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1章、ブラームス王国
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初依頼から5日が経った。
毎日10~15件の依頼を受けているが未だに一件の成功も無い。
悔しいけど此ばかりは仕方無い。
依頼主さんが決める事なんだから。
それにしても僕は出会う人に恵まれている。
ガランさんにバズさんはこんな僕なのに何時までも面倒見てくれるし、僕の担当受付のデボラさんも嫌な顔一つせずに対応してくれる。
それに依頼主の人達も失敗続きなのに僕を指名までしてくれている。
ガランさん曰く数ある依頼の中からイイ人が依頼主の物だけを選んでいるらしい。
もう感謝しか無いです。
いつか一人前になれたら恩返しをしなくては。
ーーー受付エマーーー
一昨日前、会議室にて。
「申し送りは以上だ、他に何かある者はいるか?」
「・・・」
「無いな、では今日も1日頑張ってくれ」
副ギルドマスター(副マス)の号令で、
皆が解散して各々の担当部署に散っていく中、私はその場に残った。
気になる事が合ったからだ。
「どうしたエマ」
狙い通り副マスが私の元に来た。
「副マス、少し相談したい事が」
「何だ、さっきの会議では言えない事か」
「はい、もし私の勘が合ってれば職員の不正に繋がる可能性も考えられます。なので出来ればギルマスも一緒にお願いします」
「何!それは本当か?」
「まだ、状況判断の段階ですが」
「うーん」
渋い顔で唸る副マス、突然こんな事言われれば仕方無いか。
「分かった、ギルマスの都合を聞いてくる」
そう言い会議室を出た副マスは直ぐに戻って来た。
そして今度は二人でギルマスの部屋に向かった。
ーーーアル(現在)ーーー
「親方ー、こんにちは!」
さぁ、今日最後の依頼、今度こそ成功させるぞー!
「おお、坊主来たか」
「はい、今日も宜しくお願いします」
「早速だが、これを見てくれ」
新作の魔道具を見せてくれる。
初めて来た日に勝手に僕がイジッた魔道具。
只の一般的な魔道具が国宝レベルに変わって居たらしい。
所謂、やらかしちゃったって奴?テヘペロ
それを見つけた親方が僕を指名依頼して来て、何をしたのか、どうすれば良いのか根掘り葉掘り聞いてきた。
今僕は親方に聖霊文字を教えている。
え?何で神聖文字を教えないかって?
チチチっ!それはね、普通の人間が神聖文字を扱えば一瞬にして脳みそが焼き切れるからなんだね!
聖霊の言葉も神の言葉も、言葉自体に力が宿るんだね!
それを道具に刻む事で魔道具として機能する訳だね、分かるかな、そこの君!
「お?おお、それくらいは分かってる」
「え?あ、いえ、独り言ですので気になさらず」
全く親方は独り言に返事しちゃいけないんですよ、あれ?寝言だったっけ?まぁ、いいか!
では独り言を続けるかな、
えーと、そうそう、だけど普通の人は聖霊文字も使いこなせてはいないんだな、これが。
片言の様な感じ?単語の羅列だから効力を万全に発揮出来てないのさ!
だから僕が文章を教えてる訳です。以上!
「うん、悪くは無いと思います」
「悪くは無いか、良くも無いんだな」
「そうですね、今で3才児の会話程度でしょうか」
「はは、3才児の会話か!それを5才児に指摘されるとはな」
「妹は3才児で天使の様に可愛いのに、親方は・・・猛獣?」
「ヌカせ!さぁ、今日も確り教えてるくれよ」
「はい、ビシバシ行きます」
「おお、望むところだ」
「じゃあな、アル、また頼むぜ」
「はい、次こそは完璧に覚えて貰いますよ」
「はは、期待に応えるれる様にがんばるよ」
「行くぞ、アル」
「あ、はい、親方それでは!」
サッサと歩き出したガランさんを慌てて追いかけた。
「分かってるだろうが今回も依頼失敗だ」
「はい、今回も完璧には覚えられませんでしたから」
そう、親方からの依頼は聖霊文字を教える事。
僕への指名依頼だ。
ガランさん曰く、教える事が依頼内容だから覚えられなければ依頼失敗は当然の結果らしい。
それでも懲りずに指名してくれる親方には感謝しかない。
意外な事にFランクの依頼は指名依頼が多いらしい。
基本的に僕の様な子供が多い為に当たり外れが大きい、なので気に入った冒険者が現れたら次からは同じ冒険者を指名するらしい。
つまり僕は 失敗続きでは有るけど、気に入っては貰えてるのだろう。
これはやっぱり、僕が可愛いからだろうか?
