【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~

永倉伊織

文字の大きさ
237 / 661
第8章 空へ

第214話 お見合い その3

「ふぅ~、ごちそうさまでした。こんなに食べたのは久しぶりです♪」

「私の旦那様になる人だから遠慮は要らないとは言っても、シェラあなた本当によく食べたわね」



ペトラ様の護衛のシェラさんが痩せの大食いって事なので、ウィンナーサンド、カツサンド、スィートポテトを大量に出したのだが

まさか1人で5キロも食べるとは思わんかった。


「シン殿!私は一生シン殿に付いて行きます!だからこれからも美味しいご飯をたくさん食べさせて下さい!一所懸命にお勤めを果たさせて頂きますので、よろしくお願い致します!!」

「ちょっとシェラ?!あなたは私の護衛でしょ!」

「あ゛っ、、、えぇーと、お嬢様がシン殿と結婚してくれれば、ついでに全力で護衛します!」

「そこは雇い主の私を最優先で護衛しなさいよ!シェラは食べ物が関わると急に後先考えなくなるんだから、まったくもう

という訳でシンさん、シェラ共々末長くよろしくね♪」

「流れるように結婚に話を持って行くのはお見事!と思いますけど勢いで結婚を承諾したりしませんからね」

「くっ!やはり駄目か。しょうがないわね、ちゃんと説明するわよ

そもそも結婚相手なんて誰でも良かったのよ、政略結婚の必要性も理解しているし、それが貴族の義務でもあるから

ただね、どうしても許せなかったのが私の結婚相手の候補が王侯貴族の馬鹿息子ばかりって事よ、親の威光を自身の威光と勘違いするし

身分の高さとプライドが比例してるからたちが悪いったらありゃしない

その点、シンさんは平民から商会の会長にまで成り上がったって聞いてたから、プライドはともかく馬鹿では無いはず、それだけで私には結婚相手として充分だったの

あとは私のする事にうるさく言わない人なら完璧ね。妾でも良いって言ったのは、正妻だと流石に世間体とか気にして自由に何でもするのは無理かなって」

「なるほど、しかしそれなら私でなくても相応しい人は他にも居たでしょう?」

「そうねぇ、少なくとも私は商会を立ち上げてからこんな短期間で大商会にした人を、シンさん以外には知らないわね。シンさんはもっと自分の価値を正しく理解するべきよ

さっき見たけれど池田屋商会の従業員は奴隷が多いんでしょ?私には見ただけで奴隷なのかどうかを見極める事は出来ないけれど、獣人が多かったから多分そうなんじゃないかしら?」

「そうですね、今日商会に居る獣人は奴隷ばかりです。」


「そもそもあんなに沢山の奴隷なんて奴隷商以外じゃなかなか見ないわよ、しかも全員やる気に満ちてキラキラした目をしてるなんて、普通じゃあり得ない

チラッと見ただけでも、獣人以外の従業員も優秀そうな人が多かったし、そこに居るニィナさんを含めて護衛の質も高そうに見えたわ。ニィナさんなら今のシェラと良い勝負をしそうだもの」

「へぇ~、『今』って事はお腹が膨れたからですか?なんかそれって英雄症候群みたいですね」

「えっ?!シンさんあなた見ただけでそんな事までわ分かるの?」


わぁお、なんか適当に言ったら当たったらしい

異世界小説だと、『勇者』とか『英雄』とか特定の称号を持つは人は、大食いになるのと引き替えに凄い能力を持つようになるってのがあった。


ただし

空腹だと能力が発揮されないし食費が凄いから、王族やそれこそスコーピオン公爵家のように裕福でないと宝の持ち腐れだし

養っていけないから大抵は子供の頃に捨てられてしまうんだよな



「ペトラ様、私も噂話で聞いたくらいで、なんとなく言っただけですよ」

「そう、どちらにしてもお世話になるんだから教えるつもりだったけどね、シンさんの言う通りシェラは『英雄症候群』よ

空腹だと能力が発揮出来ないから毎日凄く食べるの、公爵家はシェラの食費ぐらいなんでもないけれど、シェラの代わりに優秀な護衛を3~4人雇う方が良いんじゃないかってずっと言われててね

私は今更シェラ以外の護衛を側近として付ける気は無いからどうでもいいんだけど、そうなると色々と反発も出て来て面倒くさいったらないわね」

「まあ食費はともかく料理を用意するのも大変ですからね。それに常に満腹にしておくのも現実的じゃないですし」

「シンさんの言う通りよ、だから空腹にだけはならないように、一定時間毎に少しずつ食べ物を食べるようにしてるの。今回のように領地から出ると、持てる食材も限られてしまうからなかなか満腹になるまで食べさせてあげられないのよ」

「事情はだいたい分かりました。ペトラ様は何かやりたい事があるのでしたよね?」

「ええ、私はねこの国から差別をなくしたいのよ、出来ると思う?」

「それはまた難しい事に挑戦なさるのですね。出来るかどうかはペトラ様の努力次第ですが、充分実現可能だと申し上げます。」

「本当に?!この事を話しても否定されるばかりで、出来るって言われたのは初めてなんだけど♪」

「誤解の無いように言っておきますけど、あくまでペトラ様の努力次第ですし、差別意識を無くすのは凄く時間がかかると思いますよ

私たちの子や孫の世代で実現出来れば早い方だと私は思います。」

「それぐらいは承知の上、どんな困難があろうとも乗り越えてみせるわ!」




むむむ?

最初は公爵家のお嬢様として大事に育てられたせいで、良くも悪くも自由奔放に好きに生きていきたいだけかと思ってたんだけど

今、俺の目の前に座ってるペトラ様は、急に真剣な表情をしてなんだか凄く大人っぽくなっちゃったよ

最初からそんな顔をしてくれれば、もっと違う対応をしたかもしれないのに

でも俺はそういうの嫌いじゃないぜ


惚れたりはしないけどな♪






つづく。

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。 ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。 ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。 時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。 だから――。 「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」 異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ! ============ 小説家になろうにも上げています。 一気に更新させて頂きました。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

モブっと異世界転生

月夜の庭
ファンタジー
会社の経理課に所属する地味系OL鳳来寺 桜姫(ほうらいじ さくらこ)は、ゲーム片手に宅飲みしながら、家猫のカメリア(黒猫)と戯れることが生き甲斐だった。 ところが台風の夜に強風に飛ばされたプレハブが窓に直撃してカメリアを庇いながら息を引き取った………筈だった。 目が覚めると小さな籠の中で、おそらく兄弟らしき子猫達と一緒に丸くなって寝ていました。 サクラと名付けられた私は、黒猫の獣人だと知って驚愕する。 死ぬ寸前に遊んでた乙女ゲームじゃね?! しかもヒロイン(茶虎猫)の義理の妹…………ってモブかよ! *誤字脱字は発見次第、修正しますので長い目でお願い致します。