神様の転生物語

kenzo

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2章、勇者の国、ヤマシタ皇国

一難去って・・・?

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例の誘拐事件から一週間が過ぎた。
え?いきなり過ぎ?その後どうなったかって?
・・・勘弁して下さい。
聞きたいって?!
では簡単なに説明しよう。

港に戻った俺達は警備兵を呼び出した。
誘拐犯を捕まえた事で俺達はヒーロー気分だったのかも知れない。
実際帰りの船の中ではそれなりに盛り上がったものさ!妄想は膨らんださ!
だけど実際に警備兵が来てからは妄想は妄想でしか無い事を思い知った。

皇都南警備支部に行って事情説明。
その後は冒険者ギルドに行って受付で簡単な事情説明。
さらにギルマスとか他の職員さんが集まっての会議室で詳しくの事情説明。
会議はその後も続く様だったが俺達は開放されたので帰る事にした。
ちなみに依頼に関しては一旦は保留となった。
さぁ解散だと宣言したらダイに頼まれてダイの両親に事情説明。この時点でカイトは一人でさっさと帰った。
ユキにウルウルした目で見詰められてユキの両親に事情説明。
マリンの無言の圧力に負けてサクラさんに事情説明。
そして最後に父さん達に詳しく事情説明。
もう俺は一言一句間違えずに同じ文章を話せる様になった。

次の日、もう一度警備支部に呼び出されてトーヤーズ+親(カイトは不在)で向うと念の為にとまた事情説明。
もう限界です。
そこで聞いた話しでは犯人共は決まった拠点を持たずに一つの街で何度か犯行を行うと次の街に移るを繰り返していたらしい。
尚、皇都での犯行は俺達が初だったらしい。

その後、ギルマスの呼び出しで冒険者ギルドに向かうと依頼主の商店の旦那さんが来ていた。
旦那さんの話によると、
療養中のノッポさんの代理として短期採用の従業員の紹介を商業ギルドに依頼し来たのが件の代理だったらしい。
これから旦那さんは身元の不確かな者を斡旋した商業ギルドを追求すると息巻いている。
頑張って下さい。
それとノッポさんの復帰を待ってますと旦那さんに伝えて俺達は帰った。
ちなみに依頼に関しては旦那さんのお詫びとして報酬を上乗せして達成扱いとしてくれた。
毎度ありーっす!
なお、ギルドでの事情説明は免れたのでホッとした。

これで事件の後始末も終わったかと安心していたが甘かった。
休み明け、学校に行くとそのまま会議室に呼び出されて先生達の前で再びの事情説明。
この頃には俺達もただ説明するのに飽きてしまい物語っぽく説明しだした。
一部の先生には好評だったが一部の先生には怒られた。
ざけんなー!同じ説明を何度も何度も繰り返してる俺達の身になって見ろってんだよ!
まぁ、言わないけど!

教室に行くと何故か噂が広まっていた。
ロクに喋った事も無い奴等がワラワラと寄ってきてまた話しを聞きたがりやがる。

プチ、プチ、プチ・・・、プッチーーーン!
とうとうキレた!誰がって?俺がだ!
「うわーーーーー!」
叫びながら俺は校庭に飛び出した。
『音声拡大、全校生徒に届けろ!』
「もうウンザリだー!同じ説明を何度も何度も何度も何度も!!良いかー!もう一度だけ説明してやる!もう二度としないからなー!分かったなー」
こうして俺は最後の説明を大音響で飾った!
そして俺は一週間の停学になった。

そうそう、あと魔法を使っちゃった事だけど、勿論父さん達には正直に話した。
見たのはトーヤーズのメンバーと犯人達だけだしトーヤーズのメンバーにだけは口止めしておく様にって事になった。
犯人の方は恐らく咄嗟の事でじっくりとは見ていないだろうから大丈夫だとの事だった。
もし面倒な事になったら自業自得だと諦めろって言われた。
特に怒られはしなかった。


