セーブして掘られてロードする 〜ドスケベ淫乱勇者・ジークの冒険譚〜

卯月ひすい

文字の大きさ
12 / 91
聖騎士ロイ編

第5話 (3/3)

しおりを挟む

 ぐったりと木箱にもたれかかったまま、俺の体はずるずると崩れ落ち、裏路地の地面に沈んでいった。尻に残る余韻、熱、そしてゆるやかに広がる痺れ。

 おっさんは、荒い息を整えながら、ひとつ大きく息を吐いた。ぶらぶらとした手でシャツの裾を引っ張り、前を閉じ、ゆるくズボンを引き上げていく。

 しばらく沈黙が続いたあと――

「……兄ちゃん、金は?」

 低く掠れた声が、静けさの中に落ちた。

「いらねーよ……そういうんじゃないし……」

 俺は振り向きながら、気だるく答える。おっさんは一瞬驚いたように目を見開き、それから苦笑した。

「おいおい、まじかよ兄ちゃん。そんなエロいケツして……。
 ……また気が向いたら来てくれや」

 そう言い残して、くたびれた背中を小さくさせながら、裏路地の向こうへと消えていった。油と埃と発汗の匂いだけが、俺の身体にまとわりつく。


 脳にこびりついた快楽の余韻が、ようやく薄れてきた頃。俺はスカートの裾をぎゅっと握りしめたまま、乾いた地面をぼんやりと見つめていた。

「はー……勇者が女装して、路地裏で初対面のおっさんにヤられるとか……」

 思わず漏れた言葉は、笑いにもなりきらず、ただ空気に滲んで消える。

 背徳感の極み。
 もう“勇者の誇りを守る”みたいな意識はとっくに無くなっている。これは、ただの快楽と堕落の記録――いや、“冒険”だ。

「ロイちんぽほどの伝説感はなかったけど……
 ……かなりキたな……こりゃあ、ハマりそうだ……」

 そう呟きながら、俺は尻に手を添え、そっと穴を押し広げた。

 ぐちゅ。
 中から、さっきの濃い精液がとろりと滲み出てきた感触に、ゾクッと背筋が震える。

「……ごめんなぁ、ロイ……お前専用に育ててた穴……その辺のおっさんに寝取られちまった……」

 無意識に、ぽつりと呟いたその一言。

 ――しかし、ふと我に返った。

「……まてよ。昨日のロイとのセックスは、記録を巻き戻したから無かったことになってるわけで……」

 脳内で、妙に冷静な声が響く。

「つまり俺は実質処女だったから……寝取られじゃないじゃん」

 ……え、なにこの理論。
 でも、納得してしまっている自分がいた。

 確かに、“冒険の書”の秘術は、あらゆる出来事が“なかったことになる“。だったら、ロイとはまだ何もしていない――この尻も、純潔のままだったのだ。

「おいおい……つまり今回は、その辺のおっさんに処女捧げただけってことかよ……」

 思わず苦笑が漏れる。
 スカートの皺を手で払いながら、立ち上がった。脚ががくつくけど、尻の奥にぬるっとした温もりがまだ残っているのが、なんか……やけに心地いい。

「……なんかこう……もう一声、魂を汚すようなヤバさが欲しかったな……」

 乱れていたスカーフを一度外し、巻き直す。まだ体温が高いままだ。脚の間を風が通り抜けるたびに、妙な快感がぶり返す。

 でも、もう次を探し始めていた。

(さっさと巻き戻すのもいいが……折角だし、もう少し遊んでみるか)

 軽く体を伸ばして、裏路地から表通りへと足を向ける。
 もう、誰かに見つかっても平気だ。いや、ちょっとドキドキするけど……それもまた、興奮の材料になりつつある。

 もう俺の性癖は止められない。
 次はどんなチンポに出会えるか。どんな快感を、俺の中に刻み込めるか。

 そう思って細い路地を抜けた、その瞬間――


「……ジーク?」

 
 空気が、止まった。
 耳が、拒絶するように音を遠ざけて――だけど、はっきりと聞こえてしまった。

 この声を聞き間違うはずがない。

 俺の初恋であり、今もずっと想ってる人。あの、真面目で、優しくて、騎士団一のイケメンの――

 
「……ろっ、ロイ……?」
 

 声のしたほうを向くと、そこには本当にロイがいた。

 いつもの聖騎士の鎧を外した、清潔感ある旅装。端正な顔。見慣れた茶色の髪と、琥珀色の瞳。

「ジーク、どうしたんだこんな所で……? それに――」

 彼の瞳が、俺の足元を通って、揺れるスカートの裾へ移った。

「その、格好は……?」



 ……女装、見られた。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!

ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。 らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。 なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...