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第1章 探しているもの
5話
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何も見えない闇の中で、少年は地面に蹲っていた。吐き気を催すような汚物の臭いと湿った冷たい土の匂いが漂う狭い床蔵の中だった。
ここに閉じ込められて随分経つ。ヒステリックに怒鳴り散らしていた女は、少年を殴りつけたあと躾だと言ってここに押し込んだ。ここに閉じ込められるのはもう5回目だった。最初の1、2回はうパニックになって声が枯れるまで泣き叫んだが、女が気を変えて重しである衣装箱を退けてくれたことはなかった。少年は助けを呼ぶことを諦めてしまって、今では静かに蹲り、出られるときを待つようになった。
こうして何時間も何日も過ごしていると、このまま誰にも見つけられず飢えて死んでいくのではないかという恐怖が少年の頭を占める。汗が止まらず、淀んだ空気はいくら吸っても頭をはっきりさせてくれなかった。全く光が無い闇の中は、自分という形が溶けて失くなってしまっているかのような錯覚を覚える。
だから少年はここに閉じ込められるといつも自分の体を抱きしめ存在を確認するのだが、何も見えないこの闇に抱かれていると、自分の腕ですらないのものに思えて、それでさえ恐怖を助長させるものとなった。息を吐く音も、心臓の鼓動も全てが他人のものだった。暗闇の中から何かが自分を見つめている気がする。開いているかも閉じているのかもわからない目を少年はキツく閉じた。
森を抜けた平原は涼しい風が吹き抜け、月はそこにあるものの形を闇の中にくっきり映し出していた。
幽騎士はこちらをじっと見ているだけで一向に動こうとはしなかった。しかし漂う殺気から、少しでもヒラエスが動けばその魔剣で袈裟斬りにするだろうことは伝わった。あの馬の首を落とした恐ろしく切れ味の良い魔剣は、人の体でさえしっとりとしたケーキのように裂くだろう。
切れていく息に、首の後ろにかいた汗が滴り落ちる。緊張で喉が張り付き、水分だけが失われていくようだった。ヒラエスは幽騎士を刺激しないようゆっくりと手を腰にやった。投擲用の小刀を抜くためだった。しかしそんな微かな動きさえ読んだのか、騎士はヒラエスの一歩手前まで一瞬で詰め寄ると青い残光を残し、激しい動きで斬撃を放った。受け止めることができない剣撃をなんとか地面を転がることで回避する。そこから次々と振り下ろされる攻撃を搔い潜ったところで鋭い刃が右上腕のギリギリをかすった。
傷の確認をすることもできず、切れていく息に焦りながら地べたを這いずるようにみっともなく逃げる。消耗していく体力では間一髪で避けることしかできず、致命傷を負わないまでも身体中の傷はなすすべなく増えていくばかりだった。
絶体絶命の危機といったところで幸か不幸か、足場は沼地に差し掛かった。ヒラエスは沼地に倒れ伏し両手両足を使って掻き分け匍匐すると、幽騎士も逃すものかと追いかけ沼地へと歩みを進めた。幽騎士の魔力で形成された実体はなくとも質量の詰まった重い鎧は、いとも簡単に沼地に足を取られた。ここぞとばかりに泥の中を這い進み、とにかく距離を離す。幽騎士は悪い足場に苦戦し抜け出せなくなっていた。ヒラエスはしばらくそうして動き続けるといつの間にか地面は固まった大地へと変わっていた。力を入れて上体を起こし二本足で立つと、ヒラエスはよろめきながら振り返らず走り続けた。
至る所から血が流れ続け目の前は霞んでいたが、足を止めることはできなかった。
足元で飛び跳ねる虫や美しく咲いた白い花を蹴散らしながら半ば引きずるように力尽くで前に進む。苦戦する幽騎士をそのまま引き離していくとといつの間にか遠くへ来たようで、少し先の方向に川のせせらぎが聞こえた。橋ははるか北に一つと、遠く南に一つあるだけだった。
