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決断と失敗

世界の起点から新たな世界へ

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自分と彼女は出発した。そこからの話は移動しただけなので話す必要はない。せいぜい話すとすれば歩いていた時に見た夜空に淡く青く光っている星があった。でもその星は一瞬で白く変わった。青と白だけになった星はどこか心を締め付けた。自分のかつての闇を抉ってきたような気がして。そして数日すると入口に着いた。戸の開け方は書いてあった。しかし不思議なのが自分の祖父の家なのだ。自分の祖父の家に天空の夢見島への入り口が隠されていると考えてみるとどこか浪漫があった。
そして到着すると中にいた人がすごい物でも見たような顔で奥に走っていくと、中から赤い宝石でできた衣装をまとった人が出てきた。
「調停者様、お待ちしておりました。この世界に新たな決断を下してください。」
自分はとりあえず中に誘われると長いテーブルに座れと指示され、そこで話が始まって行ったのだがかなり深刻そうだった。
「この世界はとある世界を吸収するかその世界に吸収されるかの二つの選択を迫られています。どちらにしても同じ命を存在させることはできないために、大変な数の犠牲者が出ます。どうかご決断をください。」
と話がはじまり、多くの意見が交わされた。しかし自分は全く違う決断を下した。どの意見も確実に犠牲者が出るからだ。自分が下した決断は、世界は今の執行官たちに任せて時空の渦から切り離して2世界間の矛盾を消そうと考えたのだ。結果それは多くの賛成を得て行うことになった。自分はあまり面識のない執行官たちに別れを告げて時空の渦から切り離した。そして自分は自分も含めるすべてを過去に戻すことにした。彼女は言った。
「ここでお別れですね。あなたはおそらくもう一度記憶をなくして元の世界に戻るでしょう。ですが、記憶は思い出せないだけで、必ず残っています。その記憶が戻らない人生を、引っ越しなんかせずに平穏に暮らせるといいですね。それでは幸運を祈ります。」
自分はもう二度と繰り返さないと願いを込めて、時を戻した。しかし途中でエネルギーであるRe-powerリバースパワーが切れた。そして自分は一瞬で意識を失った。
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