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第9章☆アルとルナ
6ディオール
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レグルス殿下とのダンスが終わった。
何やらアル達が集まっている。
レグルス殿下と顔を見合わせて、「行こう」
そう言われて、アル達の所へ向かった。
「──申し訳ありませんが、私は、これっぽっちも、この男に恋愛感情はありません」
この声、ディオ?
この男って…アルの事?
側に近づいた時、皆の視線が僕に集まる。
「えっ、と。どうしたの?」
はぁ、とため息をついたディオが、僕の前に向き直す。
「ルナ様、私とアルファルド殿下の事をどこまで聞いていますか?噂は知っていますか?」
噂?
「幼馴染だと、アルから聞いています。噂は、知りません」
ディオがシリウス兄様を見て、アルを見て
「話すけど、いい?」
嫌そうな顔をしたアルが頷く。
「アルファルド殿下の相手として、婚約者候補になりかけてた話があるんです。
そんな、顔しないでください。
立ち消えしたんですよ、この話は」
幼馴染と言うのに、なんか余所余所しい感じは、婚約者になりかけていたから?
候補で終わったからアルは、態々言わなかったのかも知れない。
「だが、愛人候補としての噂が出ている。アルファルド殿下の後ろ盾にする為に」
そう言ったのは、カストル様だ。
愛人…候補。
そう、なの?
「それは、噂で、全くのデマだ」アルがすぐに否定した。
「本当に?」
つい、言葉に出てしまった。
「ああもう、無いんですよ。
あり得ない」
ディオが、やれやれと続けて話す。
「ルナ様…閨教育受けましたか?房事相手は、女?男?どちらかつきましたか?」
え、閨?
皆の前で答えるの?
頬が、熱い。
「あの、一応、女の人とのやり方の説明を受けて、男の人は、何と無く…分かります。でも、指南書みたいな物を読む様に渡されて、そこまでです」
「もしかして、精通して無いとか言いませんよね?」
「し、してます!」
かぁぁぁ、顔が真っ赤になる。ヤバい、何これ、なんで皆の前で質問されているの。
「房事の経験はまだか。本とかだけ?とりあえず男女のやり方は分かってますね。
なら…男相手は、抱かれる方と抱く方がありますが、ルナ様はどちらですか?」
抱く方と抱かれる方…
いや、まだ、昼間でここはダンスの練習場で…皆の前で何聞かれちゃってんの?
皆、黙って僕を見ている。
何これ、スピカも赤い顔して僕を見ている。なんか変な想像してない?
「真っ赤…可愛い。アルファルド殿下は、ルナ様に抱かれたい?」
ディオが、アルの方を見て質問している。
「んな、訳ないだろ」
アルが僕を抱く──そ、だよね。体格的にも。僕がアルを襲っている姿、思い浮かばないし。
「分かんないだろ?抱きたいかも知れないし」
む、りだと思います。
ヤバい、顔が熱いんだけど。
「まぁ、やり方は、ルナ様でも分かるみたいだね。
私…面倒だな、俺は抱かれる側じゃないんだよね。
抱きたいの。
貴族に生まれた以上、政略結婚なんて受け入れる覚悟は出来ている。どんな年寄りでも、後添いでも構わないんだ。まぁ、男が良いけど。女でも我慢は出来る。
一つだけ、どうしても抱かれるのは、無理だ。それだけは無理なんだよ。アルが抱かせてくれるんなら、愛人でも良いけど?」
これ、ディオの素なのかな?
私が俺になっているし……
ディオがアルを抱く?
「体格いい奴を組み敷きたいんだよね」
そう言ってシリウス兄様やソレイユ様を見た。
いや、いや、ちょっと待って。
アルの方がディオより体格良いし、背も高い。
僕よりはディオの方が大きいけど、この部屋で1番小さいのは、僕。次にスピカ、その次位がディオだけど。
他の皆さんも背高いよ。
ソレイユ様は、ガッチリしてて同級生とは思えないし。もう騎士団に混ざっても違和感無い位に大きいよ。
この、綺麗なディオが、そっちなんだ。
「分かる?ルナ様、俺は体格で判断されるの嫌なんだよ。まぁ、伯爵も男に抱かれるのは考えられない人だったからな。いくら見た目がこんなんでもね。嫌だって事は、分かってもらったよ」
「何言っている、無茶しただろうが。
俺との婚約を阻止する為に、12歳の時に50歳近い男爵の後添いとして婚約の申し込みをさせてくれと、伯爵を説得しに行っただろう……あの気持ちの悪い……男を選ぶ程、嫌なら婚約はさせないって伯爵に言わせてただろうが」
そんなに嫌だったんだアルとの婚約。
「領地の場所が良かったし、伯爵家に利益のある婚約なら、説得出来ると思っただけだ。悪いか?男爵は太り過ぎて、病気だったからな。数年後には自由になれるはずだったから。男爵領をもらって、伯爵家から離れられる。悪い話じゃない」
悪びれた感も無く、自由の為だと笑う。
「だから、俺とアルは何にも無いんだよ。ルナ様の反応も見たいけど、お子様感が半端ないから勃ちそうもないな。そっか、精通はしてたか、良かったなアル。
なぁ、溜まったままにしてたら身体に悪いからたまに、アルに抜いてもらいな」
ニヤッと笑い、アルを見る。
アルの顔が、少し赤い気がする。
そして、ディオは真顔になって、シリウス兄様を見た。
「これが、真実ですよ。シリウス様」
先程の言葉使いから、いつものディオに戻っていた。
何やらアル達が集まっている。
レグルス殿下と顔を見合わせて、「行こう」
そう言われて、アル達の所へ向かった。
「──申し訳ありませんが、私は、これっぽっちも、この男に恋愛感情はありません」
この声、ディオ?
