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第4章 獣人
1リオ①
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ガイアの恋人……楽しみだな。
「どんな子を連れてくるんだろう?」
あの、ガイアが大切に隠している相手を気にならない奴はいないだろう。
テリーの店では、邪魔が入った。まぁ、爵位も男爵位まで落ちたのだから……これ以上の無謀な事はしてこないはず。
商会も違法取引をしていた訳だしさらに問題を起こせば貴族では、無くなってしまうだろう。それを理解して大人しくしてくれるといいのだが。
気を付けるべき相手だが、有力な貴族の味方もいない。周りもまきこまれたくないはずだ。しばらく監視を強めて様子を見て落ち着いたら、監視は弛めて行けば問題ないかな。
それにしても溺愛状態のガイアを見れるのは面白しろそうだ。
「リオ様。ニヤニヤし過ぎですよ」
クリスの呆れ顔に、思わず笑う。
「お前も楽しみだろ?クリス。あのガイアの恋人だ。テリーが美人って言っただろう?
抱きしめて魔術拘束で転移したんだ。よっぽどの相手だ」
何だその目は、何か変な事を言ったか?
じっと、クリスを見ていると肩をすくめられた。
「転移ですよ?大切な相手なら私も使います」
「お前もか……」
嘘だろう?魔術拘束とか、犯罪者を逃がさないような魔術じゃないか。なんて愛が重いんだ。信じられない。
「その、残念そうな顔をしないで下さい。貴方が魔術拘束を使わないのは、恋人が強すぎるからでしょう?」
「───言うな」
あの愛らしさに反して、腕は相当な物だ。それを承知で婚約をしたのだから。
「あんなに可愛らしい令嬢が、護衛騎士並の剣士ですからねぇ」
「いいんだ。留守を任せることも出来る。辺境伯の相手にぴったりだろう?」
「確かに。ヘナチョコのリオ様より勇敢です。ベタ惚れに関しては、リオ様も大概ですが」
逆に面白がられてしまうのは、嫌だな。
ゴホンっと1つ咳払いをした。
「クリス……俺の話は無しだ」
「リオ様。もうそろそろだと思いますよ?」
「また、転移で来るんだろうな?」
ガイア1人ではなく、恋人も連れてくるのにあの陣を使うのか……
「ガイア様は、特別ですから」
クリスに心を、読まれてしまう。
辺境伯邸の一室に転移陣が描かれている。
あれを使いこなせるのは、ガイア位だ。
古代式とか、遺物とか言われている代物で、その陣の複雑さ精巧さは研究者でもお手上げだったのだ。
父上が連れてきた若者は、難なくそれを分解し再構築した上で自身の研究室にも同じものを作った。
「陣で通うのが楽になります」
そう言って転移で平気にやって来る。
魔力量もとんでもなく多いと聞いている。
以前王都からの派遣要請が出た案件をこなす為に、嫌がるガイアを無理に同行させた。難なく解析をして領内に戻る予定日に第2王女が狙われてしまった。ガイアの機転によって犯人を拘束した結果。王家から婚約の打診が来てしまい……ガイアが隣国へ逃亡しかけたんだ。
こちらとしても、ガイアを譲る気は全く無かったのだが……執拗な王家の態度に、ガイアがキレた。
隣国に行かれて仕舞えば、こちらが最悪の状態になる。
ガイアを軍事利用などされたら、たまったものではない。
王家に苦情を申し立て、婚約話は流れた。なんとかフラン領内にいてもらえる事になったんだ。
───大変な損失をする所だった。
「はぁ。怒らせない様にしとこう」
「本当ですよ。あの日々は、恐怖でしか有りませんでした」
「そうだな。あれだけの古代遺物の解析知識と魔術の腕前を考えたら、王家も欲しがるだろうと気づくべきたったな。しかも、美形だ。王女もしつこかったが……実際魔術を使っている姿を見て、ドン引きしてくれたからな」
あれは、わざとだろう。恐がらせ方……が半端なかった。アイツは敵にしてはいけないな。
執事長の声が聞こえた。
ドアの外にガイアが来た様だ。
「入れ」
いよいよ、この目で見れるのだな。さて、恋人とは、どんな子なのだろう。
「どんな子を連れてくるんだろう?」
あの、ガイアが大切に隠している相手を気にならない奴はいないだろう。
テリーの店では、邪魔が入った。まぁ、爵位も男爵位まで落ちたのだから……これ以上の無謀な事はしてこないはず。
商会も違法取引をしていた訳だしさらに問題を起こせば貴族では、無くなってしまうだろう。それを理解して大人しくしてくれるといいのだが。
気を付けるべき相手だが、有力な貴族の味方もいない。周りもまきこまれたくないはずだ。しばらく監視を強めて様子を見て落ち着いたら、監視は弛めて行けば問題ないかな。
それにしても溺愛状態のガイアを見れるのは面白しろそうだ。
「リオ様。ニヤニヤし過ぎですよ」
クリスの呆れ顔に、思わず笑う。
「お前も楽しみだろ?クリス。あのガイアの恋人だ。テリーが美人って言っただろう?
