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第9章 最後の桜と変わる雰囲気
125時間目 最後の体育大会(了)
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午前の競技が全て終了し、昼休みとなった。
「ご飯だああぁぁぁ!」
わーい! と遼太郎がはしゃぎながら飛び出す。
「もはやこっちがメインだな」
「まぁ、いいじゃないか。楽しそうで」
裕太と一緒に歩いているがその後ろを控えめについてくる四人グループがいた。そのなかの一人の男子生徒は照れくさそうな顔をしていた。
「おいおいおいー! 悠麻ぁー! なぁんでこんなイケメソな先輩たちのこと黙っていたんだよー!」
短髪の男子生徒が悠麻をいじりまくる。
「……いや誰も俺の交友関係気にしないし別にいいだろって思っていたから黙っていたんだけど……。もしかして知り合い? レイ」
レイと呼ばれた男子生徒はわっはっはと笑ったあと、ニヤリと不敵な笑みを浮かべて、
「いやー、誰も知らねぇー」
「……そこ知っとけよ」
散々溜めておいて知らないという結果を撒き散らした。というか悠麻の一人称、俺だったのか。今までずっと僕だったからそう思い込んでた。
「……高橋先輩、山内先輩すみません。こいつうるさくて」
「いやいや、むしろ悠麻にこんな明るい友達がいたことに安心した」
「……僕をなんだと思っているんですか」
「レイ君って確か、僕らの司会やってくれていた子だっけ?」
「えぇー! そうっすよー! 山内先輩マジでかっこよかったっすよ!」
悠麻をからかうような声色から一転、順々な後輩男子へと転換したレイ。こいつ、中々の調子乗りのやつだな。
「あはは……。ありがとう。皆は学食食べるのかな?」
出会って数分とは思えないほどのコミュニケーション能力だ。会話が続きまくっている。
「悠麻はメシ何食うんだ?」
裕太とレイの会話で俺たちは沈黙が流れてしまったので悠麻に話題を振ってみることにした。
「……僕はからあげとおにぎりですね。安くてボリュームがあって美味しいんですよ」
「からあげ美味いよなぁ。俺もよく食う。おにぎりの具材は何をよく食う?」
「……僕は鮭ですね」
「俺も鮭だ」
おにぎりの具材は鮭が一番だと俺は思う。
食堂についた俺たちは大人数が座れる席に移動した。そこでそれぞれのご飯を注文し、食べる準備をする。
「遼太郎は今年も弁当なんだな」
隣の席でぱくぱくとからあげを頬張る遼太郎に声をかける。
「おう! 母ちゃん特製のからあげだ! 敦志もひとついるか?」
遼太郎からからあげを貰う。醤油をベースにした味付けはとても美味しい。隠し味だろうショウガの味もよいアクセントになっている。
「うめぇ……」
そう思わず零してしまうくらい美味しかった。
それから、午後の競技を俺たちは参加し──高校生活最後の体育大会が幕を閉じた。
「ご飯だああぁぁぁ!」
わーい! と遼太郎がはしゃぎながら飛び出す。
「もはやこっちがメインだな」
「まぁ、いいじゃないか。楽しそうで」
裕太と一緒に歩いているがその後ろを控えめについてくる四人グループがいた。そのなかの一人の男子生徒は照れくさそうな顔をしていた。
「おいおいおいー! 悠麻ぁー! なぁんでこんなイケメソな先輩たちのこと黙っていたんだよー!」
短髪の男子生徒が悠麻をいじりまくる。
「……いや誰も俺の交友関係気にしないし別にいいだろって思っていたから黙っていたんだけど……。もしかして知り合い? レイ」
レイと呼ばれた男子生徒はわっはっはと笑ったあと、ニヤリと不敵な笑みを浮かべて、
「いやー、誰も知らねぇー」
「……そこ知っとけよ」
散々溜めておいて知らないという結果を撒き散らした。というか悠麻の一人称、俺だったのか。今までずっと僕だったからそう思い込んでた。
「……高橋先輩、山内先輩すみません。こいつうるさくて」
「いやいや、むしろ悠麻にこんな明るい友達がいたことに安心した」
「……僕をなんだと思っているんですか」
「レイ君って確か、僕らの司会やってくれていた子だっけ?」
「えぇー! そうっすよー! 山内先輩マジでかっこよかったっすよ!」
悠麻をからかうような声色から一転、順々な後輩男子へと転換したレイ。こいつ、中々の調子乗りのやつだな。
「あはは……。ありがとう。皆は学食食べるのかな?」
出会って数分とは思えないほどのコミュニケーション能力だ。会話が続きまくっている。
「悠麻はメシ何食うんだ?」
裕太とレイの会話で俺たちは沈黙が流れてしまったので悠麻に話題を振ってみることにした。
「……僕はからあげとおにぎりですね。安くてボリュームがあって美味しいんですよ」
「からあげ美味いよなぁ。俺もよく食う。おにぎりの具材は何をよく食う?」
「……僕は鮭ですね」
「俺も鮭だ」
おにぎりの具材は鮭が一番だと俺は思う。
食堂についた俺たちは大人数が座れる席に移動した。そこでそれぞれのご飯を注文し、食べる準備をする。
「遼太郎は今年も弁当なんだな」
隣の席でぱくぱくとからあげを頬張る遼太郎に声をかける。
「おう! 母ちゃん特製のからあげだ! 敦志もひとついるか?」
遼太郎からからあげを貰う。醤油をベースにした味付けはとても美味しい。隠し味だろうショウガの味もよいアクセントになっている。
「うめぇ……」
そう思わず零してしまうくらい美味しかった。
それから、午後の競技を俺たちは参加し──高校生活最後の体育大会が幕を閉じた。
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