幽霊や疫病は川の流れを渡ることは難しいという迷信がある。この時期の水は凍えるように冷たく、その冷え切った肌を刺すような痛みを思うと頭の奥が強く傷んだが、ヒラエスは意を決して川へ身を躍らせた。ラケル・ヘクトルとパラスダノワの両国間を縦断するように流れているこの川は、流れがゆったりとしていて底に足がつくほどの深さしかない。とはいえ胸元まで浸ると動きは極度に制限される。本来なら橋を渡らねばならぬほどの広さがあり、川底を歩いて渡るのは無茶な話だった。腕を水につけないようにあげたままゆっくり水を割って歩く。最初は全身に火傷を負ったような熱さににた冷たさを感じ、それは次第に体を死へ追いやる痛みに代わっていった途中どうしようもないほどの頭痛と吐き気に襲われた立ち止まった。振り返るとまだ幽騎士の姿は無かった。安堵のため息を吐きながら進行方向へ向き直る。まだ川の半分も行ってはいない。進むに従って次第に意識が遠のく気配がする。白く烟る視界の中で息も絶え絶えになり、いつまでもたどり着くことができないだろうと思っていた岸には、気がついたころには手が届く距離にきていた。力を振り絞り岸に這い上がると、震えてまともに動かない腕でどうにか水から逃れることができた。振り返るとぼんやりとした影のような黒い巨体がじっと立っているのが見える。対岸に立つその影はどのようにこちらへ渡るか考えあぐねているようである。
つかの間の休息に全身の力を抜き倒れこむ。眠ってしまいそうになりながら意識を空へ向けていると。何か大きなもの物が入水するときに立てられるような激しい水飛沫の音が聞こえた。恐る恐る、音のほうを見ると幽騎士は川に入りこちらへ向かっていた。
(うそだろう!)
整わない息がさらに乱れ体が引きつった。こうしてはいれないとあわてて腹ばいで逃げる。ヒラエスにはもう立つ気力はこれっぽっちも残されていなかった。逃げなくては死ぬという動物的な本能だけで動いているが、心はほとんどあきらめかけていたのだ。そもそもここまで逃げてこれたことがヒラエス自身にも不思議だった。自分の命にこれほどの執着があった、というよりみっともなくあがくほど死への恐怖心があったのだろうかという考えが頭をよぎった。
飛沫の音はだんだんと近づいている、ヒラエスは四つん這いになると先ほどよりかは幾分か速い速度で動き始めた。
しんと静まり返った酒場に、誰かの深いため息が響いた。ヒラエスは一連の出来事を感情を抜きにした客観性のある語りで静かに語った。のどの渇きを癒すため、いつの間にか注がれていた水を口に含むと、ゼジョフは身を乗り出し興奮した面持ちで聞いてきた。
「それで、どうなったんです?」
「どうもこうも、期待させて悪いが死なずに逃げてきただけさ。上手くまけたぞ。」
正確にはその後、何とか西にいき近くの町のオジエルまでたどり着くことができたが、今この場ではそのまま南下し牧地に入ったとことにしている。
「はぁ、ヒラエスあんたすげぇ体験をしたもんだなぁ。幽騎士なんぞ早々会わんでしょうに、不運なことですなあ。」
「なぜあの場で遭遇したのかはわからない。普通あの場所に出るはずはないからな。出会いは不運だが、生還できたことは運が良かったとしか言いようがない。」
少しづつ喧騒の戻ってきた周りを尻目に、ヒラエスはグラスを呷った。
「満足したか、グリント。」
グリントを見ると上品なニヤケ顔が目に入った。ヒラエスは非常に落ち着きなく感じた。今のは確かに即興で語った、だが実話だった。もしやこいつ信じていないのでは?何を言ったら動じるのかとヒラエスは不安になった。なぜか底知れない不気味さを感じたヒラエスはグリントを視界から外す。
「ああ、何度聞いてもすごい体験だなあ。俺は勘弁したいぜ!」
本気でそうは思ってなさそうな笑みで呑気に言うグリントに対し寒々しい気分で食事を終えると、酒場のあちこちから声をかけられながら席を立つこととなった。どうもここの者たちは先ほどの話をただの冒険譚だと思っているようで、ゼジョフによると、刺激の少ない田舎の生活に一時的な潤いをもたらすものは歓迎されるらしい。幽騎士を撃退したわけでもないが逃走劇も十分な刺激なようだ。この町の平穏さを改めて見に感じたヒラエスは適当に言葉を交わすともみくちゃにされながら店を出た。
「うむ、まえにも体験したが、この歓迎は実に刺激的だな。髪がぐちゃぐちゃだ。」
「前にもか。一体なにをしたんだ。」
乱れた髪を直しながら聞くと、意味深な顔をしてから今度話す今度話すと答える。ゼジョフはニコニコ嬉しそうにするとヒラエスの肩を強めに叩いた。
グリントはほんの少しだけ疲れた顔をすると次は馬屋へ行こうと声をかけた。
ここに閉じ込められて随分経つ。ヒステリックに怒鳴り散らしていた女は、少年を殴りつけたあと躾だと言ってここに押し込んだ。ここに閉じ込められるのはもう5回目だった。最初の1、2回はうパニックになって声が枯れるまで泣き叫んだが、女が気を変えて重しである衣装箱を退けてくれたことはなかった。少年は助けを呼ぶことを諦めてしまって、今では静かに蹲り、出られるときを待つようになった。
