迷子になって異世界へ行きました

kenzo

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冒険者に私はなる!!

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「もういいわ!分かった、アナタとまともに会話しようとした私がバカだったのよ」
何だか釈然としない方向に納得された私。
「それでこれからどうするの?」
「もちろん帰るよ」
「どうやって帰るのよ?迷子なんでしょ」
「終わらない森は無い!歩き続ければ何時かは森を抜ける筈よ!」
エッヘン!どや!
「偉そうに言ってるけど全然格好良く無いから」
「何を!私の名言を!」
「アナタのは迷言よ!それに何時かは森を抜けるでしょうけど、何時、何処に抜けるかが問題なのよ!」
「何時?」
「何日掛かるかって事よ!食糧も無いのに!」
「森の中なんだから何とかなるでしょ!木の実とかキノコとか!それに動物が居れば狩ればいいのよ!」
「逞しいわね!」
「私は迷子のプロなのよ!山で遭難した事位何度だってあるわ!」
どや!どや!どや!
「・・・学習能力が無いのね」
「・・・へ?」
「後は場所よ!上手く領都に戻れたら良いけど、別の領地に出るかも知れないし、下手したら他所の国に出るかも知れないわよ」
「だったら其処で帰り道を聞けば良いじゃない?」
「イヤ、国内の別の領地ならそれで良いけど、他所の国だったら?下手してら捕まるかも知れないわよ!」
「逃げる!」
「捕まるわよ」
「超逃げる!」
「逃げ切れないわよ」
「超超逃げる!」
「しつこいわね」
「最悪ブッ飛ばす!フン!!」
「ヤメテ!もういいわ、話にならない」
「勝ったわね!」
「ハイハイ、私の負けよ」
「敗者は這いつくばりなさい!」
「ブッ飛ばすわよ!」
「ご免なさい」


「まぁ良いわ!どっちにしろ此処に居てもどうにもならないし動くわよ」
「了解!」
あれ?何だかいつの間にか主導権を握られてる?
「で、ハルカ!アナタはどっちから来たの?」
「え?」
「来た方向よ!そっちに行けば帰れるでしょ!」
「おお!なんて斬新はアイデア!」
「当然の流れよ。で、どっちなの?」
「アッチね!」私は自信を持って一つの方向を指差した。
「本当に?!本当の本当なの?」
「・・・アッチだったかな?」
「真逆じゃない!」
「アレ?コッチだったかも?」
「今度は真横?!」
「やっぱりコッチかも?」
「全方位制覇した!」
「えーい!初志貫徹!コッチよ!」
「初志貫徹ならコッチよ」
私の身体は指差しの姿勢のままノエルちゃんによって約60度程回転させられたとだけ報告しておこう。
「良し、じゃあ行く「ちょっと待ったーーー!」わ・・・よ?って何なのよ!気合いを入れたとこなのに!」
「その前に忘れ物」
危ない危ない、折角の財源を忘れるところだったわ。
「忘れ物?早くしなさいよ」
「ちょっと待っててね」
まずはゴブリンの穴の淵に立つ。
「ちょっと何するのよ?」
「魔石を持って行こうかなって」
「イヤ、アナタ、マジックバック持ってないって言ったじゃない」
「うん、だから作った!」
「へ?作った?ア、アナタもしかして魔工師なの?」
「魔工師?って何?」
「知らないの?アナタは一体どんな国で育ったのよ!もういいわ!疲れた。早く済ませなさい」
「オッケーーー!」
まずはリュックを前に持って口を開けてっと。
そして魔石を集めてリュックに飛び込ませる。
良し、イメージ、イメージ!
「魔石ホイホイーーー!」
おー!魔石が自らリュックに飛び込んで行く。便利だわ!しかも幾らでも入っていくし、全然リュックが膨れない。
流石、四次元リュックだわ!
「何その呪文は?それに本当にあのカバンがマジックバックになってるし」
「お待たせー!さぁ行きましょう!」
「・・・え?ええ、そうね!行くわよ」
「出~~発進行!」


