異世界召喚されたら好きな人を親友に寝盗られた~七つの大罪(グリモワール)の一人だった私は、記憶を取り戻しながら好きな人も取り戻す!~

卯月えり

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第7章【愛の言葉】

50罪 ゑレ妃の心②

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「そ……っか」
「凄くショックを受けている雪ちゃんの気持ちを理解できなくて心苦しいのだけれど……」
「そんなことないよ、静。そう言ってくれるだけでも嬉しいよ」

 必死に私の気持ちに寄り添おうとしてくれる静の気持ちが、私はとても嬉しかった。
 理解できなくても分かろうとしてくれるという事が、こんなにも嬉しく思える事を初めて知ったかもしれない。

「でもね、雪ちゃん」
「うん?」
「雪ちゃんが強く感じているのは、雪ちゃんじゃなくて前世であるゑレ妃えれひさんのものでしょう?」
「う、ん……そう、だね」
「だからね、雪ちゃん。あまりその感情に強く引っ張られすぎないでね?」

 ぎゅっと私の両手を握りしめ、心配そうに瞳を覗き込んでくる。
 静の薄暗い紫色の瞳を真っすぐ見つめていると、なんだかだんだんと吸い込まれてしまいそうな気がする。それくらい、魅力を持った瞳だ。

「ありがとう、静。大丈夫だよ……ちゃんとそこは分ってるから」

 だから安心して、と言わんばかりに私はにこりと微笑んだ。
 たぶん、いつもと比べると力ない笑顔なのかもしれない。だって、静が凄く心配そうに私を見つめてくるんだもん。
 それどころか、私をギュッと抱きしめてきた。私より小さいのに、私を一生懸命包み込むように背伸びをしながら抱きしめてくる。

「……静は心配性だね」
「雪ちゃんは優しすぎるから」
「そんなことないよ」
「そんなことあるわ」

 ぴしゃりと言い切る静の言葉に、私は苦笑を浮かべた。助けを求めるように真兄やヴェル君、そして白卯はくうの方に視線を向けるが、皆静の言葉に同意しているように頷いて私の方を見ているだけだった。

(えー……)

 みんなの反応に、私が感じた感想はそれだけだった。
 盤上一致なんて、もうとやかく言えないじゃんと……素直に思った。

「雪様は心配性でございます。わたくしもとても心配でございます」
白卯はくうまで……」
「雪は昔から心配性だった」
「会ってからそんなに経ってないけど、俺もそう思うよ」
「真兄にヴェル君まで……言葉にしなくてもさっきの表情で分かったのに……」
「言わなきゃはっきりわからないでしょ?」
「うぐ……」

 ヴェル君の言葉が私の胸に突き刺さる。
 確かに、同意しているような様子を見ているだけなのと、実際に言葉にされるのとは衝撃が違う。違いすぎる。
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