それに今は平民とは言っても元は貴族の子供として少しは礼儀も教えられてきたし、気遣いも出来る子供だからだろうか。
良く皆さんには、お前本当に5才児か?なんて聞かれるし。
「ガランさん一人ですか?」
「ん、おお、バズの奴はギルドで待ってるてよ」
「そうですか」
そう、ガランさんもバズさんも僕に付き合ってくれるのはボランティアなので、何時も二人一緒に居るわけではなく、どちらかと言えば入れ替わりの方が多い。
さて、ギルドに到着したし、後はデボラさんに報告をして帰るだけだ。
早く帰ってリリを愛でなければ、仕事で疲れた身体を癒す力の源!
あれ、ギルドの雰囲気がおかしい?
何だろう?
あ、ちょうどデボラさんのところが空いてるラッキー!
「じゃあデボラさんに報告してきます」
「おお、ほら依頼書だ」
今日の分の依頼書を受け取るとデボラさんの元に向かった。
何だろう、皆遠巻きにコッチを見ている様な?
「よ、アル、今日は終わりか!」
「あ、バズさん!はい、これからデボラさんに報告するところです」
「そうか、まぁ、明日も頑張れよ」
食事エリアから現れたらバズさんが僕の肩を叩いて席に戻った。
あ、ガランさんもバズさんと合流した。
さて、報告しなきゃ、
「デボラさん、今日の分です。お願いします」
「お疲れさん、うん、今日も失敗ばかりだね」
「すみません」
「まぁ、明日も頑張りな」
「はい、頑張ります」
「違約金はまた私の方から依頼主に届けておくよ」
「何時も手間を掛けます」
「ふん、これも仕事さ」
「有り難うごさいます」
嫌味の一言も云われない、本当に優しい人だな、態度は雑だけども、それは流石に子供相手に丁寧な態度も遣り辛いだろうしね。
「よし、そこまでだ」
?なに?
厳つい声が響き渡った瞬間にギルド内が静かになった。
「出入口を封鎖しろ、4人を拘束しろ」
え?え、え、え?な、なに?グヘっ!!
えー!誰?何で僕押さえ付けられてるの?
「ちょ、ちょっと、アナタ、何そんな子供まで押さえ付けてるのですか!」
「え、いやだって副マスが拘束しろって」
「バカですか!相手を考えなさい、相手を」
「はぁ、すんません」
あ、解放された、ふー!
「君、大丈夫ですか?立てますか?」
あ、登録してくれた時のお姉さん。
「はい、大丈夫です、有り難うごさいます」
「全くこれだから脳筋バカは!」
「・・・あの、これは一体?」
何故かガランさんとバズさんとデボラさんも捕まっている。
「何だテメーら」「何すんだ」「ちょっ!いきなりなんなの?」
「お前達をギルド反逆の容疑で捕縛する」
「・・・・・・えー?!反逆!!」
「そうです、君と彼らは反逆の疑いが掛けられてます」
「そんな!僕は反逆何てしてません」
「それはこれから調べる」
うわ!顔面傷だらけの恐い人・・・、あ、この人、初めてギルド来たときに声を掛けてくれた見掛けに寄らない人だ。
「俺は副ギルドマスターのグランだ」
「あ、僕はFランクのアルです」
「アルってお前だったのか」
強面が少し驚いている。
僕の事を覚えてくれてたのかな?
