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一章 あれ?治ってる?
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「おいしかった。ありがとう、霧夜」
最近食よくがなくてぜんぜんたべれなかったのに、ぜんぶ、たべれた。霧夜のおかげだなぁ。痛いのもなくなったし、肌のくろいところもうすくなった。
「別にこのくらいは…。むしろお前はいつも強がるんだから病気の時くらい甘えてくれ。強がらないでくれ。生きてる心地がしないから」
霧夜の声、ふるえてる。ごめん。ごめんね、霧夜。
「でも、私は霧夜に弱ってるのを見せたくなかったの。きれいなままの思い出でよかったんだよ」
つらくて、くるしかったけど霧夜に見せるさいごはきれいなままで…。
「お前も俺に村の奴らと同じように嘘をつくのか?晴華。黒鱗病は治ったんだから偽る必要はないだろ。”まだ”最後じゃない。…始まってすらいない」
霧夜?もうはじまってるよ。
「晴華ー、霧夜くん、ご飯はたべれた?入るわよ」
「お母さん、ご飯ぜんぶたべれたよ。おいしかった」
「全部食べれたの。そう、良かった。それにしても昨日までほとんど食べれなかったのに…。あ、やっぱり霧夜くんがいるからかしら?」
「なんでかは秘密です」
あ、霧夜がわるいかお?してる。霧夜がいるといつものことがキラキラするなぁ。
「ねぇ、お母さん。裏山のいずみで水浴びしてきていい?からだがベタベタして気持ちわるいよ」
「でも晴華、病気は大丈夫なの?うごけるの?」
「うん、霧夜のおかげでだいじょぶになったからへいき」
「でも……」
だいじょうぶだって言ってるのに!
「俺がついていきますから大丈夫です。これでもいざとなったら晴華くらい運んでみますよ」
ん?私くらい?そんなに軽くないはずなんだけど…。
「うーん、まぁ霧夜くんがついてるなら安心ね。気分転換にもなるだろうし気をつけて行ってくるのよ。安全第一に」
『はーい』
「晴華は私がやるから霧夜くんは一度家に戻って濡れた時用の着替えとかとってきたらどう?」
「分かりました。ちょっと離れます」
お母さん、霧夜がぬれるぜんてい...。まぁ、いつもそんな感じだからびしょびしょで帰ってくるよりはいいのかな。それにしてもお母さんからの信用がない!なんにも変なことしてないのに。バタンとドアの閉まる音がする。なんだか部屋のなかがあつくなった。
「ほら、晴華。起きられそう?体は大丈夫?」
お母さんに支えられながらゆっくりからだをおこす。
「もう大丈夫だよ、霧夜がなおしてくれて楽になったから」
「黒鱗病を…?でも、不思議な霧夜くんならありえるのかしら」
「ありえるよ、だって霧夜だもん!」
ほんとに霧夜さまさまだなぁ。なんでもできる。…ありがたいなぁ。そう思うとなみだがでてきた。霧夜がいなかったらいま、こうやってたのしめなかったとくるしんでるとおもうと怖かった。今ごろになって怖くなった。
「…ほんとに霧夜さまさまだよね」
「晴華、泣くことは許されないわよ。一族の約束を破るのはあってはならないわ。笑いなさい、最後まで」
「ごめんなさい、お母さま」
「ほら、はやく準備する!霧夜くんを病気だからっていって待たせるんじゃない!」
「はい、分かりました」
お母さまの言うことは絶対。従わなきゃ…。ただえさえうごかない体をむりやりうごかす。ずっと寝ていたせいで体がかたまっている。それでもなんとか一人でよういを終えることができた。
「晴華?用意できたか?入るぞ」
「うん、もうできたよ、霧夜」
「ごめんね、霧夜くん。待たせちゃって」
「いえ、大丈夫です」
あ、お母さまじゃなくなってるいつもの優しいお母さんだ。よかった…。
「そろそろ行こう、晴華」
「じゃあ、お母さん行ってきます!」
「病気だってことをわすれないで安全に気をつけていくのよ」
「はーい、わかってる!」
はやくいずみにつかないかなぁ。霧夜に支えてもらいながら私はいずみへとゆっくり足をすすめていった。
