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手と手を取り合うキツネとタヌキ
第四十一話 目には目を
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窓の外に飛び出したローイックは右手で必死に縄を掴んでいた。足元には気持ち悪い浮遊感。一瞬だけ浮き上がった体は急速に地面に吸い寄せられていく。
「うわわわ!」
カッコつけて飛び出したはいいが、ローイックの体は空中でバランスを崩していた。完全に真横になってしまっていたのだ。
反射的に右手に掴んだ縄を体に手繰り寄せると、ガクンと体が引かれ、窓に触れた部分を支点とした振り子のような動きで建物に投げ出された。右手の縄が食い込み、今にも切れそうな痛みを与えてくるが、放すわけにはいかない。耐える代わりに声を張り上げる。
「うわぁぁ、こんなの想定がぁぁぃぃ!」
ローイックはベチンと情けない音を立て屋敷の壁に背中から貼り付いた。そして窓の部分に縄には、割れたガラスの破片がノコギリの歯の様に喰いこんでおり、今にもちぎれそうである。そして無情にも縄はちぎれるのだ。
「こ、これも想定外!」
ローイックは熟れた果実が地面に落ちるが如く、足から地面へと落下した。足から尻、背中と満遍なくぶつけて、ローイックは呻き声を上げ、力なく地面を転がっていた。
「いててて」
「ローイック!」
落下してきた人物をローイックと認め、慌てて駆け寄ったのは白い騎士服に身を包んだキャスリーンだった。仰向けに転がるローイックの脇にしゃがみ込み、首の後ろに手を差し入れ抱き起こしてくる。
「大丈夫?」
眉を下げ、半分泣きそうな顔でローイックの顔を覗き込んでくる。ローイックは体中が色々と痛むがキャスリーンの前では苦笑いでも笑顔を誇示するのだ。声を震わせながらも「大丈夫、予定通りです」と強がると、ホッとしたのかキャスリーンが目を細めた。
キャスリーンに抱き寄せられ、グイッと体を上に引かれ、ローイックは半ば強引に立たされる。
「顔、大丈夫、肩、大丈夫、胸、腰、足……」
真剣な顔をしたキャスリーンがローイックの体を手で触れ確かめながら怪我の具合を調べていく。ローイックは苦笑いを浮かべ、されるがままに彼女の顔を眺めている。怪我がまだ治っていない状況でする無茶だから心配してくれているのだろうと思うと嬉しくなるが、キャスリーンの後方には彼女の護衛の第三騎士団の騎士が複数控えている。ローイックが顔を緩ませれば、ニヤついて覗いてきている彼女達にさらなる燃料を追加するだけだ。背筋を伸ばし、ぐっと堪えた。
「よし、異常なし! ローイック、急いで」
そう言うとキャスリーンは左手を差し出してきた。ローイックは差し出されたその手を、右手でしっかりと握る。並んだ二人は見つめ合い、そして微笑む。
ローイックの胸は暖かいモノで満たされていくが、恐らくそれはキャスリーンも一緒なのだろう。彼女の微笑みは、嬉しさが溢れているようにローイックには見えるのだ。
「行きましょう」
「うん!」
ローイックとキャスリーンは同時に頷き合い、手を繋いだまま、走り出した。
ローイックが落ちたのは屋敷の裏手だった。これは、逃げたところが表では捕まってしまう、という建築時の脱出方法の思想からだ。夕日も差さず薄暗いなか、草を踏みながら二人が手を繋ぎ走っていると、屋敷の中から、微かだが金属同士が当たる音が聞こえてくる。戦闘が始まったらしい。
「ハーヴィーは?」
「ミーティアが向かってる」
「手筈通り、ですね」
走りながら、ローイックとキャスリーンは確認し合う。だが運動不足のローイックの息が上がり始めていた。
「ローイックと手を繋いでかけっこするなんて、久しぶりね」
「そ、そう、です、ね!」
嬉しそうに話すキャスリーンとは対照的にローイックはいっぱいいっぱいだ。額に凄い汗をかいて走っている。そんなローイックをキャスリーンがじっと見つめてきていた。
「……腕が治ったら、少し鍛えてあげるわよ」
ニコリと微笑むキャスリーンの目は、笑ってはいない。本気なのだろう。
お手柔らかに、と願わずにはいられないローイックであった。