「ではアル、この魔道具に手を乗せろ」
グランさんが僕の前に水晶型の魔道具を置く。
「これからお前に質問する。この魔道具に触れた状態で嘘を付くと赤く変わる、嘘でなければ今の青のままだ」
「はい、イケメンお兄さん」
水晶が赤くなった。
「プッ!」
何処からか笑い声が。
「では、アル様、質問を始めます」
エマさん(登録してくれたお姉さんの名前らしい)が僕の前に座って言った。
「はい、綺麗なお姉さん」
うん、水晶の色は青色だ。
ニコリとした笑顔がまた堪らない。
「では、バズ、ガラン、デボラの三名と一緒に仕事をする事になった経緯を説明して下さい」
えーと、何だったかな?確か・・・
「あれ?エマさんがバズさんに僕の面倒を見る様に頼んでくれたのでは?」
「は?君は何を?」
「僕が登録した日に僕が苦労しそうだからってバズさんに助けてやってくれって」
「いや!そんな事言うわけ無いでしょ」
「待てエマ、水晶の色は変わってない」
「副マス!確かに、と言う事はやっぱり騙されて」
「続けろ」
「はい」
エマさんが改めて僕と向き合う。
「では、次の質問です。
アナタは今までに沢山の依頼を受けてますが、一度も達成出来てない」
「・・・はい、すみません」
これか、失敗し過ぎた罰なのか。
「でも、本当は一度も失敗などしていない、全ての依頼は達成されている事は?」
「・・・・・・え?」
「アナタは一度も依頼失敗はしていないって事です。知っていましたか?」
「は?え?いや・・・」
ガランさんの方を見ると口を塞がれていながら何か喚いている。
バズさんとデボラさんも同じ状況だ。
「どうしましたか?知っていたか、知らなかったのか言って下さい」
「あ、はい、知りませんでした」
「副マス、青色です」
「その様だな、最後の質問だ。
すまねぇがコッチに来てもらえるかい?」
あれ?グランさんに呼ばれて来た人達、
「え、親方、それに店長さんに皆さんも」
何時も指名してくれてる依頼主さん達。
「この人達は何時もお前に指名依頼を出してくれてた人達だな」
「はい、僕が何時も失敗するのに見捨てる事無く僕を指名してくれた優しい人です」
「青って事は、本心で言ってる様だな」
グランさんが水晶を見ながら呟いている。
「坊主」
「親方?」
何だか親方が辛そうな顔をしている。
「良く考えれば、確りしてる様でも5才のガキなんだもんな、俺が確りしてれば気付けたのに、すまなかった」
「い、いえ、そんな親方、頭を上げて下さい」
「アル君、私も悪かったね」
初依頼の時から付き合いの商店の店長さん。
「僕は皆さんに迷惑を掛けて無かったのですか?」
「当たり前だろ、どれだけお前には助けてられたか」
「親方」
「知らないだろうが、お前のお陰で売上が倍以上伸びたんだ」
「私の店も同じだよ」
「「「俺達もだ」」」
「親方、皆さん有り難うごさいます。
そうか良かった、僕役に立ててたんですね」
「あー、そろそろいいか?」
なんと!このお涙頂戴の名場面を前にして平然としているとは流石は副ギルドマスター、って良く見ると目元が濡れてる?
「アル、お前の容疑は晴れた。
スマなかったな」
「いえ、大丈夫です」
「さて、それではお待たせの本物の悪者退治だ」
おお、恐い顔に悪い笑顔を浮かべている。
毎日10~15件の依頼を受けているが未だに一件の成功も無い。
悔しいけど此ばかりは仕方無い。
依頼主さんが決める事なんだから。
それにしても僕は出会う人に恵まれている。
ガランさんにバズさんはこんな僕なのに何時までも面倒見てくれるし、僕の担当受付のデボラさんも嫌な顔一つせずに対応してくれる。
それに依頼主の人達も失敗続きなのに僕を指名までしてくれている。
ガランさん曰く数ある依頼の中からイイ人が依頼主の物だけを選んでいるらしい。
もう感謝しか無いです。
いつか一人前になれたら恩返しをしなくては。
ーーー受付エマーーー
一昨日前、会議室にて。
「申し送りは以上だ、他に何かある者はいるか?」
「・・・」
「無いな、では今日も1日頑張ってくれ」
副ギルドマスター(副マス)の号令で、
皆が解散して各々の担当部署に散っていく中、私はその場に残った。
気になる事が合ったからだ。
「どうしたエマ」
狙い通り副マスが私の元に来た。
「副マス、少し相談したい事が」
「何だ、さっきの会議では言えない事か」
「はい、もし私の勘が合ってれば職員の不正に繋がる可能性も考えられます。なので出来ればギルマスも一緒にお願いします」
「何!それは本当か?」
「まだ、状況判断の段階ですが」
「うーん」
渋い顔で唸る副マス、突然こんな事言われれば仕方無いか。
「分かった、ギルマスの都合を聞いてくる」
そう言い会議室を出た副マスは直ぐに戻って来た。
そして今度は二人でギルマスの部屋に向かった。
ーーーアル(現在)ーーー
「親方ー、こんにちは!」
さぁ、今日最後の依頼、今度こそ成功させるぞー!
「おお、坊主来たか」
「はい、今日も宜しくお願いします」
「早速だが、これを見てくれ」
新作の魔道具を見せてくれる。
初めて来た日に勝手に僕がイジッた魔道具。
只の一般的な魔道具が国宝レベルに変わって居たらしい。
所謂、やらかしちゃったって奴?テヘペロ
それを見つけた親方が僕を指名依頼して来て、何をしたのか、どうすれば良いのか根掘り葉掘り聞いてきた。
今僕は親方に聖霊文字を教えている。
え?何で神聖文字を教えないかって?
