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22 結婚の条件
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「子宮筋腫。溝口さんのお宅で寝込んだこともあったんでしょう? 生理痛とか腰痛、頭痛が酷かったのは、そのせいだったみたい。もっと早く病院に行けば良かったのに、健康診断があるからいいって伸ばし伸ばしにしてたから、かなり大きくなっちゃってたの」
「大丈夫なんですか? ――あ、大丈夫じゃないから手術したんでしょうけど――」
「昨日手術したから、今日はまだ起き上がるのがやっとって感じだったけど、一週間で退院できるし、大丈夫」
昨日手術したってことは、釧路から帰ってすぐに入院したってことだろうか。
俺と一切の連絡が取れなくなるように、わざわざ直前に別れを告げられたような気がした。
「さっき真と亮が言っていたことだけど、彩と結婚するの?」
確かに、彩の母親だ。
口元は微笑んでいるのに、目は全く笑っていない。
試されている、というか、真剣さを量られているようだ。
彩も時々、こんな表情をする。
こういう時が、一番怖い。
だからこそ――。
「はい」と、俺もお母さんの目を見据えて端的に答えた。
「全力で彩を説得します」
「プロポーズじゃなくて説得?」と、お母さんは首を傾げた。
「失礼ですけど、彩はあまり素直ではないので。普通にプロポーズしてもOKしてもらえるとは思っていません」
「確かに、頑固よねぇ。それなのに、結婚するの?」
「します。彩と結婚出来なかったら孤独死確定なんで、何が何でも結婚します」
「溝口さんなら、引く手数多でしょう?」
「そんなことは――」
どうして、誰もかれも同じことを言うのだろう。
年齢? 収入? 容姿?
俺もバツイチで子持ちだったら、似合いの二人だと言われるのだろうか。
「――けれど、頭を下げて彩を貰ってもらおうとは思わないんです」
「え?」
「条件で見れば、十人いたら八人は、溝口さんのような男性がどうして彩のような女を、と思うでしょう。だけど、十人中二人、まぁ、私とお父さんだけど、私たちはそうは思わない。溝口さんよりも年上で、離婚歴もあるし子供もいるけれど、あの子はどこに出しても恥ずかしくない娘です。結婚して肩身の狭い思いをするくらいなら、そんなお相手はこっちから願い下げです」
「――そんなつもりはありません! 結婚してやる、なんて偉そうに思っていたら、こんな風に追いかけてきたりしません。俺はっ――、俺が、結婚を望んでいるんです。こうして会いに来て、前よりも強く望んでいます。どうか、彩さんと結婚させてください!」
本日二回目。
俺は勢いよく頭を下げ過ぎて、テーブルに額をぶつけた。
まるでコントだ。
格好悪いどころじゃない。
それでも、そんなことには構っていられない。
「結婚してほしいと、頭を下げるのは俺の方です。だけど、今のままじゃ、会うこともできない。だから、お願いします。彩と――彩さんと話をさせてください」
「大丈夫なんですか? ――あ、大丈夫じゃないから手術したんでしょうけど――」
「昨日手術したから、今日はまだ起き上がるのがやっとって感じだったけど、一週間で退院できるし、大丈夫」
昨日手術したってことは、釧路から帰ってすぐに入院したってことだろうか。
俺と一切の連絡が取れなくなるように、わざわざ直前に別れを告げられたような気がした。
「さっき真と亮が言っていたことだけど、彩と結婚するの?」
確かに、彩の母親だ。
口元は微笑んでいるのに、目は全く笑っていない。
試されている、というか、真剣さを量られているようだ。
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こういう時が、一番怖い。
だからこそ――。
「はい」と、俺もお母さんの目を見据えて端的に答えた。
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「確かに、頑固よねぇ。それなのに、結婚するの?」
「します。彩と結婚出来なかったら孤独死確定なんで、何が何でも結婚します」
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「そんなことは――」
どうして、誰もかれも同じことを言うのだろう。
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「――けれど、頭を下げて彩を貰ってもらおうとは思わないんです」
「え?」
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