15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以

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5.知らなかったでしょう?

「嵐くん、送ってあげれば良かったね」

 車に乗り込んだ由輝に言う。

「嵐ん家の前の道、除雪酷すぎて車危ないって言ってたし」

「そっか」

 さっきまでスーパーに寄ろうかと迷っていたけれど、子供二人とも連れて行くと余計なものばかり籠に入れられるから、諦めた。

 真っ直ぐ家に帰ると、冷蔵庫と冷凍庫から晩ご飯になりそうなものを出す。

 生姜焼き用の肉が五枚と、冷凍コロッケが三個、冷凍しておいたハンバーグが二つ、餃子が十四個。

 どれもこれも中途半端だが、仕方がない。

 私は冷凍ハンバーグをフライパンで弱火にかけ、蓋をした。

 餃子を作って残った白菜で味噌汁を作る。

 これで冷蔵庫と冷凍庫がすっきりしたから、明日はしっかり買い物できる。

 大学が休みに入ったため、明日から一か月ほど、私のシフトが激減する。というか、呼ばれたら行く。

 味噌汁を作り終えたら、揚げ物鍋と交代。

 冷凍コロッケを揚げる。

 その間に、キャベツを切る。いつもは持ち替えるのが面倒で包丁を使うのだが、子供たちに食べてもらえないから、今日はスライサーを使う。キャベツが飛び散るし、腕も疲れるからあまり好きではないが、仕方がない。

 そうこうしているうちに、由輝が部屋から出て来た。

「お腹空いたぁ」

 時計を見ると、もうすぐ七時。

 塾がある時は五時半くらいに軽く食べさせて、帰ってから改めて晩ご飯なのだが、今月は高校の合格発表やなんやで塾も忙しいらしく、週末のみ。個人塾だから仕方がない。

「ちょっとは手伝ってよ」

「えーーーっ」

「今時、男の子でも最低限の家事はできなきゃ、女の子にモテないよ!」

「モテなくてもいーもーん」



 あー言えばこー言うんだから!



 息子にイライラしながら、コロッケをひっくり返していると、娘もやって来た。

「ご飯まだぁ?」

「今準備してるから、手伝って」

「えーーーっ」

「もうっ! 自分の箸とお茶くらい自分で用意しなさい!」

「はぁい」

 とは言ったものの、大して広くもないキッチンだ。揚げ物をしている時にちょろちょろされるのは、危なくて気が気じゃない。

 私は焦げ目がついたハンバーグを皿に載せ、半分に割って、あとは電子レンジに任せた。

 フライパンを洗って、生姜焼きと餃子のどちらを先に焼こうかと考える。

 こういう場合、私が決めると大抵、子供たちのブーイングを受ける。

「生姜焼きと餃子、どっちが食べたい?」

「どっちも!」と答えたのは、もちろん由輝。

「どっちを先に焼くか」

「餃子!」と答えたのは、和葉。

 私は冷凍餃子をフライパンの縁に沿って並べ、火にかけた。

 その間にご飯と味噌汁をよそい、レンジによって中までしっかり加熱されたハンバーグと一緒に食卓に並べる。

「食べていー?」

 既に席に着いて箸を持っていながら、聞く意味はあるのか。

「どうぞ」

「あ、ソース!」

「はいはい」

 取り皿とソースと餃子のたれを食卓の中央に置く。

「いただきまーす」

 ようやく子供たちが静かになり、コロッケも色づき、キャベツの上にのせた。また、油が飛ぶ。今度は手の甲に。
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