迷子になって異世界へ行きました

kenzo

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冒険者に私はなる!!

遥かなる家路

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ギャッギャ!
「てい!」ボンッ!
ガウガウ!
「やー!」グシャッ
ギャッギャ、ガウガウ!
「たー!」「わー!」

あれからどれだけ歩いたのだろう!
1時間だろうか、2時間だろうか?
もう時間の感覚が無くなって来ちゃった。
空は明るいからまだ日は落ちてない筈ね。
それにしても、何でこんなにゴブリンとか狼が次々に出てくるの?
もうすっかり戦い慣れちゃったじゃないの!今では歩みを止めること無く屠っているわよ!
そう言えば冷静になって思い出したんだけど狼って確か『グレーウルフ』だったわね。ギルドで貰った小冊子の付録魔物図鑑に載っていたわ。
全く一体私は此処まで何体の魔物を倒したのだろう。
多分100は越えてるわよね!
背中のリュックの中が魔石で一杯になって来てるわ。
本当はグレーウルフも持ち帰りたかったんだけど流石に担いで歩くのもね。
これも小冊子に載っていた魔物の買取内容。昨晩に確り読んでおいて良かった。
一つ一つは高く無いけど塵も積もればって言うしね!貧乏な今の私には大助かりだわ。


あれ?少し先、森が途切れてる?
出れた?遂に脱出成功のしたの?
小走りに先を急ぐ!・・・
あれ?違う?森を出たんじゃ無くて、開けた空間がある。でもそこには・・・
グキャーー!「てい!」ボンッ!
「え?家?集落?」
ギャー!ギョギャー!ガギャー!
「えい!」「やー!」「とー!」
バンッ!ボンッ!ドン!
「集落にしては家の数が少ないわね、それに家がボロいと言うより雑って感じ」
ビュッ!チクリ、ポト。
「イテ?!」
あれ?矢?何処から?
ビュッ、ビュッ、ビュッ!
チク、チク、チク、ポト、ポト、ポト。
え?何処?・・・あ!アレ?!
なんとゴブリンが弓を構えている。
アレがゴブリンアーチャーね!
良くもやってくれたわね!
目には目を!矢には矢よ!
落ちている矢を拾い此方を狙っているゴブリン達に矢を投げる。
ドス、ドス、ドス!「「「ギャーー」」」 
「この家の周りってゴブリンだらけじゃない!大丈夫なの、住民は?」
何だか心配になって来た!兎に角家に行って見ましょう。

「「「「ギャッギャ!」」」」
なんと、家の敷地内にはゴブリンがわんさかといた。
一体何匹居るのだろう?100?イヤ、200?
多過ぎて分かんない!ちょっと一度にこの数は手間ね。
そうだ、こんな時こその魔法だわ!
一気にやっつけるには!
イメージ、イメージ、イメージ!
行くわよ!「エアーカッター360度」
シュッーーーン!スパパパパ!
おーー!一瞬ね!
エアーカッター、エアーカッター、エアーカッター・・・!
残ったゴブリン達も個別に殲滅していく。
ふぅ、片付いたかな?見渡す限りは見当たらないけど。


ドッガーーーン!!
え、な、何?家の壁が突然吹っ飛んだ!
何?何か居る?お、大きい!何アレ?メチャクチャ大きいゴブリン!大ゴブリンだわ!
「ガーーーー!」
何か、スッゴい興奮している?怒っている?
やる気ね!良いわ、やって上げる!
アナタがゴブリンの親分なら、私の黒歴史の親分よ!負けられないわ!
掛かって来なさい!
「ウガーー!!」
ドスドスドス!
「わーーー!」
タタタタタ!
勝負!!唸れ私の右腕!全てを吹き飛ばすハリケーンの如く!
「必殺!!」
「ガーーー!」
「ハルカなるパーンチ!それーー!」
ドーーーン!!!
バタン!

ふっ、決まったわ、私の必殺パンチが!
大ゴブリンのお腹に穴が空いた!
こうして私とゴブリン達との仁義無き闘いは幕を降ろしたのだった。
「闘いなんて虚しいものね」
・・・
・・・


ドン、ドン、ドン!ドン、ドン、ドン!
・・・?!
あれ?半壊した家の方から何か叩く音がする?
何だろう?見ているかな。
「お邪魔しまーす」
壊れた壁から家の中に足を踏み入れてみる。
「どなたかご在宅ですか?」
「此処でーす!」
あ、誰か居るみたいだ。
「どーこですかー?」
「こっちでーす、!」
奥の方から聞こえてくる。
「どーこーーー?」
「ここでーーす!」
声が近くなってきた、この返かな?
「居ますかー?」
「ここです、ここ、ここ」
薄暗い部屋の奥に目を向けて目を細めてみると、そこには何か麻袋の様な物に包まれて顔だけ出している女の子がいた。
「えーと、ここの住民の方ですか?」
「そんな訳無いでしょ!捕まってるのよ!ゴホン!スミマセン助けて下さい」
ん?何だかキャラが?!
「そうなの、大変だったね、ちょっと待ってね」
「有り難う御座います」
まずは彼女に近寄り麻袋を脱がせてあげなきゃ。そこで私はフっと気になった。
ボサボサで汚れているけど良く見ると長い金髪・・・?
アレ?何処かで・・・見た様な?
(じーーーーー!)
何処だったかしら?気のせい?
「あ、あの早く此処から出して欲しいんですけど」
(じーーーーー!)
うーん、何だったかな?出てきそうなんだけど?
「あのー?私の顔に何か?」
(じーーーーー!)
「どうしまし「あーーー!!」たか?」
思い出した!!
「え?!」
「アナタ!さっきの!」
「え?なに?なにか??」
「さっきグレーウルフから逃げてる時に私を生け贄にした!!」
「・・・は!!」
「そうよ!アナタよ!間違い無いわ!」
「き、気のせい、じゃ、無いですか」
あ、目を反らしたわね!
「いいえ、アナタよ!絶対!」
「・・・♪ヒュ~~(タラリ)」
「ほら、動揺してるじゃないの!」
「違うんです、アレは違うんです」
「へー、何が違うの?」
「アレは・・・、その・・・」
「アレは?何?」
・・・
「そう!アレはアナタを生け贄にしたのじゃ無くて、私が囮になったんですよ」
「囮に?」
「そうです!私一人が犠牲になればアナタは助かると思って!だから私が引き付けようとした・・のです・・・よ?」
(ジトーーー)
・・・・・・
「(パン)成る程!私を助ける為に突き飛ばしたと!だけどどんくさい私は転んじゃったと!そして運悪くグレーウルフは走り去るアナタより近場で倒れている私に狙いを付けたと!不運な偶然だっと!」
「そ、そうですよー!本当偶然とは恐いですよねー!」
「そうねー!」
「「ねーーー!」」
・・・
・・・
・・・
「さてと」
私は立ち上がり服の乱れを整える。
「あ、あの?」
「ほな!」
サッと右手を上げて颯爽と麻袋少女に背を向け私は歩き出した。
「ちょ、ちょっとー!」
ピタッ!立ち止まり麻袋少女へ振り替える。
「・・・」
「・・・」
「ほな!」
再び私は歩き出す。外へ向かって、そして家路を急いだのだった。


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