91 / 190
1章 敵国の牢獄
1-91 どうすれば良かったのか
しおりを挟む
「おいっ、大丈夫かっ」
光が眩しい。
薄目で見ると、そこにはメーデがいた。
私は広いベッドに横たわっていた。
帝城の医務室というよりは客室のような豪華な部屋である。
一応、気を使ってくれているのか。
肉体を動かせるのかと思ったら、普通に動いた。
違和感なく。
「、、、俺、地獄の業火に焼かれた気がしたんだけど」
ポツリと呟き、自分の手を見る。
すっかり炭化して影すらも残らないのではないかと思うほどの炎だった。
地獄の業火と言っても過言ではないもの。
帝国全土を襲おうとしていた炎を一点集中したのだから、それもそのはず。
「その通りだ」
ベッドの横でメーデが椅子に座りなおした。
「その通りって。なら、俺はこの場にいないだろ」
そもそも、俺の言葉遣いは元々悪い。
皇帝陛下と接する立場になって叩き込まれただけだ。
フロレンスやメーデのような上流階級の出ではなく、スラム街出身だ。
帝国ではスラム街といえども、皇帝には絶対服従だし、皇帝が失政を行った結果だとは誰も思っていない。
それでも、帝城で実力をどうにか認めさせてやろうと躍起になってきたことは認める。
「ポシュ、落ち着いて聞いてほしい」
「うん?」
何を言われるのだろうか。
魔法が使えなくなることは、あのときに聞こえていた。
また一からやり直しだと思うが、魔法が使えなくなっただけだ。精鋭部隊にはいられないだろうが、まだ生きていける。
「お前は帝国の英雄に仕立て上げられた」
「、、、ん?」
メーデが重苦しい口調で言った。
聞き取れなかったわけじゃなかった。
意味が分からなかったと言う方が正しい。
「ポシュの目が覚めたって聞いたけど、、、メーデ、お前、もしかして結論から言わなかったか」
フロレンスが扉を開けてやってきた。
困惑の表情を浮かべている俺の顔を見たからか、的確に今の状況を言い当てた。
「そりゃ、」
「脳筋から急に言われてもわけわからんだろう。最初から説明してやる」
フロレンスもベッドの脇に椅子を持ってきて座った。
「クロウは帝国全土の上空を覆った炎の魔法を集中させてお前を焼き尽くした」
「うん、それは記憶している」
にもかかわらず、この無事な肉体は何なのだろう。
火傷一つなさそうだ。
クロウのおかげだというのはわかるが、全然説明が足りていない状態だ。
「あの炎で審判の門に汚染された部分を浄化した、と私たちは見ている」
「クロウから説明を聞いたわけじゃないのか」
「説明が面倒とばかりにものすごく適当に言い訳されて、あの小さい地獄の門を連れて逃げられた」
「、、、捕虜なんだから、時間をとって説明を聞けばいいんじゃないのか?」
居場所はわかっている。
「そうしたいのは山々だったのだが、何せ帝国全土を炎が覆っただろ。後始末の方が大変なんだ」
ああ、現在進行形で後始末中なのか。
クロウではなく、軍が忙しいのか。
「クロウがお前を焼いたときに、その衝撃で帝国全土に大きい揺れが生じた。大教会の地下も百層より下の部分が崩壊したらしい。らしいというのは私たちが確認したわけではなく、クロウの報告だからだ」
この機に乗じてわざと崩壊させた可能性の方が高いが、維持費も危険も高くなるのだから実際百層もいらんのではないか。
大教会だって使い道がないだろ。
倉庫だって数層あれば事足りるに違いない。
「地震の被害が大きいのか?」
「いや、皇帝陛下がお声掛けされた帝国民の尽力で、帝都で怪我人は少々出たが、家具が多少倒れた程度の損害だ。大地震と言えるほどではない。私たちもクロウによって地上に放り投げられた」
その程度で済んだのか。
巻き添えで誰も死ななくて良かったと今なら素直に思える。
メーデも魔法で傷を治してもらったようだ。
無事で良かった。
「説明を面倒臭がったクセに、クロウの動きが早すぎてとめられなかった」
「動き?」
「ああ、私たちは地上の被害状況を確認したり後手後手に回っていた。アイツはその隙にシエルド様に頼んで新聞社に手をまわしてもらっていた」
「あ、、、」
そうか。
今回の責任は俺にある。
そもそも、発案者から俺だったのだ。
帝国に情報を隠蔽される前に、事実を明るみにするためにクロウは動いたのか。
俺は責任を取らされる立場だ。
「この騒動の責任は俺だ」
