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グランディル帝国
楽しい日々
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「ぼっちゃまったら、どこに行ってしまったのかしら。」
乳母はカリカリしながら城内でカーミラを探し回っていた。
異変に気づいたのか、シドがこちらにやって来る。
「どうかしたのか? 」
「これはシド様。」
(一礼)
「カーミラぼっちゃまが授業の時間になると、決まって城からいなくなってしまうんです。」
「全く、困った子だ。奴には次期グランディル皇帝となって、この地を支配してもらわねばならぬと言うのに……」
その頃僕は、城の窓からテーブルクロスを垂らして、無事城の裏庭に降り立っていた。
跳ね橋は渡らず、この前倒しておいた森の木を使って堀を渡ると、収穫の終わった麦畑で、麦拾いをしているおじさんに挨拶する。
いつも通り牛舎のまでくると、そこから雑木林に逸れ、木々を書き分けて、いつもの小屋に向かった。
「カーミラか。娘たちなら、裏の花畑でお花を積んでいるよ。」
「ベリックさんこんにちは。ありがとうございます。後でまた歴史を教えて下さい。」
「ん? そうだな。今日はウボクの歴史について話そうかな。」
僕は急足で小屋を後にすると、家の裏口から続く小道を抜け、花畑に出た。
初夏の花たちが風に靡いて、さわさわと踊っている。その中で、麦わら帽子を被った二匹の妖精が、かけっこをしていた。
「遅刻よ。カーミラ。」
「お姉ちゃんだって今来たところでしょ。」
僕は彼女たちにも聞こえるように大きな声で答えた。
「ごめん二人とも!! 」
「早く~今日は私のために花冠を作ってくれる約束でしょ。」
「もう、お姉ちゃんったら。この前もカーミラ兄さんが作ってくれたのに……」
「レンが僕の花冠作ってくれるの? 楽しみだなぁ。」
「だめよカーミラ! アンタの王冠は私が作るんだから。」
二人といる間だけ、勉強も、うるさい父さんも、乳母も忘れて無邪気な子供として、はしゃぐことができた。
楽しい時間というものは……そう、乳母から教わる勉強の十分と同じぐらいなのだ。
散々はしゃぎ終えた僕たちは、家に帰ると、ベリックさんから、算術や、歴史、魔術を教わる。
だが不思議と苦にならなかった。ベリックさんは物知りで、僕が聞いたことに全て答えてくれる。 なんだかんだで、はぐらかし、ただ書物通りに授業を続ける乳母とは大違いだ。
僕はベリックさんから魔術の基礎知識や、世界の歴史、そして魔法という神族のみに許された禁術について教わった。
「ベリックさんはどんな魔法が使えるの? 」
(ゴーンゴーンゴーン)
「おっと日暮れの鐘だ。そろそろ帰った方がいいんじゃないか? 兵士たちが探しに来ないうちに帰っておけ。見回りが出回ってからでは、帰るにも帰れなくなるだろ。」
「残念。わかりましたベリックさん。次会う時には必ず教えて下さいね。ベリックさんの魔法。」
「ああ、勿論だ。私の魔法は面白いぞ。」
僕は三人に挨拶をして、家から出ると、そのまま雑木林に分け入って行った。
畑道を歩く途中、グランディル軍を率いるドミニク兄さんを見つける。
「にいさ~ん。」
僕の七つ上の兄さんは、腰のアルテマを輝かせると、こちらに振り返った。
「カーミラか? 父上が心配していた。早く帰れ。」
「兄さん!! 極東軍を倒しにいくの? 」
「おじさんたち…七英雄を助けにいくんだ。」
「兄さん!! 僕もいくよ。悪い極東の人間たちを懲らしめるんだ。」
「早く帰れ。これは兄貴の仕事だ。」
「分かったよ。必ずおじさんたちを助けてあげてね。」
「元よりそのつもりだ。いくぞお前たち。」
「「「はっ」」」
