セーブして掘られてロードする 〜ドスケベ淫乱勇者・ジークの冒険譚〜

卯月ひすい

文字の大きさ
23 / 91
聖騎士ロイ編

第10話 (2/4)

しおりを挟む

 宿の部屋に戻っても、俺は戸惑っていた。

 部屋に一人きりにしていいものか。イリアに相談すべきか。だが、ジークはそんなこと望まないだろう。他人に知られるのはきっと辛いはずだ。

 俺にできることは何もない――そう思いながら、部屋の扉に手をかけたときだった。

「ロイ……待って……」

 静かな声が、背中を引き留めた。

「そばに、いてほしい……」

 か細く震える声と、潤んだ瞳。
 こんなジークは、見たことがなかった。


 そうだ。今、俺がすべきことは、ジークの望みに応えることだけ。

 分かった、と頷いて、ベッドの縁に腰を下ろす。ジークの隣に並んで座ると、彼の身体がそっと寄り添ってくる。あたたかな体温が伝わってきて、思わず呼吸が浅くなり、心拍が速まった。

 さらに、彼の手が重なる。細い指が、俺の手に絡んできた。

「……ロイ、抱きしめてくれないか……?」

 その声に、心が軋んだ。

 何度も抱きしめたいと願いながら、何度も踏みとどまったその手を、今、ジークが自ら求めてくれている。

 それがたとえ一時の慰めでも――たとえ偽物でも、俺には十分だった。

 俺は頷いて、ジークを抱きしめた。

 柔らかい黒髪が頬をかすめる。香りを吸い込みそうになるのを堪え、息を詰める。

 そのとき、ジークの手が、そっと俺の背へ回された。だが、かすかに――ほんのわずかに、その指が震えているのに気づく。

(……怖かったんだな)

 そう思った瞬間、胸が締めつけられた。

 ジークは、何も言わない。泣きも叫びもしない。でも、その手が、震えている。身体が、こわばっている。

 だから俺は、より強く、ぎゅっと彼を抱きしめた。大丈夫だと、言葉にせずに伝えるように。

(守ると誓った……何があっても……)


 爆音を鳴らす心臓をなんとかやり過ごしていたとき――ジークがふと、俺の胸から顔をあげた。

「ロイ……あの……こんなこと……ロイにしか頼めなくて……」

 間近で、見つめられながら、そっと囁かれる。

 その声が、優しさが、全部俺を殺しにくる。

「……お尻の穴、なんだか変な感じで……
 裂けたりしてないか……見てくれないかな……?」


 ――えっ?


 思考が一瞬で蒸発する。
 一瞬、耳を疑った。

 裂けてないか――って、それって……

 体を触られたくらいだと思っていた。
 まさか、挿れられてた? 本当に、あのジークが――“中まで”?

 目の奥がぐらりと揺れる。
 息が詰まる。吐き気すらした。

 思考がまとまらない。

 それでも――

「……お、お前が……そう言うなら……」

 口が勝手に返事をしていた。

 どうすればいいか分からない。
 だが、ジークが俺を信じてくれたのなら――その願いに、応えるしかなかった。

 たとえ、その先に待つものが、どれだけ罪深い行為でも。俺はもう、ジークの手を振りほどけなかった。

(ジークのためなら、俺は何だってやる。そう決めた)

 自分自身に、そう言い聞かせながら。
 震える指で、彼の下着へと手を伸ばしていた。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

できる執事はご主人様とヤれる執事でもある

ミクリ21 (新)
BL
執事×ご主人様。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...