一週間振りの登校は特に変わり無く和気あいあいとしたのもだった。
多少周りの目もあったが覚悟の上だったのでむしろ思ったよりは少ない位にさえ感じた。
午前の授業も滞り無く終わり、机を移動してさぁ昼飯だ!って所で邪魔が入りました。
「トーヤ君、先生と一緒に来て下さい」
このクールな声は担任のローザ先生だ。
「あの、コレから昼飯なんすけど」
「急いで下さい。お客様です」
お客様様?なんだそりゃ?
残念だがロイ父さんお手製のお弁当を片付けて先生に付いていく。

コンコンコン「ローザです。トーヤ君を連れて来ました」
何と先生がノックをしたのは学長室だ!
何故、まさかまた事情説明が必要なのか?!
「入りたまえ」
部屋の中から声がした、多分学長だろう。
「失礼します」
先生の後に続いて入室すると不思議な光景があった。
まず見覚えのある数人の先生達が部屋の中心に置かれた来客用のソファーの周りに立っている。
そしてソファーには学長、そして向いのソファーには熊の様な大男と少女が二人。
しかもその二人の後にはカイトが立っている。
「えーと、ローザ先生、状況が全く分からないのですが」
「安心なさい。私も同じですから」
入口で固まった俺はローザ先生に状況説明を求めたが無駄な様だった。

学長を始め先生方は一週間振りの事情説明以来の再開なので見覚えがあるがあのソファーの二人は何者だろう。
しかも熊男と少女と言う不釣り合いの組み合わせだ。
「ゴーラン様、サリオン様、彼がトーヤです」
学長が謎の二人に俺を紹介する。
が、ゴーラン?サリオン?イヤイヤ、え?
横のローザ先生の横顔を盗み見ると目を見開いて固まっていた。
「あー、ローザ先生、君はもう良いですよ」
「・・・あ、は、はい!では失礼します」
ローザ先生は俺に何とも言えない目を向けるとそのままぎこち無い動きで退室して行った。
「トーヤ君、こちらへ」
学長に呼ばれ俺は学長の座るソファーの横に立った。この場合は座れば良いのか?立ったままが良いのか?どっちなんだー?!
「トーヤ君、コチラはゴーラン様、サリオン様だ。君に話しがあるらしい。挨拶をしなさい」
「あ、あの、俺、いえ僕はトーヤと言います」
挨拶って何だよー!何を言えば良いか分かんねーし!
あ?何だよ、カイトの奴、笑いを堪えてやがるな!
「お前がトーヤか!うむ・・・、まずは息子の事、礼を言う」
・・・・・?
息子?礼?・・・・・?
「親父、それじゃ分かんねーよ」
え?カイト君?今、親父って言った?
「面倒だ!お前がしろ」
えー!
「はぁ、トーヤ!このデカイのが俺の親父で、この間の誘拐の件でお前のおかげで俺が助かった事の礼を言ってるんだ」
な、なるほど!
「って、えーーー!カイトってゴーラン家の人間だったの?」
「あー、スマン、何か言いづらくてな」
「これ君、口を慎みなさい。ゴーラン様の前だぞ」
学長に怒られました。
「良い!二人は友人だ」
怖そうな人だけど結構気さくな人なのかな?
「申し訳御座いません、ゴーラン様。彼は平民なもので口の利き方が分かっておらず」
学長も緊張しているんだろうな、汗ダラダラだ。
「良いと言う」
もしかしてこの人、長文が話せないの?

「もう挨拶は済んだかの?」
ん?この声はカイト父の横の少女、サリオン様?
「うむ、済んだ」
えっと、つまり礼は挨拶で別に要件があると?
「では学長、大義であった」パチン!
少女が学長に声を掛けると指を鳴らした。
あれ、一瞬景色が歪んだ?
・・・って、あれ?ここ何処?
「心配するな、ここは私の家じゃよ」
家?そう言うには余りに無機質な広い空間だった。
そしてここには大男(ゴーラン様)、少女(サリオン様)、カイト、そして俺だけだった。

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