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第3話
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「みなさーん、おはようございまーす。
今日から個室になりましたので、少し長く話してもご迷惑にならなくなりました。
でも、誰もいない、人の咳払いも聞こえないのはちょっと寂しい気もします。
長く入院していますと、いろんなことを考えてしまいます。
両親に、入院や手術でお金を負担させてしまったり、忙しい先生やナースのみなさん、薬剤師さんなど、様々な医療スタッフのみなさんには大変なご迷惑をかけてしまっています。
たまーに、たまにですよ、「早く死んでラクになりたい、みんなをラクにしてあげたい」とも考えることもあります。
ボクは弱虫だから。
でもその反面。「生きたい、死にたくない」とも思ったりもします。
この動画を見て下さっている人の中で、「生きるのを諦めようかなあ」という方もおいでになるかもしれません。
ボクはその気持ち、想いを尊重したいと思います。
なぜなら、死ぬより辛いことなんて、この世にはたくさんあるからです。
ですから止めません。
どうせいつかは死んじゃいますから。
死は皆さんに平等なんです。一人の例外もなく。
3歳ではかわいそうですか? では100歳ならいいんですか?
でも、もしも、もしもその命、捨てちゃうなら、ボクに下さい。
その命、その健康な時間を、自由を。
お金は使わなければ残りますが、時間は使わなくても消えて行きます。砂時計のようにサラサラと。
どんなお金持ちでも王様でも、アメリカ大統領ですら止められません。
この病室の窓からは桜の木が見えます。
どんな花が咲くのか、今からワクワクしています。
今日、関東では夕方から広く、雨が降るようです。
傘をお忘れなく。いってらっしゃーい。
チャンネル登録、よろしくお願いしまーす」
日を追うごとに衰弱していく秀樹に、出来ることなら「この命、あげてもいいよ」と、つい考えてしまう。
生きる気力がない俺と、生きたいと願う秀樹。
つくづく人生とは、「出口のないトンネル」を行くようなものだと思う。
太陽の光が届かぬ闇。
自分が光らなければ足元が見えない。
自分が照らさなければ、一緒に歩く人たちを照らすことも出来ない。
自分から光を出さなければならない
自分が輝かないとダメなんだ
そんなことわかっている。
でも、動けない。
光を出せない。俺だって本当は光りたい、輝きたいんだ。
ここから抜け出したい。
光の届かない深海の魚のように、俺も光りたい。
みんな親父のせいだ。親父さえしっかりしていれば俺は光っていれるのに! クソッ!
俺は再び、ネットゲームの世界に逃げ込んだ。
今日から個室になりましたので、少し長く話してもご迷惑にならなくなりました。
でも、誰もいない、人の咳払いも聞こえないのはちょっと寂しい気もします。
長く入院していますと、いろんなことを考えてしまいます。
両親に、入院や手術でお金を負担させてしまったり、忙しい先生やナースのみなさん、薬剤師さんなど、様々な医療スタッフのみなさんには大変なご迷惑をかけてしまっています。
たまーに、たまにですよ、「早く死んでラクになりたい、みんなをラクにしてあげたい」とも考えることもあります。
ボクは弱虫だから。
でもその反面。「生きたい、死にたくない」とも思ったりもします。
この動画を見て下さっている人の中で、「生きるのを諦めようかなあ」という方もおいでになるかもしれません。
ボクはその気持ち、想いを尊重したいと思います。
なぜなら、死ぬより辛いことなんて、この世にはたくさんあるからです。
ですから止めません。
どうせいつかは死んじゃいますから。
死は皆さんに平等なんです。一人の例外もなく。
3歳ではかわいそうですか? では100歳ならいいんですか?
でも、もしも、もしもその命、捨てちゃうなら、ボクに下さい。
その命、その健康な時間を、自由を。
お金は使わなければ残りますが、時間は使わなくても消えて行きます。砂時計のようにサラサラと。
どんなお金持ちでも王様でも、アメリカ大統領ですら止められません。
この病室の窓からは桜の木が見えます。
どんな花が咲くのか、今からワクワクしています。
今日、関東では夕方から広く、雨が降るようです。
傘をお忘れなく。いってらっしゃーい。
チャンネル登録、よろしくお願いしまーす」
日を追うごとに衰弱していく秀樹に、出来ることなら「この命、あげてもいいよ」と、つい考えてしまう。
生きる気力がない俺と、生きたいと願う秀樹。
つくづく人生とは、「出口のないトンネル」を行くようなものだと思う。
太陽の光が届かぬ闇。
自分が光らなければ足元が見えない。
自分が照らさなければ、一緒に歩く人たちを照らすことも出来ない。
自分から光を出さなければならない
自分が輝かないとダメなんだ
そんなことわかっている。
でも、動けない。
光を出せない。俺だって本当は光りたい、輝きたいんだ。
ここから抜け出したい。
光の届かない深海の魚のように、俺も光りたい。
みんな親父のせいだ。親父さえしっかりしていれば俺は光っていれるのに! クソッ!
俺は再び、ネットゲームの世界に逃げ込んだ。
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