82 / 244
第3章 選択の文化祭とすれ違う思惑 ~友のために、自分のために~
44・3時間目 執念
しおりを挟む
「ふざけるなよ。最低のクソ野郎」
なぁ、カナ・・・。君が彼女も、信用もぜんぶ壊したんだよ。
償え。償ってくれ。
「・・・! っ・・・。ううっ・・・」
「なんで泣くの? 自分が何をやってるか分かってるの?」
言葉に怒気を含ませながら、言う。
感情が上手くコントロール出来ない。
「だって・・・裕太君の事が・・・好きだから・・・っ、ずっと・・・一緒に居たくて・・・他の人の所に行っちゃうと・・・もう私の事見て・・・くれないんじゃないかって・・・思ったから・・・彼女さんの事は本当にごめんなさい! 側に居て欲しかったからあんな嘘を・・・」
「もういいよ」
もう、疲れた。
「え・・・?」
この場から離れよう。
もうこれだけ言っておけば彼女はもう僕に近付いてこない。
もう、彼女と関わることはない。
さようなら。
僕じゃあなたの幸せの形にはなれないので。
僕は、この場を離れるように背を向け、公園から出ようとした。
もう、これできっと、彼女とは関わることはない。
__________
ー裕太と加奈が公園で会ってから20分後の話ー
「あつしぃ・・・。おんぶぅぅー!」
「は? ちゃんと歩けよ。俺もギター持ってて重いんだからさ」
「山内・・・どこいったんだろう?」
「さぁ、用事じゃねぇの?」
「敦志なんで最近そんなぶっきらぼうなの?」
「や、普通だけど?」
「そうかな? うーん、あれ?」
「どうした?」
遼太郎がこんなにも考え込むなんて珍しいので俺は聞く。
「門出るときの裕太、ベース持っていたっけ?」
「んー・・・。持ってなかったっけな。まさか忘れてるとかないだろうな」
「ちょっ・・・! 見に行こう!」
俺たちは、高校まで走る幸いにも、俺がバイトをしていたコンビニの近くで駄弁っていたので、高校までは走って5分くらいで着いたと思う。
「っ・・・! はぁ! 体育館にあんのか?」
俺達は体育館に入り、倉庫やら舞台裏やらを探す。
「あっ! あった! あいつ、なんでこんな所に・・・」
ふと、俺の脳内には裕太の言動が思い浮かんだ。
あいつ、確か宮浦の事ストーカーだとか言ってなかったか? まさかな。そして、あいつは一度休んでいた。
まさか、あれは宮浦が原因?
あいつ、目が虚ろだった時があった。
全て繋がる。
今日見た夢も、そこにいた女の子も。中学生のカップルも。
「遼太郎っ! 行くぞ!」
「は? どっ、どこに? ベースは?! いいの?」
突然走り出した俺に遼太郎は焦りながら、ベースを抱えて走ってきてくれた。
どこだっ! 裕太っ!
俺は高校の辺りを路地裏までも入って調べるが、裕太は見つからない。
「敦志、あれ」
遼太郎の声が震えている。
なんだと思い、振り向くと、そこには公園で話し合っている裕太と宮浦が居た。
そこは今日見た夢の中の公園にソックリだった。
「なにしてんだ?」
「分からん。ここから様子を見よう」
俺達は歩道で歩いている人に紛れ、彼らの様子を観察した。
なにやら、裕太と宮浦で口論になっていると思う。
そして、裕太が背を向け、公園を出ようとしたとき、目に写った。
宮浦が、ポケットの中からなにやら折り畳んだ何かをだしたのを。
そして、それが現れた瞬間、駆け出していた。
「あつー・・・!」
遼太郎の声など聞こえなかった。
ただただ宮浦が持つ物に危険を感じた。
己の危険なんて顧みずに、駆け出してしまった。
なにでもいいから、あいつを守れ。
それが、裕太に触れる瞬間、肩に思い切りタックルをした。
「いっ! たぁ・・・! なっ!」
グウゥゥゥ・・・!