ドミニク兄さんが馬に鞭を打つと、兵たちもそれに習う。
僕は彼らが見えなくなるまで手を振って彼らを見送った。
乳母はカリカリしながら城内でカーミラを探し回っていた。
異変に気づいたのか、シドがこちらにやって来る。
「どうかしたのか? 」
「これはシド様。」
(一礼)
「カーミラぼっちゃまが授業の時間になると、決まって城からいなくなってしまうんです。」
「全く、困った子だ。奴には次期グランディル皇帝となって、この地を支配してもらわねばならぬと言うのに……」
その頃僕は、城の窓からテーブルクロスを垂らして、無事城の裏庭に降り立っていた。
跳ね橋は渡らず、この前倒しておいた森の木を使って堀を渡ると、収穫の終わった麦畑で、麦拾いをしているおじさんに挨拶する。
いつも通り牛舎のまでくると、そこから雑木林に逸れ、木々を書き分けて、いつもの小屋に向かった。
「カーミラか。娘たちなら、裏の花畑でお花を積んでいるよ。」
「ベリックさんこんにちは。ありがとうございます。後でまた歴史を教えて下さい。」
「ん? そうだな。今日はウボクの歴史について話そうかな。」
僕は急足で小屋を後にすると、家の裏口から続く小道を抜け、花畑に出た。
初夏の花たちが風に靡いて、さわさわと踊っている。その中で、麦わら帽子を被った二匹の妖精が、かけっこをしていた。
「遅刻よ。カーミラ。」
「お姉ちゃんだって今来たところでしょ。」
僕は彼女たちにも聞こえるように大きな声で答えた。
「ごめん二人とも!! 」
「早く~今日は私のために花冠を作ってくれる約束でしょ。」
「もう、お姉ちゃんったら。この前もカーミラ兄さんが作ってくれたのに……」
「レンが僕の花冠作ってくれるの? 楽しみだなぁ。」
「だめよカーミラ! アンタの王冠は私が作るんだから。」
二人といる間だけ、勉強も、うるさい父さんも、乳母も忘れて無邪気な子供として、はしゃぐことができた。
楽しい時間というものは……そう、乳母から教わる勉強の十分と同じぐらいなのだ。
散々はしゃぎ終えた僕たちは、家に帰ると、ベリックさんから、算術や、歴史、魔術を教わる。
だが不思議と苦にならなかった。ベリックさんは物知りで、僕が聞いたことに全て答えてくれる。 なんだかんだで、はぐらかし、ただ書物通りに授業を続ける乳母とは大違いだ。
僕はベリックさんから魔術の基礎知識や、世界の歴史、そして魔法という神族のみに許された禁術について教わった。
「ベリックさんはどんな魔法が使えるの? 」
(ゴーンゴーンゴーン)
「おっと日暮れの鐘だ。そろそろ帰った方がいいんじゃないか? 兵士たちが探しに来ないうちに帰っておけ。見回りが出回ってからでは、帰るにも帰れなくなるだろ。」
「残念。わかりましたベリックさん。次会う時には必ず教えて下さいね。ベリックさんの魔法。」
「ああ、勿論だ。私の魔法は面白いぞ。」
僕は三人に挨拶をして、家から出ると、そのまま雑木林に分け入って行った。
畑道を歩く途中、グランディル軍を率いるドミニク兄さんを見つける。
「にいさ~ん。」
僕の七つ上の兄さんは、腰のアルテマを輝かせると、こちらに振り返った。
「カーミラか? 父上が心配していた。早く帰れ。」
「兄さん!! 極東軍を倒しにいくの? 」
「おじさんたち…七英雄を助けにいくんだ。」
「兄さん!! 僕もいくよ。悪い極東の人間たちを懲らしめるんだ。」
「早く帰れ。これは兄貴の仕事だ。」
「分かったよ。必ずおじさんたちを助けてあげてね。」
「元よりそのつもりだ。いくぞお前たち。」
「「「はっ」」」
ドミニク兄さんが馬に鞭を打つと、兵たちもそれに習う。
僕は彼らが見えなくなるまで手を振って彼らを見送った。
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