抱きしめて魔術拘束で転移したんだ。よっぽどの相手だ」
何だその目は、何か変な事を言ったか?
じっと、クリスを見ていると肩をすくめられた。
「転移ですよ?大切な相手なら私も使います」
「お前もか……」
嘘だろう?魔術拘束とか、犯罪者を逃がさないような魔術じゃないか。なんて愛が重いんだ。信じられない。
「その、残念そうな顔をしないで下さい。貴方が魔術拘束を使わないのは、恋人が強すぎるからでしょう?」
「───言うな」
あの愛らしさに反して、腕は相当な物だ。それを承知で婚約をしたのだから。
「あんなに可愛らしい令嬢が、護衛騎士並の剣士ですからねぇ」
「いいんだ。留守を任せることも出来る。辺境伯の相手にぴったりだろう?」
「確かに。ヘナチョコのリオ様より勇敢です。ベタ惚れに関しては、リオ様も大概ですが」
逆に面白がられてしまうのは、嫌だな。
ゴホンっと1つ咳払いをした。
「クリス……俺の話は無しだ」
「リオ様。もうそろそろだと思いますよ?」
「また、転移で来るんだろうな?」
ガイア1人ではなく、恋人も連れてくるのにあの陣を使うのか……
「ガイア様は、特別ですから」
クリスに心を、読まれてしまう。
辺境伯邸の一室に転移陣が描かれている。
あれを使いこなせるのは、ガイア位だ。
古代式とか、遺物とか言われている代物で、その陣の複雑さ精巧さは研究者でもお手上げだったのだ。
父上が連れてきた若者は、難なくそれを分解し再構築した上で自身の研究室にも同じものを作った。
「陣で通うのが楽になります」
そう言って転移で平気にやって来る。
魔力量もとんでもなく多いと聞いている。
以前王都からの派遣要請が出た案件をこなす為に、嫌がるガイアを無理に同行させた。難なく解析をして領内に戻る予定日に第2王女が狙われてしまった。ガイアの機転によって犯人を拘束した結果。王家から婚約の打診が来てしまい……ガイアが隣国へ逃亡しかけたんだ。
こちらとしても、ガイアを譲る気は全く無かったのだが……執拗な王家の態度に、ガイアがキレた。
隣国に行かれて仕舞えば、こちらが最悪の状態になる。
ガイアを軍事利用などされたら、たまったものではない。
王家に苦情を申し立て、婚約話は流れた。なんとかフラン領内にいてもらえる事になったんだ。
───大変な損失をする所だった。
「はぁ。怒らせない様にしとこう」
「本当ですよ。あの日々は、恐怖でしか有りませんでした」
「そうだな。あれだけの古代遺物の解析知識と魔術の腕前を考えたら、王家も欲しがるだろうと気づくべきたったな。しかも、美形だ。王女もしつこかったが……実際魔術を使っている姿を見て、ドン引きしてくれたからな」
あれは、わざとだろう。恐がらせ方……が半端なかった。アイツは敵にしてはいけないな。
執事長の声が聞こえた。
ドアの外にガイアが来た様だ。
「入れ」
いよいよ、この目で見れるのだな。さて、恋人とは、どんな子なのだろう。
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