83 / 98
81.告白と勇気①
クロと話す為にレノアには別の場所で休んでもらうことにした。もちろんマリア様のところではない。聖遺物もレノアに預ける。特にレリックの方が不満があるようだけど、この先の事を話合いたいと説得した。聖力を抑えてもらい足飾りだけど、レノアの手首に収まっている。
どうやら、足飾りだからといって不本意に定位置に着けられたくないそうだ。レノアに対してブツブツ何かを言っているみたいだ。そんなレノアの口角が僅かにあがる。
どうしたんだろう? そう思った瞬間に手を思いきり振りしばらくして止めた。
『おい……』
「嫉妬は醜いですよ。私はシェリル様が幸せならいいんですから。邪魔はさせません」
『だが、シェリルに何かあったら攻撃する』
どうやら僕が害意を向けられたり、様子がおかしかったらすぐに伝わるらしい。
(クロと二人でいるだけで、ドキドキするのに。それで助けに来られても困る)
「そんなに過保護にしなくてもいいから。あの……それに緊張しただけで助けに来ないでね」
『心臓がドキドキしたら、危険ではないのか?』
「た、助けを求めない限りは、二人だけにしてください」
『嫌だと言ったら?』
「え……嫌いになります」
ちょっと涙目になって、少し睨んでしまった。
『うっ』
「いい加減我儘は止めてください。聖遺物様行きますよ。それにしてもシェリル様は、本当に変なのばかりに好かれますね」
レノアがウィンクをする。
(レノアありがとう)
「面倒だ。さっさと行け」
腕の中のクロもあきれている。二人がようやく姿を消した。
クロと二人になってベッドの所に腰かけた。
どう話したらいいのか、なかなか最初の言葉が見つからない。
腕の中のクロがもぞもぞと動き出す。
「クロ?」
腕から逃れたクロが人型に戻ると、ギュッと抱きしめてきた。
クロの匂い、力強い腕、触れる頬。あたたかい。だけど、血だらけのクロを思い出す。
魔族だから強いはず、大丈夫だとどこかで安心していた。契約を解除された時は悲しくて。それでもそばに居てくれた事に甘えていた。
人より肉体が強いとしても、寿命も僕らよりずっと長くても。それでも魔族だからといって不死身ではないのだ。
弱点だってあるはずだ。強いクロだって、精霊族の人からの傷は簡単には治せないものだったのだから。
「クロ。クロには、弱点あるのかな? あ、弱点を教えて欲しい訳じゃないよ。でも、死んじゃうかもしれないって不安で。僕は置いて行かれるのが嫌で臆病だから。クロを失うとか考えたくなくて……」
必死に言い訳をしている。もっとちゃんと伝えないと駄目なのに。
勇気を振り絞る。
「クロ。ずっと一緒がいい」
少し驚いたのか?一度クロが目を閉じた。ゆっくりと瞼があがって僕を真っ直ぐに見てきた。
「俺は、お前といたらお前を傷つける。ただ一緒にいるだけでは満足できない。抱きたいとシェリルのすべてが欲しいと思っている。だから怖がらせてしまうだろう? ただ、魔王城には行かなければならないから同行はする。それまでは一緒にいるから安心していい。レノアも一緒にいれば自制が効く、問題はない」
自制が効く? だけど、僕はクロに触れて欲しい。
「クロ。僕は、クロが大好きでこの先も離れたくない。そ、それにキスとかしたいから」
「煽るな。キスだけでは終われない」
「だから、閨とか経験した事がないから、どうしたらいいのか分からないのとか、その怖いだけで嫌では……なくて。む、むしろ触って欲しくて……怖がったとしても、ちゃんと教えて下さい」
ベットに押し倒され、クロの綺麗な赤の双眸に囚われる。僕の方がクロが欲しいのだ。ゆっくりと瞳を閉じると、クロと僕の唇が重なった。
どうやら、足飾りだからといって不本意に定位置に着けられたくないそうだ。レノアに対してブツブツ何かを言っているみたいだ。そんなレノアの口角が僅かにあがる。
どうしたんだろう? そう思った瞬間に手を思いきり振りしばらくして止めた。
『おい……』
「嫉妬は醜いですよ。私はシェリル様が幸せならいいんですから。邪魔はさせません」
『だが、シェリルに何かあったら攻撃する』
どうやら僕が害意を向けられたり、様子がおかしかったらすぐに伝わるらしい。
(クロと二人でいるだけで、ドキドキするのに。それで助けに来られても困る)
「そんなに過保護にしなくてもいいから。あの……それに緊張しただけで助けに来ないでね」
『心臓がドキドキしたら、危険ではないのか?』
「た、助けを求めない限りは、二人だけにしてください」
『嫌だと言ったら?』
「え……嫌いになります」
ちょっと涙目になって、少し睨んでしまった。
『うっ』
「いい加減我儘は止めてください。聖遺物様行きますよ。それにしてもシェリル様は、本当に変なのばかりに好かれますね」
レノアがウィンクをする。
(レノアありがとう)
「面倒だ。さっさと行け」
腕の中のクロもあきれている。二人がようやく姿を消した。
クロと二人になってベッドの所に腰かけた。
どう話したらいいのか、なかなか最初の言葉が見つからない。
腕の中のクロがもぞもぞと動き出す。
「クロ?」
腕から逃れたクロが人型に戻ると、ギュッと抱きしめてきた。
クロの匂い、力強い腕、触れる頬。あたたかい。だけど、血だらけのクロを思い出す。
魔族だから強いはず、大丈夫だとどこかで安心していた。契約を解除された時は悲しくて。それでもそばに居てくれた事に甘えていた。
人より肉体が強いとしても、寿命も僕らよりずっと長くても。それでも魔族だからといって不死身ではないのだ。
弱点だってあるはずだ。強いクロだって、精霊族の人からの傷は簡単には治せないものだったのだから。
「クロ。クロには、弱点あるのかな? あ、弱点を教えて欲しい訳じゃないよ。でも、死んじゃうかもしれないって不安で。僕は置いて行かれるのが嫌で臆病だから。クロを失うとか考えたくなくて……」
必死に言い訳をしている。もっとちゃんと伝えないと駄目なのに。
勇気を振り絞る。
「クロ。ずっと一緒がいい」
少し驚いたのか?一度クロが目を閉じた。ゆっくりと瞼があがって僕を真っ直ぐに見てきた。
「俺は、お前といたらお前を傷つける。ただ一緒にいるだけでは満足できない。抱きたいとシェリルのすべてが欲しいと思っている。だから怖がらせてしまうだろう? ただ、魔王城には行かなければならないから同行はする。それまでは一緒にいるから安心していい。レノアも一緒にいれば自制が効く、問題はない」
自制が効く? だけど、僕はクロに触れて欲しい。
「クロ。僕は、クロが大好きでこの先も離れたくない。そ、それにキスとかしたいから」
「煽るな。キスだけでは終われない」
「だから、閨とか経験した事がないから、どうしたらいいのか分からないのとか、その怖いだけで嫌では……なくて。む、むしろ触って欲しくて……怖がったとしても、ちゃんと教えて下さい」
ベットに押し倒され、クロの綺麗な赤の双眸に囚われる。僕の方がクロが欲しいのだ。ゆっくりと瞳を閉じると、クロと僕の唇が重なった。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。