「霧夜、ありがとうね。守ってくれて」
最近食よくがなくてぜんぜんたべれなかったのに、ぜんぶ、たべれた。霧夜のおかげだなぁ。痛いのもなくなったし、肌のくろいところもうすくなった。
「別にこのくらいは…。むしろお前はいつも強がるんだから病気の時くらい甘えてくれ。強がらないでくれ。生きてる心地がしないから」
霧夜の声、ふるえてる。ごめん。ごめんね、霧夜。
「でも、私は霧夜に弱ってるのを見せたくなかったの。きれいなままの思い出でよかったんだよ」
つらくて、くるしかったけど霧夜に見せるさいごはきれいなままで…。
「お前も俺に村の奴らと同じように嘘をつくのか?晴華。黒鱗病は治ったんだから偽る必要はないだろ。”まだ”最後じゃない。…始まってすらいない」
霧夜?もうはじまってるよ。
「晴華ー、霧夜くん、ご飯はたべれた?入るわよ」
「お母さん、ご飯ぜんぶたべれたよ。おいしかった」
「全部食べれたの。そう、良かった。それにしても昨日までほとんど食べれなかったのに…。あ、やっぱり霧夜くんがいるからかしら?」
「なんでかは秘密です」
あ、霧夜がわるいかお?してる。霧夜がいるといつものことがキラキラするなぁ。
「ねぇ、お母さん。裏山のいずみで水浴びしてきていい?からだがベタベタして気持ちわるいよ」
「でも晴華、病気は大丈夫なの?うごけるの?」
「うん、霧夜のおかげでだいじょぶになったからへいき」
「でも……」
だいじょうぶだって言ってるのに!
「俺がついていきますから大丈夫です。これでもいざとなったら晴華くらい運んでみますよ」
ん?私くらい?そんなに軽くないはずなんだけど…。
「うーん、まぁ霧夜くんがついてるなら安心ね。気分転換にもなるだろうし気をつけて行ってくるのよ。安全第一に」
『はーい』
「晴華は私がやるから霧夜くんは一度家に戻って濡れた時用の着替えとかとってきたらどう?」
「分かりました。ちょっと離れます」
お母さん、霧夜がぬれるぜんてい...。まぁ、いつもそんな感じだからびしょびしょで帰ってくるよりはいいのかな。それにしてもお母さんからの信用がない!なんにも変なことしてないのに。バタンとドアの閉まる音がする。なんだか部屋のなかがあつくなった。
「ほら、晴華。起きられそう?体は大丈夫?」
お母さんに支えられながらゆっくりからだをおこす。
「もう大丈夫だよ、霧夜がなおしてくれて楽になったから」
「黒鱗病を…?でも、不思議な霧夜くんならありえるのかしら」
「ありえるよ、だって霧夜だもん!」
ほんとに霧夜さまさまだなぁ。なんでもできる。…ありがたいなぁ。そう思うとなみだがでてきた。霧夜がいなかったらいま、こうやってたのしめなかったとくるしんでるとおもうと怖かった。今ごろになって怖くなった。
「…ほんとに霧夜さまさまだよね」
「晴華、泣くことは許されないわよ。一族の約束を破るのはあってはならないわ。笑いなさい、最後まで」
「ごめんなさい、お母さま」
「ほら、はやく準備する!霧夜くんを病気だからっていって待たせるんじゃない!」
「はい、分かりました」
お母さまの言うことは絶対。従わなきゃ…。ただえさえうごかない体をむりやりうごかす。ずっと寝ていたせいで体がかたまっている。それでもなんとか一人でよういを終えることができた。
「晴華?用意できたか?入るぞ」
「うん、もうできたよ、霧夜」
「ごめんね、霧夜くん。待たせちゃって」
「いえ、大丈夫です」
あ、お母さまじゃなくなってるいつもの優しいお母さんだ。よかった…。
「そろそろ行こう、晴華」
「じゃあ、お母さん行ってきます!」
「病気だってことをわすれないで安全に気をつけていくのよ」
「はーい、わかってる!」
はやくいずみにつかないかなぁ。霧夜に支えてもらいながら私はいずみへとゆっくり足をすすめていった。
「霧夜、ありがとうね。守ってくれて」
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