ハーヴィーが案内された応接室でソファーに座り控えていた最中、剣を携えた身なりのよろしくないゴロツキのような男達が、扉をノックもせずに入ってきた。その様子を見てハーヴィーがホッと息をつく。
「遅かったじゃねぇか。来ないのかと思ったぜ」
腰に下げた剣の柄に手を当て、ハーヴィーが立ち上がった。その足元には、両手両足を縛られ猿轡までされた二人の女性が転がっている。濃いめの化粧を施し、胸元を大きく開け、胸の谷間を強調するようなワンピース姿の女性だ。ハーヴィーを誘惑するべくあてがわれた女達だったが、企みを知らされていたが為にあっけなく縛られていた。
その準備万端のハーヴィーを見たゴロツキは、一瞬怯んだ。ハーヴィーはニヤリと口角を挙げると、腰の両脇にある剣の柄を逆手に持ち、同時に鞘から抜く。シュッと小気味よい音を奏で、無骨な剣は鞘から姿を現した。刃渡り六十センチほどの剣で長剣程の長さは無いが、あらゆる状況下で戦えるような実用面に振り切った取り回しの良い剣だ。ハーヴィーはすぐさま掌の中で柄の回転させ、剣を逆手から正式な持ち方へと変え、凄みのある笑みを浮かべた。
ハーヴィーの動作にゴロツキ共は剣を抜き、構える。あるものはテーブルを蹴り飛ばし、スペースを確保していた。
「一人しかいねえで何ができる!」
「試してみるか?」
ハーヴィーが一歩を踏み出すと、いびれを切らしたのかゴロツキの一人が剣を振りかざしてきた。
「はっ!」
ハーヴィーは襲い来る剣に合わせ武骨な剣を振るった。鈍い金属を立て剣同士が衝突すると、相手のゴロツキは剣を落とし腕を押さえ、蹲る。ハーヴィーの馬鹿力が宿った剣に打ち負け、衝撃で腕が痺れたのだ。すかさずハーヴィーが無防備な腹を蹴り上げると、そのゴロツキは泡を吹いて床に転がった。ハーヴィーは一瞥して残りのゴロツキに鋭い視線を送る。
「ちっ、話にもならねぇ。残りは三人か」
両腕をだらりと下げたハーヴィーは、ニヤリと笑いながら、ゆっくりと近づいた。完全に見下している。
「く、くそっ、こっちの方が数は多いんだ。囲め!」
「甘い」
一番近い男に一歩で詰めたハーヴィーは、ゴロツキが悲鳴を上げ翳した剣を右の剣で脇から叩き折った。やはり腕の痛みに呻くゴロツキをハーヴィーは膝で蹴り上げ、壁に激突させる。壁を崩れ落ちるゴロツキを確認せずにハーヴィーは次の獲物に襲い掛かった。
「ひ、ひぃぃ!」
情けなくも部屋から逃げ出そうとしたゴロツキを、扉の向こうからスカートをはためかせ蹴り上げる姿がハーヴィーの目に入った。首にハイキックを喰らった男は呻き声を上げ、人形のように力なく床に崩れてしまう。開けた視界には、両の拳に物騒な金属製のナックルをはめたミーティアが拳闘の構えで立っていた。
「な……約束が……ちげぇじゃ……ね」
ハーヴィーは剣を持ったままの拳で男の腹を殴っていた。そのゴロツキは意識を失いハーヴィーに寄りかかるように倒れる。こいつが最後の男だ。
ゴロツキ四人は、全て床に這いつくばり、意識を失っている。それを確認すると、ハーヴィーは視線を部屋の入り口にいるであろうミーティアに向け、そして絶句した。
「……その、格好は……」
ミーティアは満面の笑顔だが、黒のお仕着せのまま腕にはナックルという、武闘派侍女の姿だったのだ。
床の転がる男と女一瞥し、ふぅと息を吐いたミーティアが駆け寄ってくるが、ハーヴィーは唖然としたままだった。
「ハーヴィー!」
「いや、俺は何ともないが。ミーティアこそ怪我は?」
「ふふ、ありませんよ」
ミーティアはじろじろととハーヴィーの体をくまなくチェックし始める。何もないことを確認したミーティアがそのままハーヴィーに抱きつき、ナックルをはめた腕を背中に回してくる。ハーヴィーは慌てて剣を頭上に持ち上げた。
「ちょ、あぶねぇ」
「はぁ、無事でよかった」
ハーヴィーはちょうど胸元にある、ぐりぐりと擦り付けてくるミーティアの黒い頭を見下ろした。ハーヴィーは、これしきの事でやられるような腕ではないとミーティアには口酸っぱく話をしていた。だからミーティアの言う無事とはどんな意味なのか、ハーヴィーは測りかねていた。
廊下からは男の太く短い悲鳴と、女性の威勢のいい声が聞こえてくる。手筈通り第三騎士団の騎士達が突入してきたのだろう。部屋の入り口には、ミーティアと同じく、黒いお仕着せで物騒なナックルをはめた侍女の姿があった。皇女の侍女たるもの、文武に優れていなければならないのだ。
「うわわわ!」
カッコつけて飛び出したはいいが、ローイックの体は空中でバランスを崩していた。完全に真横になってしまっていたのだ。
反射的に右手に掴んだ縄を体に手繰り寄せると、ガクンと体が引かれ、窓に触れた部分を支点とした振り子のような動きで建物に投げ出された。右手の縄が食い込み、今にも切れそうな痛みを与えてくるが、放すわけにはいかない。耐える代わりに声を張り上げる。
「うわぁぁ、こんなの想定がぁぁぃぃ!」
ローイックはベチンと情けない音を立て屋敷の壁に背中から貼り付いた。そして窓の部分に縄には、割れたガラスの破片がノコギリの歯の様に喰いこんでおり、今にもちぎれそうである。そして無情にも縄はちぎれるのだ。
「こ、これも想定外!」
ローイックは熟れた果実が地面に落ちるが如く、足から地面へと落下した。足から尻、背中と満遍なくぶつけて、ローイックは呻き声を上げ、力なく地面を転がっていた。
「いててて」
「ローイック!」
落下してきた人物をローイックと認め、慌てて駆け寄ったのは白い騎士服に身を包んだキャスリーンだった。仰向けに転がるローイックの脇にしゃがみ込み、首の後ろに手を差し入れ抱き起こしてくる。
「大丈夫?」
眉を下げ、半分泣きそうな顔でローイックの顔を覗き込んでくる。ローイックは体中が色々と痛むがキャスリーンの前では苦笑いでも笑顔を誇示するのだ。声を震わせながらも「大丈夫、予定通りです」と強がると、ホッとしたのかキャスリーンが目を細めた。
キャスリーンに抱き寄せられ、グイッと体を上に引かれ、ローイックは半ば強引に立たされる。
「顔、大丈夫、肩、大丈夫、胸、腰、足……」
真剣な顔をしたキャスリーンがローイックの体を手で触れ確かめながら怪我の具合を調べていく。ローイックは苦笑いを浮かべ、されるがままに彼女の顔を眺めている。怪我がまだ治っていない状況でする無茶だから心配してくれているのだろうと思うと嬉しくなるが、キャスリーンの後方には彼女の護衛の第三騎士団の騎士が複数控えている。ローイックが顔を緩ませれば、ニヤついて覗いてきている彼女達にさらなる燃料を追加するだけだ。背筋を伸ばし、ぐっと堪えた。
「よし、異常なし! ローイック、急いで」
そう言うとキャスリーンは左手を差し出してきた。ローイックは差し出されたその手を、右手でしっかりと握る。並んだ二人は見つめ合い、そして微笑む。
ローイックの胸は暖かいモノで満たされていくが、恐らくそれはキャスリーンも一緒なのだろう。彼女の微笑みは、嬉しさが溢れているようにローイックには見えるのだ。
「行きましょう」
「うん!」
ローイックとキャスリーンは同時に頷き合い、手を繋いだまま、走り出した。
ローイックが落ちたのは屋敷の裏手だった。これは、逃げたところが表では捕まってしまう、という建築時の脱出方法の思想からだ。夕日も差さず薄暗いなか、草を踏みながら二人が手を繋ぎ走っていると、屋敷の中から、微かだが金属同士が当たる音が聞こえてくる。戦闘が始まったらしい。
「ハーヴィーは?」
「ミーティアが向かってる」
「手筈通り、ですね」
走りながら、ローイックとキャスリーンは確認し合う。だが運動不足のローイックの息が上がり始めていた。
「ローイックと手を繋いでかけっこするなんて、久しぶりね」
「そ、そう、です、ね!」
嬉しそうに話すキャスリーンとは対照的にローイックはいっぱいいっぱいだ。額に凄い汗をかいて走っている。そんなローイックをキャスリーンがじっと見つめてきていた。
「……腕が治ったら、少し鍛えてあげるわよ」
ニコリと微笑むキャスリーンの目は、笑ってはいない。本気なのだろう。
お手柔らかに、と願わずにはいられないローイックであった。
ハーヴィーが案内された応接室でソファーに座り控えていた最中、剣を携えた身なりのよろしくないゴロツキのような男達が、扉をノックもせずに入ってきた。その様子を見てハーヴィーがホッと息をつく。
「遅かったじゃねぇか。来ないのかと思ったぜ」