「この騒動の責任を押しつける相手としてお前が選ばれた」
同じことを言っているようで何かが違う。
「押しつける?」
押しつけるとかではなく、普通に俺の責任なんだが。
「お前は帝国の英雄に仕立て上げられたんだ」
「メーデも言っていたけど、フロレンスの説明も必要なところが抜けていてわからないっ」
ついつい元気よく叫んでしまった。
「いや、まあ、皇帝陛下も皇帝陛下なんだが、その新聞の記事の内容にのっかってしまった。大教会の地下に魔法を研究する施設が残っており、地下を修繕をする際に、古の魔法が発動してしまった」
「そうなのか?」
「信じるな。そういう話に仕立て上げられたという話だ。そして、帝国上空は業火で覆われ、帝国の存在は風前の灯となった。そんななか、一人の魔導士は立ち上がった」
「、、、まさか?」
「帝国一の魔導士ポシュが体を張ってその炎をとめた。そのため、彼は魔法を二度と使えない体となった。大地が揺れたのは炎から地上を守り抜いた影響であり、彼は身を挺して皇帝陛下と帝国を守った美談としてまとめられてしまった。要約するとそんな感じだ」
「それをクロウが作り上げたのか」
「研究施設とかはまったくの嘘ではなかったが、何もかもお前に押しつけた形になった。そして、皇帝陛下もそれを認めた。お前は今後一生実績のない英雄を演じ続けなければならない業を背負った」
「それって、」
称賛されるべきはクロウだ。
今回の件で、すべてを解決したのはクロウである。
その功績で本来なら捕虜から英雄へと昇格するのは。
「まさか、」
「皇帝陛下との約束で、シングルベッドと寝具一式以外は受け取らない、と駄々をこねられた。皇帝陛下を引き合いに出されたら、我々は勝てんよ」
「帝国からの称賛はいらないと?」
「リンク王国であの生活を我慢し続けてこれたヤツに、他人からの評価などもはや無意味だろ。別の価値基準を持っているに違いない。リンク王国の平民よりも捕虜の暮らしの方が良いと言うくらいなのだから」
「それこそ、クロウは他人から認められるべきでは?」
「いらないものを押しつけられても迷惑なだけだ。だからこそ、その迷惑をお前に押しつけたんだろ。ちょうどいい適任者として」
どこが適任者なのだろう。
皇帝陛下のために、帝国のためにと口にしながら、自分のことしか考えてなかった人間のどこが。
「一生の罪を背負って生きろ、とクロウは言っていた」
メーデが俺を見ていった。
一生の罪。
ソレが一生の罪の償いと言うならば。
「どれだけ甘いんだ」
俺は顔を隠した。
二人に見られないように。
生温かい笑顔の二人を見ないようにして。
俺の右目だけから涙が溢れていた。
検査にてこの肉体に不調は見当たらないと判断が下された後、お祭り騒ぎに付き合わされることになった。
大々的に催された式典で皇帝陛下から勲章を賜り、国を救った英雄として担ぎ上げられた。
皇帝陛下にも釘を刺された。
今後一生真実を話すことはならないと。
この事実を知る者は固く口を閉ざすことを約束させられた。クロウ以外は。
魔法が使えなくなり、魔導士として先はなくなった。
なのに、偽りの英雄として道が続いていた。
光が眩しい。
薄目で見ると、そこにはメーデがいた。
私は広いベッドに横たわっていた。
帝城の医務室というよりは客室のような豪華な部屋である。
一応、気を使ってくれているのか。
肉体を動かせるのかと思ったら、普通に動いた。
違和感なく。
「、、、俺、地獄の業火に焼かれた気がしたんだけど」
ポツリと呟き、自分の手を見る。
すっかり炭化して影すらも残らないのではないかと思うほどの炎だった。
地獄の業火と言っても過言ではないもの。
帝国全土を襲おうとしていた炎を一点集中したのだから、それもそのはず。
「その通りだ」
ベッドの横でメーデが椅子に座りなおした。
「その通りって。なら、俺はこの場にいないだろ」
そもそも、俺の言葉遣いは元々悪い。
皇帝陛下と接する立場になって叩き込まれただけだ。
フロレンスやメーデのような上流階級の出ではなく、スラム街出身だ。
帝国ではスラム街といえども、皇帝には絶対服従だし、皇帝が失政を行った結果だとは誰も思っていない。
それでも、帝城で実力をどうにか認めさせてやろうと躍起になってきたことは認める。
「ポシュ、落ち着いて聞いてほしい」
