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第18話 セクシーズ・マキュラ3
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(まったくぅ。今日は厄日かしらぁ?)
セクシーズは脱出口の中で、息をひそめていた。
既に外へ出るための扉の前には到着していたが、三姫と同様、脱出口の中にいるべきか外にいるべきかを悩んでいた。
脱出口の中にいれば、三姫が追いかけて来て、狭い通路の中で遠距離攻撃を放たれる危険性がある。
セクシーズは魔法が使えるとはいえ、三姫の遠距離攻撃を上回っている確証がない。
一方、外に出れば自身を監視していた何かが、自身を発見する危険性がある。
相手の視界から逃れたというメリットを、みすみす殺すことになる。
であれば、地下に姿を隠したままの方が安全だというのが、セクシーズの出した結論だった。
もっとも、自身を監視していた何かが、地下さえも覗き見ることができるのであれば、この安全はひっくり返る。
(さあてぇ、どうしたものかしらねぇ)
今セクシーズにできることは、考えることだけだ。
脱出口は狭く、誰かが近づけば足音が響く。
故に、静寂が蔓延る現状では、三姫が脱出口を通って追いかけてきている可能性は低かった。
であれば、セクシーズにとっての最善は、このまま隠れ続けるか、脱出口の出口に近づいてきた三姫に不意打ちすることだ。
(そうねぇ。ここは、待たせてもらうわぁ。全部、終わるまでねぇ)
セクシーズが待ちを選んだ理由は、もう一つあった。
一向に、セクシーズの性欲が高まらないのだ。
ここまで男をお預けをされていれば、いつものセクシーズであれば怒りを放出するのと同じくらいに、性欲を解放させなければ気が狂いそうになる。
だが、今のセクシーズには、性欲の高ぶりが発生しなかった。
それはつまり、セクシーズ自身の状態も時間停止しているということであり、空腹欲も睡眠欲も気にすることなく隠れ続けることができる状態だということだ。
時間停止が魔法と仮定すれば、必ず魔法の効果が切れる時が来る。
セクシーズは、ただ待った。
外から、風の音や鳥の鳴き声が聞こえるまで。
(待つのは、得意分野なんだからぁ)
一方の三姫は、ドローンをひたすら飛ばしていた。
ドローンたちは館を飛び出して、館からぐんぐん離れていく。
脱出口であれば、出口は遠く離れたところにあると考えるのが一般的だ。
よって三姫は、周辺でなく遠方を探索対象とした。
だが、遠方にすればするほど探索範囲が広くなり、探索に時間がかかることもわかっていた。
時間停止が止まるまでの時間との勝負。
徐々に三姫の表情に焦りが見えてきた。
(どうする? どうする?)
三姫は、暖炉の奥の穴を見る。
最悪なのは、この中にまだセクシーズが潜んでいる場合だ。
その場合、ドローンで発見することはできない。
ならば、ドローンを飛ばし終えた三姫が次にやることは、セクシーズが脱出口に留まっている可能性に備えて、セクシーズを脱出口から追い出すことだ。
三姫は鞄をあさって、使えそうな道具を探していく。
「あった! これなら」
そして手にしたのは、煙玉。
本来であれば逃亡用の目くらましとして煙を出すだけだが、煙が目に染みるとなかなか痛い。
また、煙玉の存在を知らない相手であれば、魔法の類と勘違いして煙に触れないように逃げる可能性もある。
三姫は、それにかけた。
脱出口の中に煙玉を投げ入れて、暖炉の穴をテーブルで塞いだ。
煙玉はシューシューと音を立てて、脱出口の中に煙を充満させていく。
暖炉の穴に向かう煙は行き止まりに気づいて引き返し、奥へ奥へと進んでいく。
セクシーズが辿った道を、煙が追うように辿っていく。
最初にセクシーズに届いたのは、匂いだった。
(なにかしらぁ。この匂いぃ)
強いにおいを持つ存在など限られている。
セクシーズは、嗅ぎなれた匂いを前に、その正体を判断した。
(……やってくれたわねぇ)
炎であると判断した。
火のない所に煙は立たぬ。
煙玉と言う存在への発想は至らず、充満する煙を炎の魔法がとんでくる前兆だと考えた。
煙玉のない世界で、セクシーズの誤認を誰も責めることはできないだろう。
(水の魔法で迎え撃つぅ? いいえ、こんな狭いところで使っちゃうと、私自身が溺死しちゃう可能性があるわねぇ)
よって、セクシーズは扉を開けて、速やかに外へと出た。
ドローンによって見つからないメリットを捨てるのは大きかったが、生き残る可能性はそれでも脱出したほうが高いと判断した。
外に広がるのは、灰色に染まった深い森。
無音の世界。
そして、銃を構えた三姫。
「……どうして、ここがわかったのかしらぁ?」
「さあね」
銃声が響く。
セクシーズの魂が撃ち抜かれ、セクシーズはその場に倒れて意識を失った。
脱出口の出口からは、さっきよりもいっそう煙が天に向かって登り始めていた。
三姫が脱出口の出口を見つけ出せた理由は、煙だ。
天に昇る煙がセクシーズを追い出すだけでなく、三姫に出口の場所を教えていた。
三姫はセクシーズの魂を回収した後、ぐっと背を伸ばす。
「はー、焦った」