こうして何時間も何日も過ごしていると、このまま誰にも見つけられず飢えて死んでいくのではないかという恐怖が少年の頭を占める。汗が止まらず、淀んだ空気はいくら吸っても頭をはっきりさせてくれなかった。全く光が無い闇の中は、自分という形が溶けて失くなってしまっているかのような錯覚を覚える。
だから少年はここに閉じ込められるといつも自分の体を抱きしめ存在を確認するのだが、何も見えないこの闇に抱かれていると、自分の腕ですらないのものに思えて、それでさえ恐怖を助長させるものとなった。息を吐く音も、心臓の鼓動も全てが他人のものだった。暗闇の中から何かが自分を見つめている気がする。開いているかも閉じているのかもわからない目を少年はキツく閉じた。
森を抜けた平原は涼しい風が吹き抜け、月はそこにあるものの形を闇の中にくっきり映し出していた。
幽騎士はこちらをじっと見ているだけで一向に動こうとはしなかった。しかし漂う殺気から、少しでもヒラエスが動けばその魔剣で袈裟斬りにするだろうことは伝わった。あの馬の首を落とした恐ろしく切れ味の良い魔剣は、人の体でさえしっとりとしたケーキのように裂くだろう。
切れていく息に、首の後ろにかいた汗が滴り落ちる。緊張で喉が張り付き、水分だけが失われていくようだった。ヒラエスは幽騎士を刺激しないようゆっくりと手を腰にやった。投擲用の小刀を抜くためだった。しかしそんな微かな動きさえ読んだのか、騎士はヒラエスの一歩手前まで一瞬で詰め寄ると青い残光を残し、激しい動きで斬撃を放った。受け止めることができない剣撃をなんとか地面を転がることで回避する。そこから次々と振り下ろされる攻撃を搔い潜ったところで鋭い刃が右上腕のギリギリをかすった。
傷の確認をすることもできず、切れていく息に焦りながら地べたを這いずるようにみっともなく逃げる。消耗していく体力では間一髪で避けることしかできず、致命傷を負わないまでも身体中の傷はなすすべなく増えていくばかりだった。
絶体絶命の危機といったところで幸か不幸か、足場は沼地に差し掛かった。ヒラエスは沼地に倒れ伏し両手両足を使って掻き分け匍匐すると、幽騎士も逃すものかと追いかけ沼地へと歩みを進めた。幽騎士の魔力で形成された実体はなくとも質量の詰まった重い鎧は、いとも簡単に沼地に足を取られた。ここぞとばかりに泥の中を這い進み、とにかく距離を離す。幽騎士は悪い足場に苦戦し抜け出せなくなっていた。ヒラエスはしばらくそうして動き続けるといつの間にか地面は固まった大地へと変わっていた。力を入れて上体を起こし二本足で立つと、ヒラエスはよろめきながら振り返らず走り続けた。
至る所から血が流れ続け目の前は霞んでいたが、足を止めることはできなかった。
足元で飛び跳ねる虫や美しく咲いた白い花を蹴散らしながら半ば引きずるように力尽くで前に進む。苦戦する幽騎士をそのまま引き離していくとといつの間にか遠くへ来たようで、少し先の方向に川のせせらぎが聞こえた。橋ははるか北に一つと、遠く南に一つあるだけだった。
幽霊や疫病は川の流れを渡ることは難しいという迷信がある。この時期の水は凍えるように冷たく、その冷え切った肌を刺すような痛みを思うと頭の奥が強く傷んだが、ヒラエスは意を決して川へ身を躍らせた。ラケル・ヘクトルとパラスダノワの両国間を縦断するように流れているこの川は、流れがゆったりとしていて底に足がつくほどの深さしかない。とはいえ胸元まで浸ると動きは極度に制限される。本来なら橋を渡らねばならぬほどの広さがあり、川底を歩いて渡るのは無茶な話だった。腕を水につけないようにあげたままゆっくり水を割って歩く。最初は全身に火傷を負ったような熱さににた冷たさを感じ、それは次第に体を死へ追いやる痛みに代わっていった途中どうしようもないほどの頭痛と吐き気に襲われた立ち止まった。振り返るとまだ幽騎士の姿は無かった。安堵のため息を吐きながら進行方向へ向き直る。まだ川の半分も行ってはいない。進むに従って次第に意識が遠のく気配がする。白く烟る視界の中で息も絶え絶えになり、いつまでもたどり着くことができないだろうと思っていた岸には、気がついたころには手が届く距離にきていた。力を振り絞り岸に這い上がると、震えてまともに動かない腕でどうにか水から逃れることができた。振り返るとぼんやりとした影のような黒い巨体がじっと立っているのが見える。対岸に立つその影はどのようにこちらへ渡るか考えあぐねているようである。
つかの間の休息に全身の力を抜き倒れこむ。眠ってしまいそうになりながら意識を空へ向けていると。何か大きなもの物が入水するときに立てられるような激しい水飛沫の音が聞こえた。恐る恐る、音のほうを見ると幽騎士は川に入りこちらへ向かっていた。
(うそだろう!)
