉や態度を欲しがる。
普段とのギャップが、私の心臓には悪い。
「――知ってて聞くの、ヤメて」
『俺が聞きたがってるの知ってて焦らしてるくせに』
ドンッ、と物音がした。
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二人が眠っていることは電話の前に確認したが、それでもドキッとする。私の話し声が聞こえているのではないか、と。
私は口元まで引っ張っていた布団に、頭まで潜る。
私こそ、高校生か。
彼氏との会話を聞かれないように布団に潜るなんて。
「ほら! 明日も早いし、そろそろ――」
『好きだよ、彩』
「――――っ!」
不意打ちに、鼓動が加速し、身体が火照る。
何度も聞いているはずなのに、面と向かって言われるでも、抱き合っている時に言われるでもないのに、顔が見えないからこその電話での囁きがやけにキた。
『彩は?』
「そうっ……いう、の、恥ずかしくないの!?」と、照れ隠しに語尾を強めてしまった。
『全然? 若い時にこういうこと、あんま言わなかったからかな。すげー楽しいし、お前が恥ずかしがって布団に潜ってるの想像すると、興奮する』
「ヤメて。本気で恥ずかしいから」
『俺は本気で興奮してきた』
「腰に湿布貼った四十のおばさんを想像して興奮するって、変態じゃない!」
『かも』
あっけらかんと答える智也が、声を潜めて笑っているのが聞こえる。
『お前のギャップ、萌える』
「は、はぁ!?」
声が裏返ってしまった。
萌える、なんて言葉、私にこそ永遠に縁のない単語だと思っていたから。
『お前、年とか体形で自分のこと卑下するけどさ、そういうお前が顔真っ赤にして恥ずかしがったり、セックスの時に蕩けた顔になるの、クるんだよ。あと、真面目そうなのに
フェラ上手いとか』
「――っ!」
もう、言葉がない。
実際、こんな時に上手くかわせるほどの経験はないし、セックスの時まで気取れるほどの余裕はない。フェラが上手いのは――、わかるはずもない。
『とにかく! そういうことだから、湿布貼ってても俺はセックスしたいんだよ。けど、お前は嫌だろ? だから、ちゃんと病院に行けってことだ』
一瞬、智也のドヤ顔が思い浮かんだ。
「なんか……、智也の独り勝ちみたいでムカつくんだけど」
『なんでだよ』
「彼女想いのいい男、アピールされただけのような?」
『ま、事実だからな』
再び、智也のドヤ顔。
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