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第五章
罠
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確かな情報の他に飛び交うもの。
「噂」
噂は妄想や憶測を広げる。
サラは自殺ではなく他殺によってなくなった。
犯人は誰だ。
小さな街の片隅で生まれたこの「噂」。
人から人へ。街から街へ。
その噂の中心となる人物は「二人の刑事」だった。
「あなた、大丈夫?」
暖かい紅茶とクッキーを持ってデーラがやって来た。
ミライとマルは映像に映っている男性の解析が結果を出すまで自宅で待機する様に言われていた。
「心配かけてすまない。」
ミライは紅茶を一口飲む。
視点を変えた予知映像が映し出されるまで後1時間程だ。
その映像で何らかの情報が得られるはず。
世間ではサラを殺した犯人は警察の二人ではないのかと言う噂が広まり警察署の周りもマスコミの人だかりが出来ていた。
ハンカチで汗をぬぐいながらクノ署長が対応している。
「ピルルル・・・ピルルル」
ミライの電話がなる。
「ミライ刑事!逃げてください!これは誰かの陰謀です!」
「黙れ!静かにしろ!」
電話はシズドンの声だ。
他にも男の声が聞こえる。
「ツー」
謎の男の声が聞こえると電話は切れた。
「どうかしたの?」
「いや、何かあったらしい。署に行って来る。」
ミライはデーラに紅茶を渡し立ち上がった。
「ガシャン!シューーーー」
部屋のどこかの窓が割れた音がした。
一瞬で部屋が煙で何も見えなくなった。
次の瞬間ミライの体に電流が流れ、目の前が真っ暗になる。
時間がどれほど経ったのか、ぼんやりとした景色が見えて来た。
「観念しろミライ。お前もう終わりだぞ。」
そう目覚めたミライを起こし上げたのは、同じ犯罪課のニキービ刑事だった。
「ニキービ。どうしてお前が」
「とぼけるなミライ。お前なら俺がここにいる理由くらい分かるだろ?」
ニキービ刑事はミライの髪の毛を鷲掴みにしてミライの顔に時空警察のバッジを押し当てた。
時空警察がバッジを見せる時、対象となった人間は「被害者」もしくは「加害者」となる。
そして拘束中で身動きが取れないこの状況。
「そんな筈はない!俺が誰を殺すと言うんだ!」
「いい加減にしろミライ。犯行予知をした未来の映像は12時間後の5分だ。今お前と一緒にいるのは誰だ。」
ミライは目をパチパチとしながら周りを見渡した。
そこには、茫然と座り込むデーラの姿があった。
「まさか・・・」
(そんな事がある訳がない。ましてや殺意など。)
「映像だ・・映像を見せろ。シズドンに連絡しろ!」
「あいつもだよ。あいつもお前と一緒で今ごろジタバタしてる頃だ。」
ニキービ刑事はそう言うとポケットからモニターを取り出しミライに見せた。
「ミライ刑事。これは何かの間違いです。あなたがサラさんを殺すなんて僕は信じません!」
モニターの向こうで拘束されたシズドンが話している。
「シズドン・・何を言ってるんだ」
「マル刑事に言われていたサラさんを殺した犯人の解析を進めていたんです。
そしてそこに映された犯人の顔が・・・ミライ刑事だったんです。
しかし、情報が無い事や犯行に及ぶ動機や失われた時間を考えると、ミライさんが殺したとは思えず誰かの」
と、言いかけるとニキービ刑事は通信を切った。
「こいつはなミライ。お前が犯人じゃないと思い、予知システムで映し出されたデーラ殺害映像を隠蔽しようとしてたんだ。
それに証拠だってあるんだぞ?サラの部屋を操作してたらなこの鉄の置物にお前の指紋がベッタリ付いてたんだよ!」
「嘘だ・・マル・・マルはどこだ。あいつが証人になる筈だ。」
「マルの野郎」
ニキービ刑事は舌打ちをする。
「あいつガタイのくせにすばしっこい奴だ。どこに行ったのやら」
マルはシズドンの連絡を受け一早く身を隠したのだ。
「まぁ世界中どこに隠れても時空警察から逃げられる訳もないんだがね」
ニキービ刑事はそう言うとミライの腰を持ち立ち上がらせた。
その時だった。
「うっ!うぐっ!」
茫然としていたデーラが突然自分の喉を抑え苦しみ出した。
「デーラ!どうしたデーラ!」
「ぐる・・じぃ・・ガクッ」
「デーラ!」
ミライがニキービ刑事の手を振り解きデーラの元に駆け寄る。
「離れろミライ!おい!救急車!」
