青春の罪と罰 ~とある中学生の物語~

かがみもち

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3年目 青春最後の罰 ~後悔のない物語を~

第25話 修学旅行 始まりと魅せ場まで

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自分を魅せると言うことは、心の内をさらけ出すということ。
それは、失敗すれば白い目で見られる。
だけど、もう怯えない。
あの日の失敗は、経験だから。

「ついに来たねー……。あー、緊張する」
長崎行きのバスに乗って、僕らが泊まる旅館を目的地にしている時、バンド仲間はそう言った。
バスの中にはギターがふたつあるので、極力降りないようにしていた。
今夜魅せる光景。
デュオの卵が、一夜限りのライブを行う。
曲が終わる度に繰り出される拍手と歓声。
別にそれが恋愛に発展するとかそんな期待はない。
根暗な僕でも、他人を傷つけてしまった僕でも、出来ることはあるんだということを証明したいだけだ。
「うん。緊張はするけど楽しみが勝つと思うよ。ここまで練習してきたんだから、後はいけるはず」
夏休みも、毎日練習した。
放課後も残って練習した。
見返すとかじゃなくて、振り向かせるとかじゃなくて。
僕がいるのは「あの日の僕」が居たからというのを知ってほしくて。
罵倒され、身体的にも精神的にも傷付き、傷付けた日々も、好意を抱いてしまい自分勝手な物語を作り小さな少女に精神的な傷を負わしてしまった罪を背負ったから。
青春の罰を受け入れたから。
今、こうして僕はいる。
バスは、旅館に到着した。
そして、すぐさまご飯を食べて、お風呂に入って、部屋に待機。
さぁ、頑張ろう。
自分のために。
未来のために。
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