この男って…アルの事?
側に近づいた時、皆の視線が僕に集まる。
「えっ、と。どうしたの?」
はぁ、とため息をついたディオが、僕の前に向き直す。
「ルナ様、私とアルファルド殿下の事をどこまで聞いていますか?噂は知っていますか?」
噂?
「幼馴染だと、アルから聞いています。噂は、知りません」
ディオがシリウス兄様を見て、アルを見て
「話すけど、いい?」
嫌そうな顔をしたアルが頷く。
「アルファルド殿下の相手として、婚約者候補になりかけてた話があるんです。
そんな、顔しないでください。
立ち消えしたんですよ、この話は」
幼馴染と言うのに、なんか余所余所しい感じは、婚約者になりかけていたから?
候補で終わったからアルは、態々言わなかったのかも知れない。
「だが、愛人候補としての噂が出ている。アルファルド殿下の後ろ盾にする為に」
そう言ったのは、カストル様だ。
愛人…候補。
そう、なの?
「それは、噂で、全くのデマだ」アルがすぐに否定した。
「本当に?」
つい、言葉に出てしまった。
「ああもう、無いんですよ。
あり得ない」
ディオが、やれやれと続けて話す。
「ルナ様…閨教育受けましたか?房事相手は、女?男?どちらかつきましたか?」
え、閨?
皆の前で答えるの?
頬が、熱い。
「あの、一応、女の人とのやり方の説明を受けて、男の人は、何と無く…分かります。でも、指南書みたいな物を読む様に渡されて、そこまでです」
「もしかして、精通して無いとか言いませんよね?」
「し、してます!」
かぁぁぁ、顔が真っ赤になる。ヤバい、何これ、なんで皆の前で質問されているの。
「房事の経験はまだか。本とかだけ?とりあえず男女のやり方は分かってますね。
なら…男相手は、抱かれる方と抱く方がありますが、ルナ様はどちらですか?」
抱く方と抱かれる方…
いや、まだ、昼間でここはダンスの練習場で…皆の前で何聞かれちゃってんの?
皆、黙って僕を見ている。
何これ、スピカも赤い顔して僕を見ている。なんか変な想像してない?
「真っ赤…可愛い。アルファルド殿下は、ルナ様に抱かれたい?」
ディオが、アルの方を見て質問している。
「んな、訳ないだろ」
アルが僕を抱く──そ、だよね。体格的にも。僕がアルを襲っている姿、思い浮かばないし。
「分かんないだろ?抱きたいかも知れないし」
む、りだと思います。
ヤバい、顔が熱いんだけど。
「まぁ、やり方は、ルナ様でも分かるみたいだね。
私…面倒だな、俺は抱かれる側じゃないんだよね。
抱きたいの。
貴族に生まれた以上、政略結婚なんて受け入れる覚悟は出来ている。どんな年寄りでも、後添いでも構わないんだ。まぁ、男が良いけど。女でも我慢は出来る。
一つだけ、どうしても抱かれるのは、無理だ。それだけは無理なんだよ。アルが抱かせてくれるんなら、愛人でも良いけど?」
これ、ディオの素なのかな?
私が俺になっているし……
ディオがアルを抱く?
「体格いい奴を組み敷きたいんだよね」
そう言ってシリウス兄様やソレイユ様を見た。
いや、いや、ちょっと待って。
アルの方がディオより体格良いし、背も高い。
僕よりはディオの方が大きいけど、この部屋で1番小さいのは、僕。次にスピカ、その次位がディオだけど。
他の皆さんも背高いよ。
ソレイユ様は、ガッチリしてて同級生とは思えないし。もう騎士団に混ざっても違和感無い位に大きいよ。
この、綺麗なディオが、そっちなんだ。
「分かる?ルナ様、俺は体格で判断されるの嫌なんだよ。まぁ、伯爵も男に抱かれるのは考えられない人だったからな。いくら見た目がこんなんでもね。嫌だって事は、分かってもらったよ」
「何言っている、無茶しただろうが。
俺との婚約を阻止する為に、12歳の時に50歳近い男爵の後添いとして婚約の申し込みをさせてくれと、伯爵を説得しに行っただろう……あの気持ちの悪い……男を選ぶ程、嫌なら婚約はさせないって伯爵に言わせてただろうが」
そんなに嫌だったんだアルとの婚約。
「領地の場所が良かったし、伯爵家に利益のある婚約なら、説得出来ると思っただけだ。悪いか?男爵は太り過ぎて、病気だったからな。数年後には自由になれるはずだったから。男爵領をもらって、伯爵家から離れられる。悪い話じゃない」
悪びれた感も無く、自由の為だと笑う。
「だから、俺とアルは何にも無いんだよ。ルナ様の反応も見たいけど、お子様感が半端ないから勃ちそうもないな。そっか、精通はしてたか、良かったなアル。
なぁ、溜まったままにしてたら身体に悪いからたまに、アルに抜いてもらいな」
ニヤッと笑い、アルを見る。
アルの顔が、少し赤い気がする。
そして、ディオは真顔になって、シリウス兄様を見た。
「これが、真実ですよ。シリウス様」
先程の言葉使いから、いつものディオに戻っていた。
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