腰に下げた剣の柄に手を当て、ハーヴィーが立ち上がった。その足元には、両手両足を縛られ猿轡までされた二人の女性が転がっている。濃いめの化粧を施し、胸元を大きく開け、胸の谷間を強調するようなワンピース姿の女性だ。ハーヴィーを誘惑するべくあてがわれた女達だったが、企みを知らされていたが為にあっけなく縛られていた。
その準備万端のハーヴィーを見たゴロツキは、一瞬怯んだ。ハーヴィーはニヤリと口角を挙げると、腰の両脇にある剣の柄を逆手に持ち、同時に鞘から抜く。シュッと小気味よい音を奏で、無骨な剣は鞘から姿を現した。刃渡り六十センチほどの剣で長剣程の長さは無いが、あらゆる状況下で戦えるような実用面に振り切った取り回しの良い剣だ。ハーヴィーはすぐさま掌の中で柄の回転させ、剣を逆手から正式な持ち方へと変え、凄みのある笑みを浮かべた。
ハーヴィーの動作にゴロツキ共は剣を抜き、構える。あるものはテーブルを蹴り飛ばし、スペースを確保していた。
「一人しかいねえで何ができる!」
「試してみるか?」
ハーヴィーが一歩を踏み出すと、いびれを切らしたのかゴロツキの一人が剣を振りかざしてきた。
「はっ!」
ハーヴィーは襲い来る剣に合わせ武骨な剣を振るった。鈍い金属を立て剣同士が衝突すると、相手のゴロツキは剣を落とし腕を押さえ、蹲る。ハーヴィーの馬鹿力が宿った剣に打ち負け、衝撃で腕が痺れたのだ。すかさずハーヴィーが無防備な腹を蹴り上げると、そのゴロツキは泡を吹いて床に転がった。ハーヴィーは一瞥して残りのゴロツキに鋭い視線を送る。
「ちっ、話にもならねぇ。残りは三人か」
両腕をだらりと下げたハーヴィーは、ニヤリと笑いながら、ゆっくりと近づいた。完全に見下している。
「く、くそっ、こっちの方が数は多いんだ。囲め!」
「甘い」
一番近い男に一歩で詰めたハーヴィーは、ゴロツキが悲鳴を上げ翳した剣を右の剣で脇から叩き折った。やはり腕の痛みに呻くゴロツキをハーヴィーは膝で蹴り上げ、壁に激突させる。壁を崩れ落ちるゴロツキを確認せずにハーヴィーは次の獲物に襲い掛かった。
「ひ、ひぃぃ!」
情けなくも部屋から逃げ出そうとしたゴロツキを、扉の向こうからスカートをはためかせ蹴り上げる姿がハーヴィーの目に入った。首にハイキックを喰らった男は呻き声を上げ、人形のように力なく床に崩れてしまう。開けた視界には、両の拳に物騒な金属製のナックルをはめたミーティアが拳闘の構えで立っていた。
「な……約束が……ちげぇじゃ……ね」
ハーヴィーは剣を持ったままの拳で男の腹を殴っていた。そのゴロツキは意識を失いハーヴィーに寄りかかるように倒れる。こいつが最後の男だ。
ゴロツキ四人は、全て床に這いつくばり、意識を失っている。それを確認すると、ハーヴィーは視線を部屋の入り口にいるであろうミーティアに向け、そして絶句した。
「……その、格好は……」
ミーティアは満面の笑顔だが、黒のお仕着せのまま腕にはナックルという、武闘派侍女の姿だったのだ。
床の転がる男と女一瞥し、ふぅと息を吐いたミーティアが駆け寄ってくるが、ハーヴィーは唖然としたままだった。
「ハーヴィー!」
「いや、俺は何ともないが。ミーティアこそ怪我は?」
「ふふ、ありませんよ」
ミーティアはじろじろととハーヴィーの体をくまなくチェックし始める。何もないことを確認したミーティアがそのままハーヴィーに抱きつき、ナックルをはめた腕を背中に回してくる。ハーヴィーは慌てて剣を頭上に持ち上げた。
「ちょ、あぶねぇ」
「はぁ、無事でよかった」
ハーヴィーはちょうど胸元にある、ぐりぐりと擦り付けてくるミーティアの黒い頭を見下ろした。ハーヴィーは、これしきの事でやられるような腕ではないとミーティアには口酸っぱく話をしていた。だからミーティアの言う無事とはどんな意味なのか、ハーヴィーは測りかねていた。
廊下からは男の太く短い悲鳴と、女性の威勢のいい声が聞こえてくる。手筈通り第三騎士団の騎士達が突入してきたのだろう。部屋の入り口には、ミーティアと同じく、黒いお仕着せで物騒なナックルをはめた侍女の姿があった。皇女の侍女たるもの、文武に優れていなければならないのだ。
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