「うん?」
何を言われるのだろうか。
魔法が使えなくなることは、あのときに聞こえていた。
また一からやり直しだと思うが、魔法が使えなくなっただけだ。精鋭部隊にはいられないだろうが、まだ生きていける。
「お前は帝国の英雄に仕立て上げられた」
「、、、ん?」
メーデが重苦しい口調で言った。
聞き取れなかったわけじゃなかった。
意味が分からなかったと言う方が正しい。
「ポシュの目が覚めたって聞いたけど、、、メーデ、お前、もしかして結論から言わなかったか」
フロレンスが扉を開けてやってきた。
困惑の表情を浮かべている俺の顔を見たからか、的確に今の状況を言い当てた。
「そりゃ、」
「脳筋から急に言われてもわけわからんだろう。最初から説明してやる」
フロレンスもベッドの脇に椅子を持ってきて座った。
「クロウは帝国全土の上空を覆った炎の魔法を集中させてお前を焼き尽くした」
「うん、それは記憶している」
にもかかわらず、この無事な肉体は何なのだろう。
火傷一つなさそうだ。
クロウのおかげだというのはわかるが、全然説明が足りていない状態だ。
「あの炎で審判の門に汚染された部分を浄化した、と私たちは見ている」
「クロウから説明を聞いたわけじゃないのか」
「説明が面倒とばかりにものすごく適当に言い訳されて、あの小さい地獄の門を連れて逃げられた」
「、、、捕虜なんだから、時間をとって説明を聞けばいいんじゃないのか?」
居場所はわかっている。
「そうしたいのは山々だったのだが、何せ帝国全土を炎が覆っただろ。後始末の方が大変なんだ」
ああ、現在進行形で後始末中なのか。
クロウではなく、軍が忙しいのか。
「クロウがお前を焼いたときに、その衝撃で帝国全土に大きい揺れが生じた。大教会の地下も百層より下の部分が崩壊したらしい。らしいというのは私たちが確認したわけではなく、クロウの報告だからだ」
この機に乗じてわざと崩壊させた可能性の方が高いが、維持費も危険も高くなるのだから実際百層もいらんのではないか。
大教会だって使い道がないだろ。
倉庫だって数層あれば事足りるに違いない。
「地震の被害が大きいのか?」
「いや、皇帝陛下がお声掛けされた帝国民の尽力で、帝都で怪我人は少々出たが、家具が多少倒れた程度の損害だ。大地震と言えるほどではない。私たちもクロウによって地上に放り投げられた」
その程度で済んだのか。
巻き添えで誰も死ななくて良かったと今なら素直に思える。
メーデも魔法で傷を治してもらったようだ。
無事で良かった。
「説明を面倒臭がったクセに、クロウの動きが早すぎてとめられなかった」
「動き?」
「ああ、私たちは地上の被害状況を確認したり後手後手に回っていた。アイツはその隙にシエルド様に頼んで新聞社に手をまわしてもらっていた」
「あ、、、」
そうか。
今回の責任は俺にある。
そもそも、発案者から俺だったのだ。
帝国に情報を隠蔽される前に、事実を明るみにするためにクロウは動いたのか。
俺は責任を取らされる立場だ。
「この騒動の責任は俺だ」
「この騒動の責任を押しつける相手としてお前が選ばれた」
同じことを言っているようで何かが違う。
「押しつける?」
押しつけるとかではなく、普通に俺の責任なんだが。
「お前は帝国の英雄に仕立て上げられたんだ」
「メーデも言っていたけど、フロレンスの説明も必要なところが抜けていてわからないっ」
ついつい元気よく叫んでしまった。
「いや、まあ、皇帝陛下も皇帝陛下なんだが、その新聞の記事の内容にのっかってしまった。大教会の地下に魔法を研究する施設が残っており、地下を修繕をする際に、古の魔法が発動してしまった」
「そうなのか?」
「信じるな。そういう話に仕立て上げられたという話だ。そして、帝国上空は業火で覆われ、帝国の存在は風前の灯となった。そんななか、一人の魔導士は立ち上がった」
「、、、まさか?」
「帝国一の魔導士ポシュが体を張ってその炎をとめた。そのため、彼は魔法を二度と使えない体となった。大地が揺れたのは炎から地上を守り抜いた影響であり、彼は身を挺して皇帝陛下と帝国を守った美談としてまとめられてしまった。要約するとそんな感じだ」
「それをクロウが作り上げたのか」
「研究施設とかはまったくの嘘ではなかったが、何もかもお前に押しつけた形になった。そして、皇帝陛下もそれを認めた。お前は今後一生実績のない英雄を演じ続けなければならない業を背負った」
