【完結】異世界に来たっぽいんだけど、好きな人と一緒に居れるなら問題ありません。(加筆版)

永倉伊織

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第1章 無人島篇

第10話 日記 その2

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side:桜井美智瑠



【6月20日】

今日は朝から誰か通らないかとカーテンのすき間から外を見ている。

日暮れ前に昨日とは違う5人組がベランダの前を通り過ぎた

やっぱりこの部屋は彼等には見えていないらしい、充分な距離をあけて何処に行くか付いて行ってみよう!



【6月21日】

昨日は直ぐに日が暮れてしまった為に途中で追跡を断念した。

これだけ人が通るんだから近くに集落か船着き場くらいはあるのかもしれない。



【6月22日】

食料を探していたら急に声をかけられた、私が追跡した事がバレていて探していたらしい

とりあえず山賊とか闇の組織に所属してる人達では無いみたい。



【6月23日】

私は冒険者をしていると言う5人組に付いていく事にした。

幸いにも私を荷物持ちとして雇ってくれるらしい

魔物と戦闘する時は身軽にする為に、小さな貴重品以外はどうしても置いて行かなければならないから、荷物持ちが必要なのだとか

この部屋に居れば安全かもしれないけど食料がもう無い

一か八か、私は冒険者達に付いて行く。


他にも私のようにゲームみたいなこの世界に来た人が居るかもしれないので、日記は置いて行く事にした。

あまり役に立つ事は書いて無いけれど、この部屋に居る限りは安全だと思うから

まずは落ち着いて冷静に状況判断をして欲しい。








6月24日から空白が続いているので、本当に日記はここまでのようだ。

この日記を書いた人に文句を言いたい訳じゃ無いけれど、もう少し詳しく書いて欲しかった

せめて冒険者がどういう人達なのかとか、ここがどういう場所なのかとか

近くに集落があるのか無いのか、書くべき事は沢山あるでしょ!と

とりあえず私の隣で一緒に日記を読んでいたなっちゃんに感想を聞いてみよう。


「なっちゃんは日記読んでどうやった?」

「情報が少な過ぎるかな、それと『異世界』って言葉は無かったね」

「2015年は異世界ブームはまだやったんかな?そもそも興味が無かったら知らんで当然やろうけど」

「とりあえず、たまには人が来る場所らしいって事が分かっただけでも良かった」

「それと詳しく書いて無かったけど、この家の設備はもう使われへんのかな?1回は使えたみたいやから、ソーラーパネルとバッテリーがあるのかも」

「こういう時は試した方が早いで」

『パチン』

「「付いた!」」


なっちゃんがスイッチを入れると見事に部屋の蛍光灯が付いた!


「ここ見て、みっちゃんの言う通りソーラーパネルがあるんやわ」


なっちゃんが指差したのはスイッチの隣にあった液晶パネル、そこには

『39980mp』と表示が出ている

あれ?


「電力量ってワットやからWになるんちゃう?しかも20減ってる?」

「確かに中途半端な数字やから20減ったと考える方が自然かなぁ」

「とにかく水道とガスも使えるか試してみるな」

『ジャーーー、、、チチチチ、ボッ』


何故か水道もガスコンロも普通に使えてしまったので、置いてあった片手鍋に水を入れてお湯を沸かしてみる

水もガスも少しだけ残ってた物なんかな?


「みっちゃん、パネルの数字が減った!39978になってる!」

「え?!」


私も急いでパネルを見に行くと確かに数字が2減っている、水道とガスコンロを使ったから?


「もしかしてmpってマジックポイントの事?」

「マジックポイントって何?」

「なっちゃんはゲームしやんから分からんか、ゲームやと魔法を使うのに必要なエネルギーって感じの物やねんけど、、、やっぱりここは異世界かも」

「そっかぁ」



ーーーーーーーーーーーーー



side:加藤菜穂



魔法、魔物、304号室

そして304号室の住人が書いたと思われる日記

これらの事から考えて、ここは異世界と考えて間違い無さそう

まだ夢オチっていう可能性もあるけど、、、まぁ今考えても意味は無いか


私はゲームはしないし漫画もアニメもそれほど見ないから、異世界って言われても実感が無い

だからなのか今の所不安とかも感じていないのだけど、みっちゃんは違うらしくとても不安そうな顔をしている

うーん、何とかして元気を出して欲しいんやけど、、、

そうや、良いこと思い付いた♪

ふっふっふっ

みっちゃんの事は私がなんとかしてみせーる!





つづく。  
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