死んでも言ってやらないから、

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接点と関係性

7; お弁当

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昨日の体育で体調が悪くなった更科は少し回復したみたいだけど、その日は早退する事になった。

そして今日、彼は元気になって登校してきた。

「おはよう、更科。」

「おはよう、月詠。
 月詠から挨拶されたの初めてかも笑」

「確かに…。」

「僕の事、友達って思ってくれたのかな?」

すごいニヤけてるなこいつ。
でも、初めに話した時よりはマシかも知れないし…

「少しならそう思ってあげる。」

これ、すごく上から目線じゃない?
うわ、失敗した…。
引いてるかな。

「え、あっ、その…嬉しいです。」

「へっ、あっ、ありがとございます…。」

全然引いて無かった。
むしろ顔赤くしてありがとって言われたんだけど。
こっちも照れる。

月詠のやつ…。
昨日も予想外な事されたのに、またやられた。
しかも凄い嬉しい。

でも、僕ばっかり照れさせられるのは嫌だから、今日のお昼にやり返してやる!

「ねえ。」

「ん?」

「体調、良くなったの?」

「あぁ、もう大丈夫だよ。 ありがとう。」

「今日、お昼の担当するなら無理はしないようにね。」

「でも、体調悪くなったら月詠が心配してくれるしな~。」

「ならもう心配しない。」

「ごめんなさい、そんなこともう思わないから心配して。」

「心配してってなんだよ。」

「いや、なんか月詠に心配されたのが嬉しくてさ。」

「あっそ…。」

ちょっと嬉しく思っちゃったじゃんか。
でも、更科と仲良くなっても彼は私の笑わない理由が知りたいだけ、なんだよね…。

ん? それって、私が更科と仲良くしたいみたいじゃん!

でも、初めて話た時よりもいいやつだって思ってきたし。
それに、話しやすいかもって思ったり、部活を辞めたことを話してもいいかなって…
あぁー、どうしたいんだ私。

そう考えていたらもう昼休みになり、更科と図書室に行くことになった。

「月詠。  なんでそんな眉間にシワ寄ってるの?」

「えっ? 寄ってる?」

「面白いくらいにね笑」

うわ、恥ずいんだけど。
もう考えんの辞めとこう。
抹消しましょう。

「2人でお昼食べるって仲良しな感じするよね。」

抹消出来ませんでした。

「別に普通よ。」

「僕は楽しみなんだけどな。」

「あっそ。」

恥ずい、照れる、やめて欲しい。


…月詠が全然表情変えてくれない。
やり返したいのに何すれば照れたりするかな?

「ほら、図書室着いたよ。
 カウンターの裏に部屋があるからそこで食べることになってるの。」

「了解!」

「20分後には開放するからね。」

「わかった。
 じゃあ、急いでご飯食べなくちゃね。」

向かいあって席についたけどさ、この机小さいから距離が近いんだよね。
まあ、いっか。

「月詠のお弁当、小さすぎじゃない?」

「そう? 女子って皆これくらいだよ。」

「僕ならお腹空いちゃう。」

「…更科って、意外に食べるんだね。」

「そう? 男子ってこんなもんだよ。」

いや、がっつり運動部って位の量がある気がするんだけど…。

「そうなのかな。  
 それにしても、更科のお弁当ってしっかりしてるね。」

「母さんが何時も作ってくれてるんだ。」

「毎日作ってくれてるなんて、いいお母さんだね。」

「月詠のお弁当も美味しそうだよ。」

「全然だよ。 もう、何作ろうか考えるのがめんどくさくて、何時も同じの作っちゃうんだよね。」

「えっ?! それ、月詠が作ったの?」

「そうだけど。」

「凄い上手いね!  1つ欲しいな。」

「別にいいけど。」

「ありがと。」

凄い笑顔をで卵焼きを取っていったけど大丈夫かな。
味薄かったかな。
不味かったらどうしよう…。

「美味しい!  僕、この甘さ好きだな。」

「気に入ってもらえたなら良かった。」

口にあって良かった。
褒めて貰えて嬉しいけど、恥ずかしいのでお弁当をさっさと食べてしまおう。
そしてここから出よう。

「月詠、僕のも1つ上げるよ!」

「いいの?」

「もちろん。 何食べたい?」

「ありがとう。 じゃあ、私にも卵焼き頂戴?」

「了解。 じゃあ、口開けて?」

「…へ?」

「はい、あーんして。」

「えっ、いや、ちょっ…ムグッ!」

「美味しい?」

「モグモグ…。 美味しいです。」

急に口の中に入れるからびっくりするじゃんか。
てか、ナチュラルにあーんって言えるとか何なの。
ほんとに何なの!
すっごい恥ずかしい。

やばい、今絶対に顔が赤い。

両手で隠そう。

「…。 ねぇ、なんで顔を隠してるの?」

「…。なんでもないから大丈夫。」

「顔見えないんだけど。」

「見せないようにしてるんです。」

「照れてるの?」

「っ!  ち、違います。」

やばい、ばれる。
こんな顔見られたくない。

「見せてくれないならさ、無理矢理でも見るけどいい?」

「いや。」

グイッ

「!!」

「フッ、凄い顔赤いけどどうしたの?」

「うるさい、馬鹿! 更科のせいでしょ!」

「僕のせい?  何もしてないと思うんだけどな。」

「うるさい。 ほら、もう開放するするからね!」

何なの、あいつ。
無理矢理に手を退けて顔見てくるし。
そしたら凄いやってやったって顔してるしさ!
しかも、その顔がちょっとかっこいいなんて…
うん、ないね。
忘れよう。

それよりも図書室を開放だ。
更科は担当が初めてだし、ちゃんと説明しなきゃだな。


何あの顔。
仕返しにと思ってあーんってしてみたけどさ、緊張したから口の中に突っ込む形になっちゃってさ、手で顔を隠すから怒ってるのかと思ったのに。

凄い照れてる顔だった。
真っ赤になってて、僕よりも身長低いから上目遣い出しさ。

あー。本当にさ、とても可愛いかったです。

仕返しなんてするのは辞めておこうと心に誓った。
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