死んでも言ってやらないから、

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接点と関係性

5; 委員会

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「…ら…しな」

んー誰だろう。
誰かの声がする。

「更科!  起きて!」

ガバッ!
「うわ、ゎゎ!」

ガタッ ガッシャン

「ちょっ、大丈夫?」

「あ、ごめん。 寝ちゃってて、呼ばれたから起きようとしたら勢いつきすぎちゃって…。」

うわ、すっごい筈かしい所見せちゃった。

「私、吉田さんの所行くけど、更科も本当に来るの?」

「もちろん行くよ!
 起こしてくれてありがとね。」

更科が授業の途中からグッスリ寝てるから体調悪くなったのかと思ったけど、大丈夫そうで良かった。

「いえいえ。」

「じゃあ、1組に行って僕の委員会の所属許可を貰いに行こうか。」

…ん?

「ちょっと待った。 私は吉田さんに会いに行くけど、あんたの所属許可はしらないからね。」

「えー。」

「いや、えー じゃないわ。」

こっちは同じ委員会になりたくないんだから。
席が隣で、委員会が一緒とか接点多過ぎるからね!?

「取り敢えず、吉田さん呼ぶからね。」

ガラガラッ

「吉田 彩音ちゃんいますか?」

「月詠さん!」

「さっきクラスに来てくれたって聞いてさ。
 どうしたの?」

「実は委員会のことなんだけど、うちの学校って3年生は6月に委員会から外れるでしょ?
そしたら、図書室の開放時間が長くなったことで人手が足りなくて…。」

まじかよ。
これってフラグでしょ。 あいつ絶対やるって言いそう…

「吉田さん! 僕、月詠さんと同じクラスで友達の更科っていうんだけど、お手伝いしていいかな?」

チッ、さらっとフラグ回収されたよ。
てか友達ってなんだよ。
そう思って睨んでやった。

…!
なんで睨んだのにあいつは凄い優しい笑顔をしてるんだろう。 しかも楽しそうにもみえる。
マゾなのかな…?

「本当に?!  是非、お願いします!
 担当は月詠さんと同じにするからね。」

「えっ? 別でい…」

「そうしてもらえると助かるよ!」

こいつ、私が断ろうとしたら言葉を被せてきたんだけど。

「実は当番も変更が合って、明日から2週間の昼と放課後が3組の担当になりました。」

「来月初めの一週間じゃなかったっけ?」

「なんか、先生が今月の担当が部活組で足りないらしくて、月詠さんは出来る筈だからって今月のも組んだらしいの…」

「っ!  そういうことか。
 じゃあ、明日からと、来月も担当すれば良いんだね?」

「うん。 お願いします。」

「了解しました。」

「更科くんも宜しくお願いします。」

「了解。」

…なんだか部活組じゃない人を担当に入れたって言われてから、月詠がとても悲しそうな顔してる。

「ねぇ、月詠。」

「何?」

「月詠は部活に入って無いの?」

「…入ってないよ、今はね。」

「今はってことは前はやってたんだ。
 何部?」

「弓道部だよ。」

部活を聞いてみると、さっきよりも表情が暗くなって来てる…。
これ以上聞かない方がいいか?
いや、ここまで聞いてしまったのならちゃんと知りたい。
それに、なんか。、今の月詠はとても小さく、儚くみえて心配だ。

「なんで、部活辞めたの?」

「っ…更科には関係ないでしょ。」

「無理に聞くつもりはないんだけどさ、今の月詠はとても悲しそうだよ。」

「そんな風に見えたの? 気のせいでしょ笑」

「!?」

辛いなら笑わなくてもいいじゃないか。
なのになんで、なんで月詠は…

「そんな顔して笑うなよ。」

「そんなブサイクな笑顔だった?」

「違うよ。 今にも泣きそうな顔だよ。
でも、それを隠そうとしながらも笑ってる。
そんなふうに笑ったら、自分が苦しくなるよ?」

「更科には関係ないでしょ!
 何なのよ。 今日、初めて話したのに、人がひたすら気持ちを隠して笑ってるのに!
なんで、なんであんたにそんなこと言われなきゃならないのよ!」

しまった…。
部活を辞めた事を聞かれて、その時の事を思い出しちゃって、彼に当たってしまった。
廊下で大きな声を出してしまったせいで視線も集まってきた。

「ごめん、急に怒鳴ったりして。
 今のは忘れて。 何も聞かないで。」

「僕こそごめんね。  でも、その事で悩んでることとかがあるなら聞くから。 というか、話してくれた事を誰かに言ったりなんてしないから。  頼って欲しいな。」

「…ありがとう。」

僕はなんだかんだ言いながらも僕と話してくれて、嫌だと言いながらも、一緒に吉田さんの所に行ってくれる。
さっきの担当も断る事が出来ただろうに、受け入れた月詠は優しい子なんだろうって思う。

そんな彼女が悲しそうでいるのが、僕は嫌だと思った。
だから、悩んでいるなら話して欲しい。


彼は、なんで知り合ったばかりの私を気にかけてくれるのだろうか。
悩みがあるなら聞くから なんて、言って貰えたのはいつぶりだろう。
私を気にかけてくれる彼は、とても優しい人なんだろうな。
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