チチチっ!それはね、普通の人間が神聖文字を扱えば一瞬にして脳みそが焼き切れるからなんだね!
聖霊の言葉も神の言葉も、言葉自体に力が宿るんだね!
それを道具に刻む事で魔道具として機能する訳だね、分かるかな、そこの君!
「お?おお、それくらいは分かってる」
「え?あ、いえ、独り言ですので気になさらず」
全く親方は独り言に返事しちゃいけないんですよ、あれ?寝言だったっけ?まぁ、いいか!
では独り言を続けるかな、
えーと、そうそう、だけど普通の人は聖霊文字も使いこなせてはいないんだな、これが。
片言の様な感じ?単語の羅列だから効力を万全に発揮出来てないのさ!
だから僕が文章を教えてる訳です。以上!
「うん、悪くは無いと思います」
「悪くは無いか、良くも無いんだな」
「そうですね、今で3才児の会話程度でしょうか」
「はは、3才児の会話か!それを5才児に指摘されるとはな」
「妹は3才児で天使の様に可愛いのに、親方は・・・猛獣?」
「ヌカせ!さぁ、今日も確り教えてるくれよ」
「はい、ビシバシ行きます」
「おお、望むところだ」
「じゃあな、アル、また頼むぜ」
「はい、次こそは完璧に覚えて貰いますよ」
「はは、期待に応えるれる様にがんばるよ」
「行くぞ、アル」
「あ、はい、親方それでは!」
サッサと歩き出したガランさんを慌てて追いかけた。
「分かってるだろうが今回も依頼失敗だ」
「はい、今回も完璧には覚えられませんでしたから」
そう、親方からの依頼は聖霊文字を教える事。
僕への指名依頼だ。
ガランさん曰く、教える事が依頼内容だから覚えられなければ依頼失敗は当然の結果らしい。
それでも懲りずに指名してくれる親方には感謝しかない。
意外な事にFランクの依頼は指名依頼が多いらしい。
基本的に僕の様な子供が多い為に当たり外れが大きい、なので気に入った冒険者が現れたら次からは同じ冒険者を指名するらしい。
つまり僕は 失敗続きでは有るけど、気に入っては貰えてるのだろう。
これはやっぱり、僕が可愛いからだろうか?
それに今は平民とは言っても元は貴族の子供として少しは礼儀も教えられてきたし、気遣いも出来る子供だからだろうか。
良く皆さんには、お前本当に5才児か?なんて聞かれるし。
「ガランさん一人ですか?」
「ん、おお、バズの奴はギルドで待ってるてよ」
「そうですか」
そう、ガランさんもバズさんも僕に付き合ってくれるのはボランティアなので、何時も二人一緒に居るわけではなく、どちらかと言えば入れ替わりの方が多い。
さて、ギルドに到着したし、後はデボラさんに報告をして帰るだけだ。
早く帰ってリリを愛でなければ、仕事で疲れた身体を癒す力の源!
あれ、ギルドの雰囲気がおかしい?
何だろう?
あ、ちょうどデボラさんのところが空いてるラッキー!
「じゃあデボラさんに報告してきます」
「おお、ほら依頼書だ」
今日の分の依頼書を受け取るとデボラさんの元に向かった。
何だろう、皆遠巻きにコッチを見ている様な?
「よ、アル、今日は終わりか!」
「あ、バズさん!はい、これからデボラさんに報告するところです」
「そうか、まぁ、明日も頑張れよ」
食事エリアから現れたらバズさんが僕の肩を叩いて席に戻った。
あ、ガランさんもバズさんと合流した。
さて、報告しなきゃ、
「デボラさん、今日の分です。お願いします」
「お疲れさん、うん、今日も失敗ばかりだね」
「すみません」
「まぁ、明日も頑張りな」
「はい、頑張ります」
「違約金はまた私の方から依頼主に届けておくよ」
「何時も手間を掛けます」
「ふん、これも仕事さ」
「有り難うごさいます」
嫌味の一言も云われない、本当に優しい人だな、態度は雑だけども、それは流石に子供相手に丁寧な態度も遣り辛いだろうしね。
「よし、そこまでだ」
?なに?
厳つい声が響き渡った瞬間にギルド内が静かになった。
「出入口を封鎖しろ、4人を拘束しろ」
え?え、え、え?な、なに?グヘっ!!
えー!誰?何で僕押さえ付けられてるの?