デーラは意識を失い動かなくなっていた。
「デーラ!デーーーーーラーーーーーッ!!!」
「噂」
噂は妄想や憶測を広げる。
サラは自殺ではなく他殺によってなくなった。
犯人は誰だ。
小さな街の片隅で生まれたこの「噂」。
人から人へ。街から街へ。
その噂の中心となる人物は「二人の刑事」だった。
「あなた、大丈夫?」
暖かい紅茶とクッキーを持ってデーラがやって来た。
ミライとマルは映像に映っている男性の解析が結果を出すまで自宅で待機する様に言われていた。
「心配かけてすまない。」
ミライは紅茶を一口飲む。
視点を変えた予知映像が映し出されるまで後1時間程だ。
その映像で何らかの情報が得られるはず。
世間ではサラを殺した犯人は警察の二人ではないのかと言う噂が広まり警察署の周りもマスコミの人だかりが出来ていた。
ハンカチで汗をぬぐいながらクノ署長が対応している。
「ピルルル・・・ピルルル」
ミライの電話がなる。
「ミライ刑事!逃げてください!これは誰かの陰謀です!」
「黙れ!静かにしろ!」
電話はシズドンの声だ。
他にも男の声が聞こえる。
「ツー」
謎の男の声が聞こえると電話は切れた。
「どうかしたの?」
「いや、何かあったらしい。署に行って来る。」
ミライはデーラに紅茶を渡し立ち上がった。
「ガシャン!シューーーー」
部屋のどこかの窓が割れた音がした。
一瞬で部屋が煙で何も見えなくなった。
次の瞬間ミライの体に電流が流れ、目の前が真っ暗になる。
時間がどれほど経ったのか、ぼんやりとした景色が見えて来た。
「観念しろミライ。お前もう終わりだぞ。」
そう目覚めたミライを起こし上げたのは、同じ犯罪課のニキービ刑事だった。
「ニキービ。どうしてお前が」
「とぼけるなミライ。お前なら俺がここにいる理由くらい分かるだろ?」
ニキービ刑事はミライの髪の毛を鷲掴みにしてミライの顔に時空警察のバッジを押し当てた。
時空警察がバッジを見せる時、対象となった人間は「被害者」もしくは「加害者」となる。
そして拘束中で身動きが取れないこの状況。
「そんな筈はない!俺が誰を殺すと言うんだ!」
「いい加減にしろミライ。犯行予知をした未来の映像は12時間後の5分だ。今お前と一緒にいるのは誰だ。」
ミライは目をパチパチとしながら周りを見渡した。
そこには、茫然と座り込むデーラの姿があった。
「まさか・・・」
(そんな事がある訳がない。ましてや殺意など。)
「映像だ・・映像を見せろ。シズドンに連絡しろ!」
「あいつもだよ。あいつもお前と一緒で今ごろジタバタしてる頃だ。」
ニキービ刑事はそう言うとポケットからモニターを取り出しミライに見せた。
「ミライ刑事。これは何かの間違いです。あなたがサラさんを殺すなんて僕は信じません!」
モニターの向こうで拘束されたシズドンが話している。
「シズドン・・何を言ってるんだ」
「マル刑事に言われていたサラさんを殺した犯人の解析を進めていたんです。
そしてそこに映された犯人の顔が・・・ミライ刑事だったんです。
しかし、情報が無い事や犯行に及ぶ動機や失われた時間を考えると、ミライさんが殺したとは思えず誰かの」
と、言いかけるとニキービ刑事は通信を切った。
「こいつはなミライ。お前が犯人じゃないと思い、予知システムで映し出されたデーラ殺害映像を隠蔽しようとしてたんだ。
それに証拠だってあるんだぞ?サラの部屋を操作してたらなこの鉄の置物にお前の指紋がベッタリ付いてたんだよ!」
「嘘だ・・マル・・マルはどこだ。あいつが証人になる筈だ。」
「マルの野郎」
ニキービ刑事は舌打ちをする。
「あいつガタイのくせにすばしっこい奴だ。どこに行ったのやら」
マルはシズドンの連絡を受け一早く身を隠したのだ。
「まぁ世界中どこに隠れても時空警察から逃げられる訳もないんだがね」
ニキービ刑事はそう言うとミライの腰を持ち立ち上がらせた。
その時だった。
「うっ!うぐっ!」
茫然としていたデーラが突然自分の喉を抑え苦しみ出した。
「デーラ!どうしたデーラ!」
「ぐる・・じぃ・・ガクッ」
「デーラ!」
ミライがニキービ刑事の手を振り解きデーラの元に駆け寄る。
「離れろミライ!おい!救急車!」
デーラは意識を失い動かなくなっていた。
「デーラ!デーーーーーラーーーーーッ!!!」
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