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53. シロム、ウィンディーネ様を家族に紹介する
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(シロム視点)
「父さん、家に帰ってから話すよ。ウィンディーネ様、今の様に小さな身体のままいることは出来ますか?」
「シロム様、どうかウィンディーネと呼び捨てにして下さい、シロム様は私の主人なのですから。それと、申し訳ありませんが、今は身体に圧力をかけて無理やり小さくしている状態で、長く続けることはできません。今からでしたら夕暮れくらいまでが限度です。」
ウィンディーネ様は僕にそう答えてから、今度は父さんに向き直った。
「シロム様のお父様ですね。水の精霊ウィンディーネと申します。この度シロム様と契約させていただきました。よろしくお願いします。」
いきなり精霊だと言われ、流石の父さんも口をパクパクするだけで声が出ない。
「と、父さん、とにかく家に帰ろう。ウィンディーネ...さん、付いて来て下さい。」
そう言って無理やり父さんの手を引っ張って歩き出した。カンナが僕の空いている左手を取りながら身体を近づけ、耳元で
「魅力的な人ね。特に胸の辺りが...。」
と言いながら思いっきり僕の腕を抓り上げる。叫ぶのは何とか堪えたが、痛くて涙が出た。
カンナも一緒に我家に戻ると、母さん達はすでに避難の準備を終えたところだった。水や食料、毛布、貴重品などがコンパクトにまとめられている。
「あなた、準備は出来ていますよ。急いで避難しましょう。」
母さんが父さんに呼びかけるが、父さんは複雑な顔をしたまま答えない。
「あ、あの皆、避難する必要はないんだ。ラーズおばさんが言っていた巨人はこちらのウィンディーネ...さんなんだ。ウィンディーネさんは水の大精霊で今は小さくなってくれている。暴れたりしないから大丈夫だよ。」
家族全員が変な目で僕を見る。そりゃそうだよね....
「シロム、熱があるのかしら?きっと神官候補生の授業で疲れているのよ。ちょっと休んだほうが良いわ。」
母さんが心配顔で口にする。幻覚でも見ていると思われた様だ。
「サマンサ、待ってくれ。俺は泉の広場の巨人を見たんだ、そこにいる人と容姿も服装もそっくりだ。それに巨人が消えたと思った途端、シロムの前にその人が立っていたんだ。巨人が小さくなったとしか思えん。」
「ロン、貴方まで疲れているの?」
今度は祖母ちゃんが父さんを心配する。これは何か証拠を見せた方が良さそうだ....。
「ウィンディーネさん、少しだけ大きくなることはできますか。少しで良いですから。」
「はい、ご主人様!」
ウィンディーネ様が嬉しそうに言い、次の瞬間身体が膨れ上がる。
「痛たたた.....。」
天井に強かに頭をぶつけたウィンディーネ様が頭を抱えて蹲る。僕は急いで駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「は、はい。私は大丈夫です。ですが....申し訳ありません........。」
と言いながら頭上を見上げる。天井にはウィンディーネ様の頭が当たった部分に大穴が開いていた。
「だ、大丈夫です。何とかなりますから。」
僕は引き攣った声でそう答え、亜空間から預言者の杖を取り出した。以前アーシャ様は僕の破れた服を神力で修復してくださった。ならば、この杖を使えば同じことが出来るかもしれない。
杖を壊れた天井に向けて修理して欲しいと願うと、時間が巻き戻る様に天井が元に戻る。良かった、これでお客様が来ても大丈夫だ。笑顔で家族の方を見ると全員が驚いて口を大きく開けていた。
「シ、シロム、今のはお前がやったのか?」
父さんが尋ねて来る。しまった! 天井に頭をぶつけるのを見て、一瞬ウィンディーネ様は天然かと思った自分を蹴飛ばしてやりたい。天然なのは僕だった。
「とにかく皆さん、一旦座りませんか? ウィンディーネさんも元通り小さくなって席に着いてください。」
カンナに言われ、僕の2倍くらいの身長になっていたウィンディーネ様が焦った様に元通り小さくなる。家族もカンナに促されて店の一番大きなテーブルの席に着いた。
「シロム、もう最初から話をした方が良いと思うけど。」
「最初って、アーシャ様のことからか?」
「もちろんよ、アーシャ様に出会ったのが発端でしょう。全部白状した方がスッキリするって。はい、シロムも座って。」
アーシャ様からは神域でお別れする時に、今後はアーシャ様の正体を口外しても良いと許可を頂いている。迂闊に話すつもりは無いが家族になら大丈夫だ。でも何から話せば良いだろう....。
「あの、皆驚かせてごめん。実は.....。」
<< シロムさん、今お店の前に居るのだけど、入って良いですか? ウィンディーネさんが中に居るのですよね? >>
「アーシャ様!」
思わず叫んだ。アーシャ様の事を家族に告白しようとしたら、ご本人がやって来られた。
「アーシャさんがどうかしたの?」
母さんが聞いて来るが答えている余裕はない。
<< ウィンディーネ様はこちらに居られます。僕と契約したのです。>>
<< シロムさんと契約したの!? でもそれなら心配することは無いかもしれないわね。私も中に入っても良いかな? ウィンディーネさんとお話がしたいの。でも遊牧民の家族の元に戻ったことになっている私が顔を見せたら不味いわね....。シロムさんが困った状況になければ後にします。>>
<< だ、大丈夫です。実は僕のことが家族にバレてしまって、今から説明するところでした。>>
<< あれまあ! それはすごいタイミングね。じゃあ私も中に入って説明しましょうか? >>
<< 是非お願いします。僕には荷が重いです。>>
「い、今からアーシャ様が入って来られます。」
店の扉が開き、僕の言ったとおりアーシャ様が入って来ると、再び家族の目が驚きで点になった。
「父さん、家に帰ってから話すよ。ウィンディーネ様、今の様に小さな身体のままいることは出来ますか?」
「シロム様、どうかウィンディーネと呼び捨てにして下さい、シロム様は私の主人なのですから。それと、申し訳ありませんが、今は身体に圧力をかけて無理やり小さくしている状態で、長く続けることはできません。今からでしたら夕暮れくらいまでが限度です。」
ウィンディーネ様は僕にそう答えてから、今度は父さんに向き直った。
「シロム様のお父様ですね。水の精霊ウィンディーネと申します。この度シロム様と契約させていただきました。よろしくお願いします。」
いきなり精霊だと言われ、流石の父さんも口をパクパクするだけで声が出ない。
「と、父さん、とにかく家に帰ろう。ウィンディーネ...さん、付いて来て下さい。」
そう言って無理やり父さんの手を引っ張って歩き出した。カンナが僕の空いている左手を取りながら身体を近づけ、耳元で
「魅力的な人ね。特に胸の辺りが...。」
と言いながら思いっきり僕の腕を抓り上げる。叫ぶのは何とか堪えたが、痛くて涙が出た。
カンナも一緒に我家に戻ると、母さん達はすでに避難の準備を終えたところだった。水や食料、毛布、貴重品などがコンパクトにまとめられている。
「あなた、準備は出来ていますよ。急いで避難しましょう。」
母さんが父さんに呼びかけるが、父さんは複雑な顔をしたまま答えない。
「あ、あの皆、避難する必要はないんだ。ラーズおばさんが言っていた巨人はこちらのウィンディーネ...さんなんだ。ウィンディーネさんは水の大精霊で今は小さくなってくれている。暴れたりしないから大丈夫だよ。」
家族全員が変な目で僕を見る。そりゃそうだよね....
「シロム、熱があるのかしら?きっと神官候補生の授業で疲れているのよ。ちょっと休んだほうが良いわ。」
母さんが心配顔で口にする。幻覚でも見ていると思われた様だ。
「サマンサ、待ってくれ。俺は泉の広場の巨人を見たんだ、そこにいる人と容姿も服装もそっくりだ。それに巨人が消えたと思った途端、シロムの前にその人が立っていたんだ。巨人が小さくなったとしか思えん。」
「ロン、貴方まで疲れているの?」
今度は祖母ちゃんが父さんを心配する。これは何か証拠を見せた方が良さそうだ....。
「ウィンディーネさん、少しだけ大きくなることはできますか。少しで良いですから。」
「はい、ご主人様!」
ウィンディーネ様が嬉しそうに言い、次の瞬間身体が膨れ上がる。
「痛たたた.....。」
天井に強かに頭をぶつけたウィンディーネ様が頭を抱えて蹲る。僕は急いで駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「は、はい。私は大丈夫です。ですが....申し訳ありません........。」
と言いながら頭上を見上げる。天井にはウィンディーネ様の頭が当たった部分に大穴が開いていた。
「だ、大丈夫です。何とかなりますから。」
僕は引き攣った声でそう答え、亜空間から預言者の杖を取り出した。以前アーシャ様は僕の破れた服を神力で修復してくださった。ならば、この杖を使えば同じことが出来るかもしれない。
杖を壊れた天井に向けて修理して欲しいと願うと、時間が巻き戻る様に天井が元に戻る。良かった、これでお客様が来ても大丈夫だ。笑顔で家族の方を見ると全員が驚いて口を大きく開けていた。
「シ、シロム、今のはお前がやったのか?」
父さんが尋ねて来る。しまった! 天井に頭をぶつけるのを見て、一瞬ウィンディーネ様は天然かと思った自分を蹴飛ばしてやりたい。天然なのは僕だった。
「とにかく皆さん、一旦座りませんか? ウィンディーネさんも元通り小さくなって席に着いてください。」
カンナに言われ、僕の2倍くらいの身長になっていたウィンディーネ様が焦った様に元通り小さくなる。家族もカンナに促されて店の一番大きなテーブルの席に着いた。
「シロム、もう最初から話をした方が良いと思うけど。」
「最初って、アーシャ様のことからか?」
「もちろんよ、アーシャ様に出会ったのが発端でしょう。全部白状した方がスッキリするって。はい、シロムも座って。」
アーシャ様からは神域でお別れする時に、今後はアーシャ様の正体を口外しても良いと許可を頂いている。迂闊に話すつもりは無いが家族になら大丈夫だ。でも何から話せば良いだろう....。
「あの、皆驚かせてごめん。実は.....。」
<< シロムさん、今お店の前に居るのだけど、入って良いですか? ウィンディーネさんが中に居るのですよね? >>
「アーシャ様!」
思わず叫んだ。アーシャ様の事を家族に告白しようとしたら、ご本人がやって来られた。
「アーシャさんがどうかしたの?」
母さんが聞いて来るが答えている余裕はない。
<< ウィンディーネ様はこちらに居られます。僕と契約したのです。>>
<< シロムさんと契約したの!? でもそれなら心配することは無いかもしれないわね。私も中に入っても良いかな? ウィンディーネさんとお話がしたいの。でも遊牧民の家族の元に戻ったことになっている私が顔を見せたら不味いわね....。シロムさんが困った状況になければ後にします。>>
<< だ、大丈夫です。実は僕のことが家族にバレてしまって、今から説明するところでした。>>
<< あれまあ! それはすごいタイミングね。じゃあ私も中に入って説明しましょうか? >>
<< 是非お願いします。僕には荷が重いです。>>
「い、今からアーシャ様が入って来られます。」
店の扉が開き、僕の言ったとおりアーシャ様が入って来ると、再び家族の目が驚きで点になった。
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