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第二章
第二十話 千也に来たメール
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ギルド[エンジェル・ハーツ]は二週間ばかり試練の塔でセノンに基礎をみっちり教え込まれていた。
そして、ある日。
現実世界のセノンに一通のメールが届いた。
セノン、本名、瀬乃千也はセカルドで疲れ果て、あるアパートの一室のベッドで横になっていた。
彼のスマートフォンからメールの着信音が鳴ると、彼は起き上がってその内容を確認する。
――瀬乃さま
あなたは、セカルドの代表議会により、テスターに選ばれました。
あなたに行ってもらうことは、新世界の冒険です。
なお、これはあなた一人ではなく、あなた様のギルドメンバーもご一緒に付いて行くことが出来るようになっております。
場所は以下のURLからループを使い来ることが出来るようになっています。
tgnmyh.mnndiskbkmtwrd.nkykstn/11112222
なお、これより連絡事項に移させてもらいます。
日程:七月一日~七月十四日
開始時間:午前十時
*何かご質問があれば返信メールでお知らせください*
それでは、明日お会いできることを楽しみにしています。
千也は新しい世界のベータテスターに選ばれたのだ。
千也は嬉しかったが、行われる初日がまだ一週間先であるためギルドのみんなへの連絡は明日することにした。
そう、この日もずっとセカルドで、戦いの基本を四人にみっちりと教えていたため疲れがあった。
そして、この日は喜びを誰にも言うことのないまま寝落ちをしてしまう。
メールが来てから一晩が明けた。
千也はベッドの上から起き上がると、一度スマートフォンの電源をつけ、画面を見る。
画面の時間は九字三十分。いつもと同じ時間だ。
千也は起き上がった後、洗面所に行き、顔を洗い、歯磨きを済ませる。その後、寝室とは別の部屋に移動する。そこでは、テレビの画面をつけ、一度フカフカのソファでくつろいだ。
千也はいつもの日課としている、ニュース番組での星座占いを見る。
「今日の一位はてんびん座のあなた。何でも思い通りになる、いい一日となるでしょう! そんなあなたのラッキーアイテムは万年筆――」
千也はふたご座であった。この日の運勢は十二位。最悪の結果だった。そして、ラッキーアイテムは黒いもの。
(何ですか……黒いものって……もう少しはっきりしてくれても……)
昨日の夜は嬉しかったのに、一晩でこんなに運勢は悪くなるものなのかと思った。
しかし、千也は見るのを日課にしているだけ。一位になってもラッキーアイテムを持とう、なんて意識したこのなど一度もない。
まぁ、この日のふたご座は水たまりに足がはまるかも……、という占い結果で、これより悪いことが起こらない一日ならいいことの方が多い、そう感じた。それに、千也は普段、一日セカルドにいてお金をもらっている身であるため、外に出かけることなんてなかった。
千也はいつも買い物はネットショッピングに任せている。
千也は星座占いだけを見ると、その場から立ち上がり、台所に行く。
千也は、冷蔵庫を開け、卵二つ手に取る。自分の足元にある棚の中からボールを一つ手に取り、卵を割り、菜箸でかき混ぜる。この時、牛乳と砂糖を少々加えていた。
フライパンは強火に設定し、オムレツを作る。
千也はオムレツのほかにも、サラダを作り、ココアを温める。
千也はいつも、朝は自分で作っていた。
すべて作り終えた千也は、テレビの前に行き、テーブルに完成した料理を全て並べた。
この日の朝ご飯は、クロワッサンにオムレツ、サラダ、ココア。デザートはマンゴーであった。
千也はテレビを見ながら、ゆっくりと朝食を済ませる。
すべて、食べ終わったら、食器は食器洗浄機に入れた。
この後は録画していたアニメを見て、十一時半まで過ごした。
すると、栄養ドリンクとゼリーを口にして、ベッドに向かう。
ベッドに寝転がった千也はセカルドにログインした。
ログイン後、目が覚めると、宿[BUFFALO]のベッドの上で寝転がっていた。
その後は、ループを使い、試練の塔の隣にある役場に行った。
今日も一番最初についた。
すると、ユリカが付いた。
「セノンさん、おはようございます」
「おはようございます。ユリカさん、今日はみんなが来てから、うれしい報告があります」
「なんですか? それは……まぁ、楽しみに取っておきます!」
ユリカはこの日も天使のような笑顔を振るまっている。
いや、ここまでくると、振る舞いなのではなく、これが彼女の素なのだろう、と思ってしまうことがあった。
すると、そこへ、一香、瑠美、政次が三人そろって登場してきた。
「みんなおはよう」
ユリカはみんなにいつもと同じ挨拶を魅せる。
「今日は、みんなでセノンさんに基礎を学ぶ前に、セノンさんから重大発表があるみたいです! それでは、どうぞ」
「なんと、僕はテスターに選ばれました」
セノンが喜びを隠しきれないように言うと四人からは「おぉー」という声が漏れる。
「今回は新世界の設立にあたって……という感じらしいです。そして、このテストには、テスターに選ばれた人以外も、その人の所属しているギルドメンバーにはいく権利が与えられるらしい」
これには拍手が起こる。
「――まだ、どんな世界になるかは公表されていないですが、皆さんは行きたいですか?」
「行きたいに決まっているじゃないですか!」
ユリカは勢いよく、反応を見せる。
もちろん残りの三人も大賛成であった。
そのため、三人はユリカの後ろから大きくうなずいている。
「そ、そうですか。それでは、皆さんで参加しましょうか。開始日は七月一日。ほかに、詳しいことは前日にまた話しますね」
「「「「はい」」」」
「それでは、それまでにさらに強くなれるように頑張りましょう」