時間停止が終わるまで、時間がない。
三姫は即座に後片付けを始め、元の世界へと戻っていった。
セクシーズは脱出口の中で、息をひそめていた。
既に外へ出るための扉の前には到着していたが、三姫と同様、脱出口の中にいるべきか外にいるべきかを悩んでいた。
脱出口の中にいれば、三姫が追いかけて来て、狭い通路の中で遠距離攻撃を放たれる危険性がある。
セクシーズは魔法が使えるとはいえ、三姫の遠距離攻撃を上回っている確証がない。
一方、外に出れば自身を監視していた何かが、自身を発見する危険性がある。
相手の視界から逃れたというメリットを、みすみす殺すことになる。
であれば、地下に姿を隠したままの方が安全だというのが、セクシーズの出した結論だった。
もっとも、自身を監視していた何かが、地下さえも覗き見ることができるのであれば、この安全はひっくり返る。
(さあてぇ、どうしたものかしらねぇ)
今セクシーズにできることは、考えることだけだ。
脱出口は狭く、誰かが近づけば足音が響く。
故に、静寂が蔓延る現状では、三姫が脱出口を通って追いかけてきている可能性は低かった。
であれば、セクシーズにとっての最善は、このまま隠れ続けるか、脱出口の出口に近づいてきた三姫に不意打ちすることだ。
(そうねぇ。ここは、待たせてもらうわぁ。全部、終わるまでねぇ)
セクシーズが待ちを選んだ理由は、もう一つあった。
一向に、セクシーズの性欲が高まらないのだ。
ここまで男をお預けをされていれば、いつものセクシーズであれば怒りを放出するのと同じくらいに、性欲を解放させなければ気が狂いそうになる。
だが、今のセクシーズには、性欲の高ぶりが発生しなかった。
それはつまり、セクシーズ自身の状態も時間停止しているということであり、空腹欲も睡眠欲も気にすることなく隠れ続けることができる状態だということだ。
時間停止が魔法と仮定すれば、必ず魔法の効果が切れる時が来る。
セクシーズは、ただ待った。
外から、風の音や鳥の鳴き声が聞こえるまで。
(待つのは、得意分野なんだからぁ)
一方の三姫は、ドローンをひたすら飛ばしていた。
ドローンたちは館を飛び出して、館からぐんぐん離れていく。
脱出口であれば、出口は遠く離れたところにあると考えるのが一般的だ。
よって三姫は、周辺でなく遠方を探索対象とした。
だが、遠方にすればするほど探索範囲が広くなり、探索に時間がかかることもわかっていた。
時間停止が止まるまでの時間との勝負。
徐々に三姫の表情に焦りが見えてきた。
(どうする? どうする?)
三姫は、暖炉の奥の穴を見る。
最悪なのは、この中にまだセクシーズが潜んでいる場合だ。
その場合、ドローンで発見することはできない。
ならば、ドローンを飛ばし終えた三姫が次にやることは、セクシーズが脱出口に留まっている可能性に備えて、セクシーズを脱出口から追い出すことだ。
三姫は鞄をあさって、使えそうな道具を探していく。
「あった! これなら」
そして手にしたのは、煙玉。
本来であれば逃亡用の目くらましとして煙を出すだけだが、煙が目に染みるとなかなか痛い。
また、煙玉の存在を知らない相手であれば、魔法の類と勘違いして煙に触れないように逃げる可能性もある。
三姫は、それにかけた。
脱出口の中に煙玉を投げ入れて、暖炉の穴をテーブルで塞いだ。
煙玉はシューシューと音を立てて、脱出口の中に煙を充満させていく。
暖炉の穴に向かう煙は行き止まりに気づいて引き返し、奥へ奥へと進んでいく。
セクシーズが辿った道を、煙が追うように辿っていく。
最初にセクシーズに届いたのは、匂いだった。
(なにかしらぁ。この匂いぃ)
強いにおいを持つ存在など限られている。
セクシーズは、嗅ぎなれた匂いを前に、その正体を判断した。
(……やってくれたわねぇ)
炎であると判断した。
火のない所に煙は立たぬ。
煙玉と言う存在への発想は至らず、充満する煙を炎の魔法がとんでくる前兆だと考えた。
煙玉のない世界で、セクシーズの誤認を誰も責めることはできないだろう。
(水の魔法で迎え撃つぅ? いいえ、こんな狭いところで使っちゃうと、私自身が溺死しちゃう可能性があるわねぇ)
よって、セクシーズは扉を開けて、速やかに外へと出た。
ドローンによって見つからないメリットを捨てるのは大きかったが、生き残る可能性はそれでも脱出したほうが高いと判断した。
外に広がるのは、灰色に染まった深い森。
無音の世界。
そして、銃を構えた三姫。
「……どうして、ここがわかったのかしらぁ?」
「さあね」
銃声が響く。
セクシーズの魂が撃ち抜かれ、セクシーズはその場に倒れて意識を失った。
脱出口の出口からは、さっきよりもいっそう煙が天に向かって登り始めていた。
三姫が脱出口の出口を見つけ出せた理由は、煙だ。
天に昇る煙がセクシーズを追い出すだけでなく、三姫に出口の場所を教えていた。
三姫はセクシーズの魂を回収した後、ぐっと背を伸ばす。
「はー、焦った」
時間停止が終わるまで、時間がない。
三姫は即座に後片付けを始め、元の世界へと戻っていった。
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