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25 家族
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「彩。智也の休みの間にうちにも来て?」
「うん。連絡する」
「それじゃあ、ご馳走様でした」
「こちらこそ、たくさんの果物をありがとう」
姉さんが運転席に乗り込み、義兄さんが助手席の窓を開けた。
再度、礼と挨拶を交わして、車は発進した。
「大事にされているのね、智くん」
お義母さんが、車を見送りながら言った。
「はい」と、俺も車を見つめながら言った。
「ご両親に感謝しなきゃね」
「え?」
「夏子さんの弟に生んでもらったこと、感謝しなきゃ」
「……」
外灯の灯りでほんのりとしか見えないけれど、彩が心配そうに俺を見上げているのがわかった。
お義母さんはきっと、俺と両親の確執を知っているのだろう。
「産みっ放し、って言ってしまったら無責任にしか聞こえないでしょうけど、子供を産むってこと自体が大変なことなのよ。姉弟として生を受けたことは、やっぱりご両親に感謝しなきゃ。彩に出会えたことを喜んでくれるのなら、尚更ね」
「そうですね、はい」
建前なんかじゃなく、すっと言葉が出た。
母親の言葉は重みが違う。
素直に、納得できた。
そっと指先にぬくもりを感じた。彩が俺の指に自分の指を絡ませる。
「姉さんの弟に生んでもらったことと、お陰で彩に出会えたことは感謝しています」
俺も、指を曲げて彼女の指を絡め取った。
「酔いが醒める前に入りましょ」
お義母さんが早足で玄関を目指す。
俺と彩は、お義母さんの背後でほんの一瞬だけキスをした。
それから一時間ほど瑛ちゃんと璃子ちゃんと飲んで、風呂に入った。先に入った子供たちが派手に遊んで、湯船のお湯は半分ほどに減っていた。
風呂から出ると、子供たちは二階に上がっていた。が、まだ騒いでいるのが聞こえた。彩が風呂に入っている間にもう一杯飲んで、騒がしかった子供たちが静かになった頃に、二人で休むことにした。
彩の部屋は子供たちの部屋の隣で、逆隣りにはお義父さんとお義母さんの部屋。瑛ちゃんと璃子ちゃんは一階の和室で寝るらしい。
六畳ないくらいの彩の部屋には、机と本棚と布団。
「ごめんね、狭くて」
彩は無理にでも布団を二組敷こうとしたが、俺が断った。釧路のアパートでも、シングルベッドで二人で寝た。落ちる心配がないだけで十分だ。
それに、二組敷いても遣うのは一組になる。
俺と彩は布団に入って、ぴったりと抱き合った。
「彩」
「ん?」
「腕枕して」
「ん」
俺が頭を上げると、彩が俺の頭の下に腕を伸ばす。そっと頭を下ろすと、彩の腕が俺の頭を包み込んだ。
至福の時だ。
「もう一つ、あったな」
「え?」
「いや」
俺は真に『彩の作った飯が食えたら、それでいい』と言った。
が、それだけじゃなかった。
彩の腕枕で寝られたら――、とはさすがに言えないよなぁ。
言ったら、結婚を反対されたかもしれない。
「彩」
「ん?」
「ありがとう」
「……」
「ありがとう、彩」
額に、唇の感触。
「ありがとう、智也」
俺たちは、抱き合ったまま眠った。
翌朝。
ゲームしたさに早起きした子供たちに見つかって、冷やかされたのは言うまでもない。
俺を見る真の冷ややかな視線も。
籍、入れといて良かった。
つくづくそう思った。
----- END -----
~ あとがき ~
いきなりですが!