肩か
いや、左腕か。
そこが痛い。
千切れたように痛い。
公園の砂に倒れた裕太は俺の切られた左腕を見て、驚いた。
そして、整っている顔を歪ませ、宮浦を睨んだ。
なぁ、カナ・・・。君が彼女も、信用もぜんぶ壊したんだよ。
償え。償ってくれ。
「・・・! っ・・・。ううっ・・・」
「なんで泣くの? 自分が何をやってるか分かってるの?」
言葉に怒気を含ませながら、言う。
感情が上手くコントロール出来ない。
「だって・・・裕太君の事が・・・好きだから・・・っ、ずっと・・・一緒に居たくて・・・他の人の所に行っちゃうと・・・もう私の事見て・・・くれないんじゃないかって・・・思ったから・・・彼女さんの事は本当にごめんなさい! 側に居て欲しかったからあんな嘘を・・・」
「もういいよ」
もう、疲れた。
「え・・・?」
この場から離れよう。
もうこれだけ言っておけば彼女はもう僕に近付いてこない。
もう、彼女と関わることはない。
さようなら。
僕じゃあなたの幸せの形にはなれないので。
僕は、この場を離れるように背を向け、公園から出ようとした。
もう、これできっと、彼女とは関わることはない。
__________
ー裕太と加奈が公園で会ってから20分後の話ー
「あつしぃ・・・。おんぶぅぅー!」
「は? ちゃんと歩けよ。俺もギター持ってて重いんだからさ」
「山内・・・どこいったんだろう?」
「さぁ、用事じゃねぇの?」
「敦志なんで最近そんなぶっきらぼうなの?」
「や、普通だけど?」
「そうかな? うーん、あれ?」
「どうした?」
遼太郎がこんなにも考え込むなんて珍しいので俺は聞く。
「門出るときの裕太、ベース持っていたっけ?」
「んー・・・。持ってなかったっけな。まさか忘れてるとかないだろうな」
「ちょっ・・・! 見に行こう!」
俺たちは、高校まで走る幸いにも、俺がバイトをしていたコンビニの近くで駄弁っていたので、高校までは走って5分くらいで着いたと思う。
「っ・・・! はぁ! 体育館にあんのか?」
俺達は体育館に入り、倉庫やら舞台裏やらを探す。
「あっ! あった! あいつ、なんでこんな所に・・・」
ふと、俺の脳内には裕太の言動が思い浮かんだ。
あいつ、確か宮浦の事ストーカーだとか言ってなかったか? まさかな。そして、あいつは一度休んでいた。
まさか、あれは宮浦が原因?
あいつ、目が虚ろだった時があった。
全て繋がる。
今日見た夢も、そこにいた女の子も。中学生のカップルも。
「遼太郎っ! 行くぞ!」
「は? どっ、どこに? ベースは?! いいの?」
突然走り出した俺に遼太郎は焦りながら、ベースを抱えて走ってきてくれた。
どこだっ! 裕太っ!
俺は高校の辺りを路地裏までも入って調べるが、裕太は見つからない。
「敦志、あれ」
遼太郎の声が震えている。
なんだと思い、振り向くと、そこには公園で話し合っている裕太と宮浦が居た。
そこは今日見た夢の中の公園にソックリだった。
「なにしてんだ?」
「分からん。ここから様子を見よう」
俺達は歩道で歩いている人に紛れ、彼らの様子を観察した。
なにやら、裕太と宮浦で口論になっていると思う。
そして、裕太が背を向け、公園を出ようとしたとき、目に写った。
宮浦が、ポケットの中からなにやら折り畳んだ何かをだしたのを。
そして、それが現れた瞬間、駆け出していた。
「あつー・・・!」
遼太郎の声など聞こえなかった。
ただただ宮浦が持つ物に危険を感じた。
己の危険なんて顧みずに、駆け出してしまった。
なにでもいいから、あいつを守れ。
それが、裕太に触れる瞬間、肩に思い切りタックルをした。
「いっ! たぁ・・・! なっ!」
グウゥゥゥ・・・!
肩か
いや、左腕か。
そこが痛い。
千切れたように痛い。
公園の砂に倒れた裕太は俺の切られた左腕を見て、驚いた。
そして、整っている顔を歪ませ、宮浦を睨んだ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる