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第10話 ティアマトとの激戦
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「ジョー! 協力してこいつを倒すよ!」
「ああ、わかった」
こいつをただ倒せばいいってわけじゃない。
無事に地上まで帰還するためには、空気膜を残した状態で勝たなければならない。
地上までの片道分だけでなく、ドアが閉まったからそれを開けるための空気膜。
俺かフィンのどちらかが空気膜に余裕をもっていればドアは開けられる。
ここは俺が余裕を持たせておくか? だとしたら、アクセルダイブも乱発できない。
今、俺とフィンの空気膜はそれぞれマックス時の9割程度はある。
俺とフィンの空気膜の量に大差はない。どちらか片方が3割ほど残しておけばドアを開けて帰還は十分にできるはずだ。
よし。大体空気膜を残しておく量の目安はわかった。それを下回らないように立ち回らないとな。
「いくよ! とりゃああ!」
フィンがステップを踏んでティアマトに近づく。そして、ティアマトの触手の1本にトライデントをぶっ刺した。
俺が持っているトライデントよりも重量があり、威力が高い一撃。ティアマトの触手はそれで1本潰れてしまい、ティアマトがもだえ苦しみ始めた。
「よし! とりあえず、僕の攻撃は通るみたいだねー。うん、勝てる勝てる」
攻撃が通るからと言って勝てるとは限らないが、フィンにはなにか勝算があるのだろうか。
「グオオオオオオ――!」
触手を1本潰されたティアマトは暴れ出した。残った7本の触手をでたらめに伸ばしてフィンに攻撃を仕掛けてくる。
「う、うわっ……や、やば……!」
まずい。このままだとフィンに触手の攻撃が命中してしまう。
こちらの最大戦力はフィンだ。戦い慣れているフィンですらやられる相手に俺が勝てるわけがない。
ならば、フィンを助けるためにこの能力を使うしかない。
俺は意識を集中して深呼吸をする。
心を落ち着かせて、一気に駆け抜けるイメージ!
アクセルダイブ発動ッッ!!
俺はスピードの世界に突入した。発動した段階で既に空気膜を消費してしまう。
今残っている俺の空気膜は80パーセントを切ったところだろう。恐らくは77~79パーセントってところか?
そこからこの発動した状態を維持していれば猛スピードで空気膜が削られる。
だから、発動時間もできるだけ短く。有効的に使わざるを得ない。
俺は構えたトライデントを使い、そしてフィンへと伸びていく触手に向かって突進をする。
俺のトライデントはフィンのに比べたら重量がない。だから一突きの威力は弱い。
だが、それは能力で補うことができる。攻撃にスピードが乗ればその威力は何倍にも膨れ上がる。
俺の動きは加速しているけれど、意識もゾーンに突入してゆっくりと思考することができる。
動体視力も上がっているので触手の軌道も読める。
俺は触手を掻い潜り、フィンを狙っている触手に狙いを定める。
そして、俺の体を急加速する。この距離なら命中するまで1秒とかからないだろう。
だが、俺の体感時間は1分ほどある。
その間、次の作戦を考えよう。
このまま触手を撃墜して、本体を狙うべきか?
現在の俺の空気膜はおよそ73パーセント程度。まだ発動してから1秒未満しか経過していないのに既に5パーセントほど空気膜が削られてしまっている。
発動したての時は体が鳴れていないため消耗が激しい。これから消耗が緩やかになっていくとしても、長時間の使用は避けたい。
とりあえず、もうすぐ俺の攻撃が触手に命中する。
その威力を見ながら本体への追撃を考えてみよう。
俺は亜音速の速度で触手をトライデントで突いた。
一撃に重さはないけれど速さはある! 触手をなんとか潰すことに成功した。
だが、手ごたえとしては微妙だ。
本体にそこまで強いダメージが入るとは思えない威力だな。
見た感じ、触手よりも胴体の方が硬そうではある。
そもそもの話末端神経、特に先端は神経が集中している。いわばそこが弱点のようなものである。
その弱点を突いてもこの程度のダメージなら、俺の攻撃じゃそこまで通用しない感じがする。
なら、ここでアクセルダイブで追撃するのは悪手かもしれない。
そもそもティアマトがこいつ一体だけとは限らない。
帰り道にも空気膜を消耗せざるを得ない状況に陥った時、ここで無駄に空気は消耗したくない。
やはり、本命の攻撃はフィンに任せて俺はサポートに徹しよう。
フィンへの攻撃をガードできたので、ここでアクセルダイブを解除!
俺にみなぎっていた力が抜けていく。現在の空気膜は70パーセントちょいくらいか。
「うわ、ジョー。能力使って僕を助けてくれたの。ありがとー」
「ああ。でも、そんなことよりもフィン! 本体への攻撃はお前に任せる。悔しいが、お前の方が相手に与えるダメージは上だ」
フィンはうんと頷いた。
「ジョーはどうするの?」
「能力でお前のサポートをする。俺は空気膜を消耗するが、フィンの空気膜さえ残っていれば、ここからの脱出は可能だ」
「それって僕に能力を使うなって言っている?」
フィンは少し不満そうな顔をしている。そんなに能力が使いたかったのか。
「察しが良くて助かるな」
「わかった。まあ、なんとか通常攻撃だけでがんばってみるよ」
フィンは俺の作戦に納得してくれた。ティアマトはまた触手を潰されて怒っているようである。
ティアマトは残った触手を怒り任せにぶんぶんと振り回す。
その触手が壁に命中して壁がボコォと穴が開く。
建物の壁を破壊するほどのパワー。食らえば一たまりもない威力だ。
「あはは。これはまいったね。触手を振り回されてうかつに近づけないねー」
「ああ、だが軌道は読めないことはないだろ」
「うん。動きは単純だから……見切れる!」
フィンは地面を大きく蹴った。そして水の特性を活かして大きく上方向に跳躍する。
そして、ティアマトの頭上に向かう。ティアマトはフィンの方をギョロっとした目で追う。
だが、今度はフィンは天井を蹴りティアマトの頭に向かって急加速に突進する。
「そこだー!」
フィンはティアマトの頭にトライデントを刺した。
俺のアクセルダイブほどではないにせよスピードが乗った一撃。
さらに言えばフィンのトライデントは重いのでその重さも威力に乗る。
ティアマトの傷口から緑色の液体がじんわりと海水に混ざっていく。
フィンがトライデントを引き抜くと更にその液体が出てくる。
ティアマトは暴れ回る。フィンはティアマトの頭を蹴り、そしてその反動で俺がいる方向に戻ってきた。
「よっと。ジョー。相手を追い詰めている。でも、手負いのティアマト相手に油断は禁物だよ」
「わかっている」
触手を振り回されていて近づけない。先ほどよりも動きが速くなってきている。
相手も生命の危機を感じて、必死になって普段の実力以上の力を発揮しているのかもしれない。
この触手の動きを俺なら見切るのは不可能だ。フィンならどうかはわからないけど。
でも、俺には超スピードの時間で生きられるアクセルダイブがある。
それを使えばこの触手を掻い潜るのは可能だろう。
ティアマトはじりじりとこちらに近づいてきている。
このまま待っているだけでは壁際に追い込まれて触手の餌食になるのは目に見えている。
「うーん。困った。見切れない」
「なんだ。フィンも無理だったのか」
「いや、無理じゃないよ。でも触手を掻い潜って相手に致命傷を与える余裕はさすがにないかなー。どうしても……僕にはスピードが足りない」
パワーはフィンの方が上だ。ならば……
「俺が補う! 行くぞ!」
アクセルダイブを発動!
俺は再び意識がゆったりとなる。見える。相手の触手の動きが。
亜音速の世界にいる俺にとっては、ナマケモノの動きのようにスローに見える。
「お前は……遅い!」
俺はティアマトの触手を避けながら進む。そして、フィンが開けた傷口。そこと同じ箇所を狙うように突進をする。
「これで終わりだ!」
俺はティアマトの傷口をえぐるようにトライデントをぶっ刺した!
「ああ、わかった」
こいつをただ倒せばいいってわけじゃない。
無事に地上まで帰還するためには、空気膜を残した状態で勝たなければならない。
地上までの片道分だけでなく、ドアが閉まったからそれを開けるための空気膜。
俺かフィンのどちらかが空気膜に余裕をもっていればドアは開けられる。
ここは俺が余裕を持たせておくか? だとしたら、アクセルダイブも乱発できない。
今、俺とフィンの空気膜はそれぞれマックス時の9割程度はある。
俺とフィンの空気膜の量に大差はない。どちらか片方が3割ほど残しておけばドアを開けて帰還は十分にできるはずだ。
よし。大体空気膜を残しておく量の目安はわかった。それを下回らないように立ち回らないとな。
「いくよ! とりゃああ!」
フィンがステップを踏んでティアマトに近づく。そして、ティアマトの触手の1本にトライデントをぶっ刺した。
俺が持っているトライデントよりも重量があり、威力が高い一撃。ティアマトの触手はそれで1本潰れてしまい、ティアマトがもだえ苦しみ始めた。
「よし! とりあえず、僕の攻撃は通るみたいだねー。うん、勝てる勝てる」
攻撃が通るからと言って勝てるとは限らないが、フィンにはなにか勝算があるのだろうか。
「グオオオオオオ――!」
触手を1本潰されたティアマトは暴れ出した。残った7本の触手をでたらめに伸ばしてフィンに攻撃を仕掛けてくる。
「う、うわっ……や、やば……!」
まずい。このままだとフィンに触手の攻撃が命中してしまう。
こちらの最大戦力はフィンだ。戦い慣れているフィンですらやられる相手に俺が勝てるわけがない。
ならば、フィンを助けるためにこの能力を使うしかない。
俺は意識を集中して深呼吸をする。
心を落ち着かせて、一気に駆け抜けるイメージ!
アクセルダイブ発動ッッ!!
俺はスピードの世界に突入した。発動した段階で既に空気膜を消費してしまう。
今残っている俺の空気膜は80パーセントを切ったところだろう。恐らくは77~79パーセントってところか?
そこからこの発動した状態を維持していれば猛スピードで空気膜が削られる。
だから、発動時間もできるだけ短く。有効的に使わざるを得ない。
俺は構えたトライデントを使い、そしてフィンへと伸びていく触手に向かって突進をする。
俺のトライデントはフィンのに比べたら重量がない。だから一突きの威力は弱い。
だが、それは能力で補うことができる。攻撃にスピードが乗ればその威力は何倍にも膨れ上がる。
俺の動きは加速しているけれど、意識もゾーンに突入してゆっくりと思考することができる。
動体視力も上がっているので触手の軌道も読める。
俺は触手を掻い潜り、フィンを狙っている触手に狙いを定める。
そして、俺の体を急加速する。この距離なら命中するまで1秒とかからないだろう。
だが、俺の体感時間は1分ほどある。
その間、次の作戦を考えよう。
このまま触手を撃墜して、本体を狙うべきか?
現在の俺の空気膜はおよそ73パーセント程度。まだ発動してから1秒未満しか経過していないのに既に5パーセントほど空気膜が削られてしまっている。
発動したての時は体が鳴れていないため消耗が激しい。これから消耗が緩やかになっていくとしても、長時間の使用は避けたい。
とりあえず、もうすぐ俺の攻撃が触手に命中する。
その威力を見ながら本体への追撃を考えてみよう。
俺は亜音速の速度で触手をトライデントで突いた。
一撃に重さはないけれど速さはある! 触手をなんとか潰すことに成功した。
だが、手ごたえとしては微妙だ。
本体にそこまで強いダメージが入るとは思えない威力だな。
見た感じ、触手よりも胴体の方が硬そうではある。
そもそもの話末端神経、特に先端は神経が集中している。いわばそこが弱点のようなものである。
その弱点を突いてもこの程度のダメージなら、俺の攻撃じゃそこまで通用しない感じがする。
なら、ここでアクセルダイブで追撃するのは悪手かもしれない。
そもそもティアマトがこいつ一体だけとは限らない。
帰り道にも空気膜を消耗せざるを得ない状況に陥った時、ここで無駄に空気は消耗したくない。
やはり、本命の攻撃はフィンに任せて俺はサポートに徹しよう。
フィンへの攻撃をガードできたので、ここでアクセルダイブを解除!
俺にみなぎっていた力が抜けていく。現在の空気膜は70パーセントちょいくらいか。
「うわ、ジョー。能力使って僕を助けてくれたの。ありがとー」
「ああ。でも、そんなことよりもフィン! 本体への攻撃はお前に任せる。悔しいが、お前の方が相手に与えるダメージは上だ」
フィンはうんと頷いた。
「ジョーはどうするの?」
「能力でお前のサポートをする。俺は空気膜を消耗するが、フィンの空気膜さえ残っていれば、ここからの脱出は可能だ」
「それって僕に能力を使うなって言っている?」
フィンは少し不満そうな顔をしている。そんなに能力が使いたかったのか。
「察しが良くて助かるな」
「わかった。まあ、なんとか通常攻撃だけでがんばってみるよ」
フィンは俺の作戦に納得してくれた。ティアマトはまた触手を潰されて怒っているようである。
ティアマトは残った触手を怒り任せにぶんぶんと振り回す。
その触手が壁に命中して壁がボコォと穴が開く。
建物の壁を破壊するほどのパワー。食らえば一たまりもない威力だ。
「あはは。これはまいったね。触手を振り回されてうかつに近づけないねー」
「ああ、だが軌道は読めないことはないだろ」
「うん。動きは単純だから……見切れる!」
フィンは地面を大きく蹴った。そして水の特性を活かして大きく上方向に跳躍する。
そして、ティアマトの頭上に向かう。ティアマトはフィンの方をギョロっとした目で追う。
だが、今度はフィンは天井を蹴りティアマトの頭に向かって急加速に突進する。
「そこだー!」
フィンはティアマトの頭にトライデントを刺した。
俺のアクセルダイブほどではないにせよスピードが乗った一撃。
さらに言えばフィンのトライデントは重いのでその重さも威力に乗る。
ティアマトの傷口から緑色の液体がじんわりと海水に混ざっていく。
フィンがトライデントを引き抜くと更にその液体が出てくる。
ティアマトは暴れ回る。フィンはティアマトの頭を蹴り、そしてその反動で俺がいる方向に戻ってきた。
「よっと。ジョー。相手を追い詰めている。でも、手負いのティアマト相手に油断は禁物だよ」
「わかっている」
触手を振り回されていて近づけない。先ほどよりも動きが速くなってきている。
相手も生命の危機を感じて、必死になって普段の実力以上の力を発揮しているのかもしれない。
この触手の動きを俺なら見切るのは不可能だ。フィンならどうかはわからないけど。
でも、俺には超スピードの時間で生きられるアクセルダイブがある。
それを使えばこの触手を掻い潜るのは可能だろう。
ティアマトはじりじりとこちらに近づいてきている。
このまま待っているだけでは壁際に追い込まれて触手の餌食になるのは目に見えている。
「うーん。困った。見切れない」
「なんだ。フィンも無理だったのか」
「いや、無理じゃないよ。でも触手を掻い潜って相手に致命傷を与える余裕はさすがにないかなー。どうしても……僕にはスピードが足りない」
パワーはフィンの方が上だ。ならば……
「俺が補う! 行くぞ!」
アクセルダイブを発動!
俺は再び意識がゆったりとなる。見える。相手の触手の動きが。
亜音速の世界にいる俺にとっては、ナマケモノの動きのようにスローに見える。
「お前は……遅い!」
俺はティアマトの触手を避けながら進む。そして、フィンが開けた傷口。そこと同じ箇所を狙うように突進をする。
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