智也ロス、半端ないです˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚
完結したくなくて、結婚生活まで持ってこうかとも考えたのですが、やはり『結婚』を一区切りとして完結させた方がすっきりするかなと思いました。
ここまでお付き合いくださった読者様、ありがとうございました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎
約10か月間、彩と智也を応援してくださって、本当に本当にありがとうございました⸜( ´ ꒳ ` )⸝♡︎
【ルーズに愛して】シリーズもぜひお楽しみください!
megu☆ミ
「うん。連絡する」
「それじゃあ、ご馳走様でした」
「こちらこそ、たくさんの果物をありがとう」
姉さんが運転席に乗り込み、義兄さんが助手席の窓を開けた。
再度、礼と挨拶を交わして、車は発進した。
「大事にされているのね、智くん」
お義母さんが、車を見送りながら言った。
「はい」と、俺も車を見つめながら言った。
「ご両親に感謝しなきゃね」
「え?」
「夏子さんの弟に生んでもらったこと、感謝しなきゃ」
「……」
外灯の灯りでほんのりとしか見えないけれど、彩が心配そうに俺を見上げているのがわかった。
お義母さんはきっと、俺と両親の確執を知っているのだろう。
「産みっ放し、って言ってしまったら無責任にしか聞こえないでしょうけど、子供を産むってこと自体が大変なことなのよ。姉弟として生を受けたことは、やっぱりご両親に感謝しなきゃ。彩に出会えたことを喜んでくれるのなら、尚更ね」
「そうですね、はい」
建前なんかじゃなく、すっと言葉が出た。
母親の言葉は重みが違う。
素直に、納得できた。
そっと指先にぬくもりを感じた。彩が俺の指に自分の指を絡ませる。
「姉さんの弟に生んでもらったことと、お陰で彩に出会えたことは感謝しています」
俺も、指を曲げて彼女の指を絡め取った。
「酔いが醒める前に入りましょ」
お義母さんが早足で玄関を目指す。
俺と彩は、お義母さんの背後でほんの一瞬だけキスをした。
それから一時間ほど瑛ちゃんと璃子ちゃんと飲んで、風呂に入った。先に入った子供たちが派手に遊んで、湯船のお湯は半分ほどに減っていた。
風呂から出ると、子供たちは二階に上がっていた。が、まだ騒いでいるのが聞こえた。彩が風呂に入っている間にもう一杯飲んで、騒がしかった子供たちが静かになった頃に、二人で休むことにした。
彩の部屋は子供たちの部屋の隣で、逆隣りにはお義父さんとお義母さんの部屋。瑛ちゃんと璃子ちゃんは一階の和室で寝るらしい。
六畳ないくらいの彩の部屋には、机と本棚と布団。
「ごめんね、狭くて」
彩は無理にでも布団を二組敷こうとしたが、俺が断った。釧路のアパートでも、シングルベッドで二人で寝た。落ちる心配がないだけで十分だ。
それに、二組敷いても遣うのは一組になる。
俺と彩は布団に入って、ぴったりと抱き合った。
「彩」
「ん?」
「腕枕して」
「ん」
俺が頭を上げると、彩が俺の頭の下に腕を伸ばす。そっと頭を下ろすと、彩の腕が俺の頭を包み込んだ。
至福の時だ。
「もう一つ、あったな」
「え?」
「いや」
俺は真に『彩の作った飯が食えたら、それでいい』と言った。
が、それだけじゃなかった。
彩の腕枕で寝られたら――、とはさすがに言えないよなぁ。
言ったら、結婚を反対されたかもしれない。
「彩」
「ん?」
「ありがとう」
「……」
「ありがとう、彩」
額に、唇の感触。
「ありがとう、智也」
俺たちは、抱き合ったまま眠った。
翌朝。
ゲームしたさに早起きした子供たちに見つかって、冷やかされたのは言うまでもない。
俺を見る真の冷ややかな視線も。
籍、入れといて良かった。
つくづくそう思った。
----- END -----
~ あとがき ~
いきなりですが!
智也ロス、半端ないです˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚
完結したくなくて、結婚生活まで持ってこうかとも考えたのですが、やはり『結婚』を一区切りとして完結させた方がすっきりするかなと思いました。
ここまでお付き合いくださった読者様、ありがとうございました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎
約10か月間、彩と智也を応援してくださって、本当に本当にありがとうございました⸜( ´ ꒳ ` )⸝♡︎
【ルーズに愛して】シリーズもぜひお楽しみください!
megu☆ミ
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