親友がリア充でモテまくりです。非リアの俺には気持ちが分からない

かがみもち

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第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~

18・8時間目 はじめてのおつかい

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今日も、心地よいBGMを聞きながら、テーブルを拭く。
「ふんふんふーん♪ ふふんふーん♪」
「三石くーん! ちょっとお使いいいかなぁー?」
「だいじょーぶでーす!」
厨房にいる花園さんが俺を呼んだ。
「そうだねぇ、Bランチのスクランブルエッグ用の卵が無くなったから、卵買ってくれると嬉しいな。 後は、マヨネーズと、コーヒー豆とお砂糖お願いね。 菫ちゃーん! 三石君と行ってねー!」
「はいなのー!」
「し、白咲さんと行くんですか?!」
「ええ、そうよ。 じゃ、行ってねー! お金は菫ちゃんに渡してあるからー!」
「ちょ、ちょっと! 花園さーん!」
俺の言いたかったことは花園さんには伝わらなかった。
         ー
「三石君、行くの~!」
「は、はい。 ま、待ってくださいー! えっ! はやっ!」
カフェから出るや否や、爆発的なスピードで、自転車を漕ぐ白咲さん。
「ちょ、ちょ、ちょっと! 速すぎませんか? 自転車漕ぐの!」
俺は自転車を一生懸命漕ぎながら、言う。
「? これが普段なの~!」
風と距離の影響もあってか、「なのー」の部分にドップラー効果がかかる。
「ぜいぜい、ハァハァ。 うぇ・・・。 は、は、速すぎませんか?」
「三島さんはもっと速いの!」
「こ、このカフェのて、店員、きゃ、脚力ど、どうなってんすか・・・」
「三石君はもっと足を鍛えた方がいいと思うの! 私が鍛えてあげるの!」
フンと胸を張る白咲さん。
「・・・信号青になりましたよ。 いきましょ」
「あと少しなのー!」
         ー
まって、帰りたい。
「三石君、だいじょーぶなの? ちょっと休憩するの?」
「・・・お言葉に甘えます」
「はい。 お水どーぞなの」
と、白咲さんは、花柄のエコバッグからペットボトルの水を取り出した。
「い、いえ、お構い無く! 少し体を休めるだけで大丈夫ですので・・・」
「脱水になるの」
「・・・はい」
白咲さんは、泣いてしまう3秒前のような顔をしていた。
俺は誰かに泣かれるのが嫌いだ。
だから、ここはありがたくお水を頂く。
「ぷはー! 美味い!」
「それはよかったのー! さて、そろそろ店内にはいるの~」
「あ、俺持ちます」
「ありがとうなのー?」
「なんで疑問系なんですか・・・」
今いる所は、MISHIHANAから1㎞ほど離れた大型業務用スーパーだ。
ここは、この地域最大の広さらしく、県外からもお客さんがいっぱい来ている。
「いやぁ、広いですね。 俺こんな所来たことありませんよ! 知らない店があるものなんですね・・・」
かなり感心していると、
「あ、ついでにコーヒー買うから先に頼まれた物買っててほしいのー!」
「了解でーす」
誰のために買うのだろうか。
白咲さんはコーヒーじゃなくて、ジュースを飲むイメージがある。
飲むにしても、カフェオレとかだろうか。
俺は頼まれた通りの物を買うため、メモを見る。
「えーと、特売の養鶏直送卵パックと、マヨラー会社のマヨネーズと、ブラックのコーヒー豆に、美白砂糖か・・・」
値段と産地を確認してから、入れた。
「これでいいかな?」
俺は、かごに入った商品をもう一度手にとって確認した。
白咲さんを探すため、店内を歩く。
「たしか、コーヒー買うからとか言ってたな・・・」
俺は角に曲がろうとした時、
「ばぁー!なの」
と白咲さんが後ろから飛び出してきた。
「・・・お疲れさんです。 あの、コーヒー決まりましたか?」
「? それだけなの?」
「・・えっ?」
「? ・・えっ?」
白咲さんは、唇を尖らせて、投げるようにコーヒーをかごに入れた。
          ー
「すみませんでした・・・。 気づかなくて・・」
「別にいーの、白膠にもおんなじ反応されたのー」
今度は、白咲さんは俺に自転車を漕ぐスピードを合わせてくれた。
俺のかごには、コーヒー缶やマヨネーズ、コーヒー豆が袋の中でときどき踊っている。
白咲さんの自転車のかごには、卵が割れないように大事に入っている。
「もう、こんな時間ですね・・・」
「はやいのー!」
空は夕日がある。
まるで俺をこれからも、頑張れというように光っている。
「白咲さん」
「どうしたのー?」
「これからも、よろしくお願いしますね」
「まかせろーなのー!」
俺たちは、無事にMISHIHANAに帰ってきた。
「あら、三石君、菫ちゃんお帰りなさい。 早かったわね」
2階から三島さんも降りてきて、
「おお、おかえり君たち。 さぁて、今日もお疲れさまー! よく頑張った」
「はい。 皆さん今日も1日お疲れさまです!」
今日の気分は最高だった。
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