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3.後悔していますか?
3
「どちらにしても、結婚してまだ一年だし、夢乃ちゃんみたいに若いお嬢さんに親の介護なんて考えられるはずないわよ。それでなくても、長男の嫁を差し置いて自分が、なんて思ってもいないでしょうし」
どうせ私は若くない長男の嫁ですよ。
つーか、じゃんじゃん差し置いてくれていーんですけど!
「とにかく――」と、和輝が肩で息を吐きながら言った。
「――こんなに大掛かりなリフォームは反対だ。俺の名義も貸せないし、一社の見立てだけで決めるのは危険だ。三社に頼んで、三社ともこの家はもう危ないって言うならともかく、まずは屋根だけ――」
「――ええぇ……」
子供っぽい落胆の声に、和輝が苛立っているのがひしひしと伝わってきた。
結局、私が口出さなきゃダメなのね……。
「お義母さん。私の実家のご近所さんも最近大掛かりなリフォームをしたんですけど、業者の見積りには入ってないお金がたくさんかかって大変だったみたいですよ? リフォームの間の住まいとか引っ越し業者とか」
「住まいは、ほら! 和輝のとこに間借りさせてもらえたらいいじゃない」
うん、なにも良くないけどね!?
「でも、荷物を置いておく倉庫を借りなきゃいけないから、同じですよ?」
「ああ……、そうか」
「はい。それに、タイミングが悪いことに、うちの由輝は来月から中学三年生で受験生なんです。そんなに出来のいい子じゃないので、家の中が賑やかになったことを理由に勉強をサボったりしそうですし」
「そうか、由輝は受験生か」
ずっと黙っていたお義父さんが、ポツリと言った。
お義父さんはお義母さんの扱いを心得ているから、お義母さんが話している最中に横槍を入れたりしない。
出来れば夫婦で話し合って、私たちを巻き込まないで欲しいのだけれど、それはそれで面倒なのだろう。
「受験は大事だな」
「そうね」
ええ、そうです。
「お義母さん、屋根の修理だけなら百五十万でできるようですよ? 念の為に他の業者さんにも見てもらって決めませんか?」と、見積りの内訳を指さす。
「でも、他の業者さんなんて知らないし」
「この会社のことはどうして知ってたんですか?」
「チラシが入ってたの」
なるほど。
ネット広告のこのご時世でも、ポスティングは大事なんだな。
「ご近所さんに聞いてみたりしました? 去年、お向かいさんが工事してませんでした?」
「屋根に電気を通したって言ってたかな」
「ちょうどいいんじゃないですか? ほら! 元々この家の雨漏りも雪解け時期だったし、そういうのも含めて相談できるんじゃないです?」
「そうか。そうね!」
土曜の午後。
私はぐったり疲れて家に帰った。
和輝も疲れた様子で、我が家の晩ご飯はスーパーの三割引きのお寿司となった。
どうせ私は若くない長男の嫁ですよ。
つーか、じゃんじゃん差し置いてくれていーんですけど!
「とにかく――」と、和輝が肩で息を吐きながら言った。
「――こんなに大掛かりなリフォームは反対だ。俺の名義も貸せないし、一社の見立てだけで決めるのは危険だ。三社に頼んで、三社ともこの家はもう危ないって言うならともかく、まずは屋根だけ――」
「――ええぇ……」
子供っぽい落胆の声に、和輝が苛立っているのがひしひしと伝わってきた。
結局、私が口出さなきゃダメなのね……。
「お義母さん。私の実家のご近所さんも最近大掛かりなリフォームをしたんですけど、業者の見積りには入ってないお金がたくさんかかって大変だったみたいですよ? リフォームの間の住まいとか引っ越し業者とか」
「住まいは、ほら! 和輝のとこに間借りさせてもらえたらいいじゃない」
うん、なにも良くないけどね!?
「でも、荷物を置いておく倉庫を借りなきゃいけないから、同じですよ?」
「ああ……、そうか」
「はい。それに、タイミングが悪いことに、うちの由輝は来月から中学三年生で受験生なんです。そんなに出来のいい子じゃないので、家の中が賑やかになったことを理由に勉強をサボったりしそうですし」
「そうか、由輝は受験生か」
ずっと黙っていたお義父さんが、ポツリと言った。
お義父さんはお義母さんの扱いを心得ているから、お義母さんが話している最中に横槍を入れたりしない。
出来れば夫婦で話し合って、私たちを巻き込まないで欲しいのだけれど、それはそれで面倒なのだろう。
「受験は大事だな」
「そうね」
ええ、そうです。
「お義母さん、屋根の修理だけなら百五十万でできるようですよ? 念の為に他の業者さんにも見てもらって決めませんか?」と、見積りの内訳を指さす。
「でも、他の業者さんなんて知らないし」
「この会社のことはどうして知ってたんですか?」
「チラシが入ってたの」
なるほど。
ネット広告のこのご時世でも、ポスティングは大事なんだな。
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