ノエルちゃんと二人で出発してどれくらい時間がたっただろう?それ程は経って無いと思うけど、間も無く日が暮れて辺りが暗くなってきた。
「これ以上進むのは危険だわ!今夜は此処で野宿するわよ」
少し木の間隔が広くなった所でノエルちゃんが提案してきた。
「そうね、分かった」
確かにこの見通しの悪さで進むのは危険だよね。
それに野生動物は夜に活発に活動するって言うしね。
「ねぇハルカ、アナタ結界は張れないの?」
「結界?何それ?」
「それもなの?結界ってのは壁見たいなものよ。寝ている時に結界が在れば魔物が侵入出来ないから安心して眠れるでしょ」
成る程、壁ね!壁で私達を囲めば良いのね。
イメージ、イメージ、イメージ!
「行くよ!壁ドーーーン!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!
「・・・」
おー、土壁がドンドン伸びてドーム状になった。
「まさかの物理的な壁とは・・・」
あっ、囲っちゃったから真っ暗だ。


なんと驚くべき事にノエルちゃんもマジックバックを持っていた。
そのマジックバックから魔道具のランプと食糧が出てきたのでした。
意外と準備万端なんだね。
ってノエルちゃんに言ったら
「アンタが準備しなさ過ぎなのよ」
って言われちゃった。
「だって、仕事終わりの散歩で迷子になっちゃったんだもん」
「・・・そうだったわね」
ノエルちゃん脱力す!
「ほら、コレを食べなさい」
そう言ってノエルちゃんからビーフジャーキー見たいな食べ物を貰った。
「どうせ食糧も無いんでしょ!干し肉よ」
「干し肉?」
「そ、そのまま食べても良いけど、私は固くて塩辛いから水に着けてフヤかせてから食べるわ」
へぇ!成る程!保存食って訳ね。
まずはそのまま一噛み!
「か、固?!」
何コレ?メチャクチャ固いんですけど!
「だから言ったじゃない。はい、コレ」
金属の器に水を入れて渡してくれたノエルちゃんはおなじ器に注いだ水に干し肉を浸けている。
私も同じようにしてしばらく待って口を付けてみた。
確かに干し肉はフヤけているのか食べやすくはなっている。だけどそれだけだ。
冷たくベチヤベチヤとしたお肉もさることながら、水がまた、仄かにしょっぱい塩水にはお肉から流れ出た油が浮いて、なんと言うか美味しくないと言うよりも気持ち悪いって感じ。
これがせめてスープだったら。
・・・そうだ!すこし温めて煮込んだらどうだろう!
適当に転がっている石を集めてその上に器を置いた。
「中火」指から火を出して器を温める。
「美味しくな~れ、美味しくな~れ」
最後の仕上げに少しの愛情をっと。
ズズズ、スプーンで掬って火傷に気を付けて口に運んでみた。
美味しいかは別として食べやすくはなったかな。
「・・・(じーーーー)」
続けて口にしようかと思ったんだけど何故か視線が突き刺さる。
「?どうしたの?ノエルちゃん?」
「わ、私のも温めてよ」
何?目を反らして唇を尖らせて、ツンなの?か、可愛いかも!
「いいよ!でもノエルちゃんは魔法使わないの?」
「・・・」
あれ?俯いちゃった。
「あの?ノエルちゃん?」
「・・・のよ」
ん?良く聞こえない。
「何?ノエルちゃん?」
「使え無いのよ!」
「使え無い?何が?」
「だから私は魔法が使え無いって言ってるの!!」
ビックリした!急に大きな声で、それに少し涙目になってるし。
「そ、そうなの?でも得手不得手は人其々だし、魔法が使え無い・・・」
「そうよ!私は魔法の使え無い落ちこぼれよ!役立たずよ!嫁ぎ先さえ無い行き遅れ確実の行かず後家よ!それが何よ!悪いの?!悪いんでしょうね!ワルー御座いました!」ハァハァハァ・・・。
な、な、何?どうしたの?一気に捲し立てて力尽きちゃった。
「ノ、ノエルちゃん?」
「何よ!!・・・あっ!」
目が合った。やっとコッチの世界に帰って来たみたい。
「あの、ノエルちゃん、大丈夫?」
「大丈夫・・・その、ゴメン」
「ううん」
私はノエルちゃんの器(干し肉水)を魔法で温めてノエルちゃんに手渡した。
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