「ちょ、ちょっと、アナタ、何そんな子供まで押さえ付けてるのですか!」
「え、いやだって副マスが拘束しろって」
「バカですか!相手を考えなさい、相手を」
「はぁ、すんません」
あ、解放された、ふー!
「君、大丈夫ですか?立てますか?」
あ、登録してくれた時のお姉さん。
「はい、大丈夫です、有り難うごさいます」
「全くこれだから脳筋バカは!」
「・・・あの、これは一体?」
何故かガランさんとバズさんとデボラさんも捕まっている。
「何だテメーら」「何すんだ」「ちょっ!いきなりなんなの?」
「お前達をギルド反逆の容疑で捕縛する」
「・・・・・・えー?!反逆!!」
「そうです、君と彼らは反逆の疑いが掛けられてます」
「そんな!僕は反逆何てしてません」
「それはこれから調べる」
うわ!顔面傷だらけの恐い人・・・、あ、この人、初めてギルド来たときに声を掛けてくれた見掛けに寄らない人だ。
「俺は副ギルドマスターのグランだ」
「あ、僕はFランクのアルです」
「アルってお前だったのか」
強面が少し驚いている。
僕の事を覚えてくれてたのかな?
「ではアル、この魔道具に手を乗せろ」
グランさんが僕の前に水晶型の魔道具を置く。
「これからお前に質問する。この魔道具に触れた状態で嘘を付くと赤く変わる、嘘でなければ今の青のままだ」
「はい、イケメンお兄さん」
水晶が赤くなった。
「プッ!」
何処からか笑い声が。
「では、アル様、質問を始めます」
エマさん(登録してくれたお姉さんの名前らしい)が僕の前に座って言った。
「はい、綺麗なお姉さん」
うん、水晶の色は青色だ。
ニコリとした笑顔がまた堪らない。
「では、バズ、ガラン、デボラの三名と一緒に仕事をする事になった経緯を説明して下さい」
えーと、何だったかな?確か・・・
「あれ?エマさんがバズさんに僕の面倒を見る様に頼んでくれたのでは?」
「は?君は何を?」
「僕が登録した日に僕が苦労しそうだからってバズさんに助けてやってくれって」
「いや!そんな事言うわけ無いでしょ」
「待てエマ、水晶の色は変わってない」
「副マス!確かに、と言う事はやっぱり騙されて」
「続けろ」
「はい」
エマさんが改めて僕と向き合う。
「では、次の質問です。
アナタは今までに沢山の依頼を受けてますが、一度も達成出来てない」
「・・・はい、すみません」
これか、失敗し過ぎた罰なのか。
「でも、本当は一度も失敗などしていない、全ての依頼は達成されている事は?」
「・・・・・・え?」
「アナタは一度も依頼失敗はしていないって事です。知っていましたか?」
「は?え?いや・・・」
ガランさんの方を見ると口を塞がれていながら何か喚いている。
バズさんとデボラさんも同じ状況だ。
「どうしましたか?知っていたか、知らなかったのか言って下さい」
「あ、はい、知りませんでした」
「副マス、青色です」
「その様だな、最後の質問だ。
すまねぇがコッチに来てもらえるかい?」
あれ?グランさんに呼ばれて来た人達、
「え、親方、それに店長さんに皆さんも」
何時も指名してくれてる依頼主さん達。
「この人達は何時もお前に指名依頼を出してくれてた人達だな」
「はい、僕が何時も失敗するのに見捨てる事無く僕を指名してくれた優しい人です」
「青って事は、本心で言ってる様だな」
グランさんが水晶を見ながら呟いている。
「坊主」
「親方?」
何だか親方が辛そうな顔をしている。
「良く考えれば、確りしてる様でも5才のガキなんだもんな、俺が確りしてれば気付けたのに、すまなかった」
「い、いえ、そんな親方、頭を上げて下さい」
「アル君、私も悪かったね」
初依頼の時から付き合いの商店の店長さん。
「僕は皆さんに迷惑を掛けて無かったのですか?」
「当たり前だろ、どれだけお前には助けてられたか」
「親方」
「知らないだろうが、お前のお陰で売上が倍以上伸びたんだ」
「私の店も同じだよ」
「「「俺達もだ」」」
「親方、皆さん有り難うごさいます。
そうか良かった、僕役に立ててたんですね」
「あー、そろそろいいか?」
なんと!このお涙頂戴の名場面を前にして平然としているとは流石は副ギルドマスター、って良く見ると目元が濡れてる?
「アル、お前の容疑は晴れた。
スマなかったな」
「いえ、大丈夫です」
「さて、それではお待たせの本物の悪者退治だ」
おお、恐い顔に悪い笑顔を浮かべている。
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