青春の罪と罰 ~とある中学生の物語~

かがみもち

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2年目 ~恋をしてしまった僕、“最低”への道のり、未来への小さな一歩~

第18話 最低

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悪事千里を走る。
悪い行いや悪い話は、たちまち世間に知れ渡ると言う意味だ。
人の悪い噂もそんな感じでたちまち流れ、広まる。
僕のストーカー疑惑は、学年中に広がった。
親友には、していないという事を話して、彼はそれを信じてくれている。
「そっか。嫌な噂だな。俺はこれから別に詮索もなにもしない。俺はいつも通りにお前と接するよ」
そう言ってくれて本当に心が楽になる。
だが、クラスでは、女子からのヤバイ奴という冷たい視線が集まる。
 バンド仲間は僕をチラチラと見るも、1歩を踏み出せず、机の上で固まる。
「あの子が可哀想。本当にヤバイわ~! クソかよ」
「マジクソ野郎よな。なに思い込んでんの? アイツ」
「……さいってい」
人は、すぐに掌を返す。
僕は、彼らの中ではもう最低のクソ野郎なのだ。
結局人は、思い込みでその人の全てを決める。
あの子には、人が寄ってきて、慰めの言葉をかける。
僕には、冷酷な視線と陰口だけが心に刺さる。
こんな事になるくらいなら。
……君と出会わなければよかった。
一緒に帰らなければよかった。
恋なんてしなければよかった。
あぁ、僕は最低だよ。
それがどうした?
怒りにも似たその感情はきっと開き直りなのだろう。
僕は、最低だよ。
もう、恋なんてどうでもいい。
全てがつまらない。
この時から、僕の視界から少しずつ光がなくなっていった。
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