整わない息がさらに乱れ体が引きつった。こうしてはいれないとあわてて腹ばいで逃げる。ヒラエスにはもう立つ気力はこれっぽっちも残されていなかった。逃げなくては死ぬという動物的な本能だけで動いているが、心はほとんどあきらめかけていたのだ。そもそもここまで逃げてこれたことがヒラエス自身にも不思議だった。自分の命にこれほどの執着があった、というよりみっともなくあがくほど死への恐怖心があったのだろうかという考えが頭をよぎった。
飛沫の音はだんだんと近づいている、ヒラエスは四つん這いになると先ほどよりかは幾分か速い速度で動き始めた。
しんと静まり返った酒場に、誰かの深いため息が響いた。ヒラエスは一連の出来事を感情を抜きにした客観性のある語りで静かに語った。のどの渇きを癒すため、いつの間にか注がれていた水を口に含むと、ゼジョフは身を乗り出し興奮した面持ちで聞いてきた。
「それで、どうなったんです?」
「どうもこうも、期待させて悪いが死なずに逃げてきただけさ。上手くまけたぞ。」
正確にはその後、何とか西にいき近くの町のオジエルまでたどり着くことができたが、今この場ではそのまま南下し牧地に入ったとことにしている。
「はぁ、ヒラエスあんたすげぇ体験をしたもんだなぁ。幽騎士なんぞ早々会わんでしょうに、不運なことですなあ。」
「なぜあの場で遭遇したのかはわからない。普通あの場所に出るはずはないからな。出会いは不運だが、生還できたことは運が良かったとしか言いようがない。」
少しづつ喧騒の戻ってきた周りを尻目に、ヒラエスはグラスを呷った。
「満足したか、グリント。」
グリントを見ると上品なニヤケ顔が目に入った。ヒラエスは非常に落ち着きなく感じた。今のは確かに即興で語った、だが実話だった。もしやこいつ信じていないのでは?何を言ったら動じるのかとヒラエスは不安になった。なぜか底知れない不気味さを感じたヒラエスはグリントを視界から外す。
「ああ、何度聞いてもすごい体験だなあ。俺は勘弁したいぜ!」
本気でそうは思ってなさそうな笑みで呑気に言うグリントに対し寒々しい気分で食事を終えると、酒場のあちこちから声をかけられながら席を立つこととなった。どうもここの者たちは先ほどの話をただの冒険譚だと思っているようで、ゼジョフによると、刺激の少ない田舎の生活に一時的な潤いをもたらすものは歓迎されるらしい。幽騎士を撃退したわけでもないが逃走劇も十分な刺激なようだ。この町の平穏さを改めて見に感じたヒラエスは適当に言葉を交わすともみくちゃにされながら店を出た。
「うむ、まえにも体験したが、この歓迎は実に刺激的だな。髪がぐちゃぐちゃだ。」
「前にもか。一体なにをしたんだ。」
乱れた髪を直しながら聞くと、意味深な顔をしてから今度話す今度話すと答える。ゼジョフはニコニコ嬉しそうにするとヒラエスの肩を強めに叩いた。
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