こうして、「エンジェル・ハーツ]は試練の塔で基礎をさらに固め、いつでも戦うことのできる準備をしていた。
そして、ある日。
現実世界のセノンに一通のメールが届いた。
セノン、本名、瀬乃千也はセカルドで疲れ果て、あるアパートの一室のベッドで横になっていた。
彼のスマートフォンからメールの着信音が鳴ると、彼は起き上がってその内容を確認する。
――瀬乃さま
あなたは、セカルドの代表議会により、テスターに選ばれました。
あなたに行ってもらうことは、新世界の冒険です。
なお、これはあなた一人ではなく、あなた様のギルドメンバーもご一緒に付いて行くことが出来るようになっております。
場所は以下のURLからループを使い来ることが出来るようになっています。
tgnmyh.mnndiskbkmtwrd.nkykstn/11112222
なお、これより連絡事項に移させてもらいます。
日程:七月一日~七月十四日
開始時間:午前十時
*何かご質問があれば返信メールでお知らせください*
それでは、明日お会いできることを楽しみにしています。
千也は新しい世界のベータテスターに選ばれたのだ。
千也は嬉しかったが、行われる初日がまだ一週間先であるためギルドのみんなへの連絡は明日することにした。
そう、この日もずっとセカルドで、戦いの基本を四人にみっちりと教えていたため疲れがあった。
そして、この日は喜びを誰にも言うことのないまま寝落ちをしてしまう。
メールが来てから一晩が明けた。
千也はベッドの上から起き上がると、一度スマートフォンの電源をつけ、画面を見る。
画面の時間は九字三十分。いつもと同じ時間だ。
千也は起き上がった後、洗面所に行き、顔を洗い、歯磨きを済ませる。その後、寝室とは別の部屋に移動する。そこでは、テレビの画面をつけ、一度フカフカのソファでくつろいだ。
千也はいつもの日課としている、ニュース番組での星座占いを見る。
「今日の一位はてんびん座のあなた。何でも思い通りになる、いい一日となるでしょう! そんなあなたのラッキーアイテムは万年筆――」
千也はふたご座であった。この日の運勢は十二位。最悪の結果だった。そして、ラッキーアイテムは黒いもの。
(何ですか……黒いものって……もう少しはっきりしてくれても……)
昨日の夜は嬉しかったのに、一晩でこんなに運勢は悪くなるものなのかと思った。
しかし、千也は見るのを日課にしているだけ。一位になってもラッキーアイテムを持とう、なんて意識したこのなど一度もない。
まぁ、この日のふたご座は水たまりに足がはまるかも……、という占い結果で、これより悪いことが起こらない一日ならいいことの方が多い、そう感じた。それに、千也は普段、一日セカルドにいてお金をもらっている身であるため、外に出かけることなんてなかった。
千也はいつも買い物はネットショッピングに任せている。
千也は星座占いだけを見ると、その場から立ち上がり、台所に行く。
千也は、冷蔵庫を開け、卵二つ手に取る。自分の足元にある棚の中からボールを一つ手に取り、卵を割り、菜箸でかき混ぜる。この時、牛乳と砂糖を少々加えていた。
フライパンは強火に設定し、オムレツを作る。
千也はオムレツのほかにも、サラダを作り、ココアを温める。
千也はいつも、朝は自分で作っていた。
すべて作り終えた千也は、テレビの前に行き、テーブルに完成した料理を全て並べた。
この日の朝ご飯は、クロワッサンにオムレツ、サラダ、ココア。デザートはマンゴーであった。
千也はテレビを見ながら、ゆっくりと朝食を済ませる。
すべて、食べ終わったら、食器は食器洗浄機に入れた。
この後は録画していたアニメを見て、十一時半まで過ごした。
すると、栄養ドリンクとゼリーを口にして、ベッドに向かう。
ベッドに寝転がった千也はセカルドにログインした。
ログイン後、目が覚めると、宿[BUFFALO]のベッドの上で寝転がっていた。
その後は、ループを使い、試練の塔の隣にある役場に行った。
今日も一番最初についた。
すると、ユリカが付いた。
「セノンさん、おはようございます」
「おはようございます。ユリカさん、今日はみんなが来てから、うれしい報告があります」
「なんですか? それは……まぁ、楽しみに取っておきます!」
ユリカはこの日も天使のような笑顔を振るまっている。
いや、ここまでくると、振る舞いなのではなく、これが彼女の素なのだろう、と思ってしまうことがあった。
すると、そこへ、一香、瑠美、政次が三人そろって登場してきた。
「みんなおはよう」
ユリカはみんなにいつもと同じ挨拶を魅せる。
「今日は、みんなでセノンさんに基礎を学ぶ前に、セノンさんから重大発表があるみたいです! それでは、どうぞ」
「なんと、僕はテスターに選ばれました」
セノンが喜びを隠しきれないように言うと四人からは「おぉー」という声が漏れる。
「今回は新世界の設立にあたって……という感じらしいです。そして、このテストには、テスターに選ばれた人以外も、その人の所属しているギルドメンバーにはいく権利が与えられるらしい」
これには拍手が起こる。
「――まだ、どんな世界になるかは公表されていないですが、皆さんは行きたいですか?」
「行きたいに決まっているじゃないですか!」
ユリカは勢いよく、反応を見せる。
もちろん残りの三人も大賛成であった。
そのため、三人はユリカの後ろから大きくうなずいている。
「そ、そうですか。それでは、皆さんで参加しましょうか。開始日は七月一日。ほかに、詳しいことは前日にまた話しますね」
「「「「はい」」」」
「それでは、それまでにさらに強くなれるように頑張りましょう」
こうして、「エンジェル・ハーツ]は試練の塔で基礎をさらに固め、いつでも戦うことのできる準備をしていた。
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