「それって、」
称賛されるべきはクロウだ。
今回の件で、すべてを解決したのはクロウである。
その功績で本来なら捕虜から英雄へと昇格するのは。
「まさか、」
「皇帝陛下との約束で、シングルベッドと寝具一式以外は受け取らない、と駄々をこねられた。皇帝陛下を引き合いに出されたら、我々は勝てんよ」
「帝国からの称賛はいらないと?」
「リンク王国であの生活を我慢し続けてこれたヤツに、他人からの評価などもはや無意味だろ。別の価値基準を持っているに違いない。リンク王国の平民よりも捕虜の暮らしの方が良いと言うくらいなのだから」
「それこそ、クロウは他人から認められるべきでは?」
「いらないものを押しつけられても迷惑なだけだ。だからこそ、その迷惑をお前に押しつけたんだろ。ちょうどいい適任者として」
どこが適任者なのだろう。
皇帝陛下のために、帝国のためにと口にしながら、自分のことしか考えてなかった人間のどこが。
「一生の罪を背負って生きろ、とクロウは言っていた」
メーデが俺を見ていった。
一生の罪。
ソレが一生の罪の償いと言うならば。
「どれだけ甘いんだ」
俺は顔を隠した。
二人に見られないように。
生温かい笑顔の二人を見ないようにして。
俺の右目だけから涙が溢れていた。
検査にてこの肉体に不調は見当たらないと判断が下された後、お祭り騒ぎに付き合わされることになった。
大々的に催された式典で皇帝陛下から勲章を賜り、国を救った英雄として担ぎ上げられた。
皇帝陛下にも釘を刺された。
今後一生真実を話すことはならないと。
この事実を知る者は固く口を閉ざすことを約束させられた。クロウ以外は。
魔法が使えなくなり、魔導士として先はなくなった。
なのに、偽りの英雄として道が続いていた。
615
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
僕を振った奴がストーカー気味に口説いてきて面倒臭いので早く追い返したい。執着されても城に戻りたくなんてないんです!
迷路を跳ぶ狐
BL
社交界での立ち回りが苦手で、よく夜会でも失敗ばかりの僕は、いつも一族から罵倒され、軽んじられて生きてきた。このまま誰からも愛されたりしないと思っていたのに、突然、ろくに顔も合わせてくれない公爵家の男と、婚約することになってしまう。
だけど、婚約なんて名ばかりで、会話を交わすことはなく、同じ王城にいるはずなのに、顔も合わせない。
それでも、公爵家の役に立ちたくて、頑張ったつもりだった。夜遅くまで魔法のことを学び、必要な魔法も身につけ、僕は、正式に婚約が発表される日を、楽しみにしていた。
けれど、ある日僕は、公爵家と王家を害そうとしているのではないかと疑われてしまう。
一体なんの話だよ!!
否定しても誰も聞いてくれない。それが原因で、婚約するという話もなくなり、僕は幽閉されることが決まる。
ほとんど話したことすらない、僕の婚約者になるはずだった宰相様は、これまでどおり、ろくに言葉も交わさないまま、「婚約は考え直すことになった」とだけ、僕に告げて去って行った。
寂しいと言えば寂しかった。これまで、彼に相応しくなりたくて、頑張ってきたつもりだったから。だけど、仕方ないんだ……
全てを諦めて、王都から遠い、幽閉の砦に連れてこられた僕は、そこで新たな生活を始める。
食事を用意したり、荒れ果てた砦を修復したりして、結構楽しく暮らせていると思っていた矢先、森の中で王都の魔法使いが襲われているのを見つけてしまう。
*残酷な描写があり、たまに攻めが受け以外に非道なことをしたりしますが、受けには優しいです。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 1000 Thank_You!!
偽物勇者は愛を乞う
きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。
六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。
偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる