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60. ラナさんのお母さん救出作戦 - 9
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戻ったものの、ここは町の外れだ。ラナさんの近くは人が多くて、目撃されずに転移できる場所が無かったのだ。幸い魔力遮断結界を張る前に行った探査魔法では、ラナさんは先程の広場から動いていない様だ。急いで広場に向かう。あちこちで町の人達が興奮した様子で女神様とドラゴンの話をしているが、町に被害が出なかったからかパニックという感じではない。道に迷いながらなんとか広場にたどり着くと、さすがに先ほどの騒ぎで今日の奴隷オークションは中止となった様で人影は少ない。だが探査魔法で探った時には居たはずのラナさんの姿も無い。もう一度探査魔法を使いたいが、そのためには魔力遮断結界を外さなければならない。どうやら今の私の魔力で魔力遮断結界を外すと、魔法使いだけでなく普通の人でも何かを感じてしまう様なのだ。迂闊に外すわけにはいかない。こんな時に魔法使いの杖があれば良いのだが...。
その時、兵士が5名ほど広場に駆け込み、そのまま広場を横切って細い路地に走って行った。ひょっとしてラナさんに関係があるのではと感じた私は後を追う。するといくらも走らない内にラナさんとドレークさんの姿を見つけた。なんとふたりの周りには地面から生えた短く鋭い刃が並んでいる。アーススピアだ。そしてアーススピアに足を貫かれ悲鳴を上げながらも動けずに立ち尽くしている人相の悪い男達が3人。アーススピアの外側には男達の仲間と思われる、同じく人相の悪い連中が5人程いる。その中にはラナさんの言っていた評判の悪い隣の農園主もいる。確か名前はコントラだったっけ。コントラは兵士達を見ると大声で命令した。
「早くこの女を捕まえろ。暴行犯だ、俺の部下に怪我を負わせた。」
兵士達はコントラに頭を下げるとラナさんに言い放つ、
「女、諦めてアーススピアを解除しろ。コントラさんの部下に怪我を負わせた障害罪で逮捕する。」
ラナさんが理由もなくそんなことをするはずが無い。ラナさんの隣に居るドレークさんの顔を見ると腫れ上がっている。ひょっとしてひどく殴られたのか?
「違います。この人達はドレークさんの持っているお金を奪おうとしたんです。」
とラナさんは必死に兵士に訴えるが、兵士達にはラナさんの言葉が聞こえない様だ。コントラが笑いながらラナさんに言う。
「諦めな、この町で俺に逆らうのが悪いんだよ。兵士にもたっぷりと鼻薬を聞かせてあるからな、誰もお前の言うことなんか聞かないさ。」
なるほどな、兵士も賄賂を貰ってコントラの悪事を目溢ししている訳か。周りには子供の私以外には部外者が居ないとは言え、白昼堂々とこんなことを言うなんて、よほど自信があるんだろうな。ラナさん達を助けたいが、出来るだけ派手な魔法は使いたくない。先ほどの様な騒ぎに成ったら大変だ。もちろんどうしようもなくなったら使うけどね。私は物陰に隠れると光魔法で人間族の大人の女性の姿を取る。アイラ姉さんをモデルにした美人バージョンだ。姉さんは獣人族だから顔が似ていても迷惑は掛かるまい。ちなみに、この魔法は魔力遮断結界の内部で完結するから、結界を張っていても使うことができる。さらに収納魔法で亜空間からララ女王に貰ったハルマン王国のVIPの証であるメダルを取り出した。収納魔法も同様に結界の中でも使用可能だ。
「待ちなさい! そのふたりは私の知り合いです。十分な調査を要求します。」
と後ろから声を掛けると、兵士のひとりが怪訝そうな顔で振り向いた。
「誰だお前は? 関係ないなら黙っていろ。」
とすごんで来る。これが治安を預かる兵士か...。この国は大丈夫だろうかと心配になる。
「関係はありますわ。それと私はこういう者です。」
と言いつつ、兵士の前にハルマン王国VIPの証であるメダルをかざす。メダルに描かれたハルマン王国のマークを見た途端、兵士の表情が変わる。
「失礼しました! ですが、この者達は暴行の現行犯です。」
「暴行というなら、あちらに居るドレークさんも酷い暴行を受けたようですが?」
「...それに、あの女は大金を取られたと主張していますが、あの様な者達が大金を持っているはずがありません。」
「それは不思議ではありません。そのお金は私がドレークさんに渡したものですから。 もしそのお金をそちらの方達が持っているなら、おかしなことに成りますわね。」
「そ、それは...。」
「どうやら、あなた達では話にならない様ですね。もっと上の方を呼んで下さるかしら。嫌というなら私が国王様に直接お話しすることに成りますが。」
「し、失礼しました。直ちに上司に報告します。つきましては、申し訳ありませんがお名前を伺ってもよろしいでしょうか。」
「名前は言えませんが、これでよろしいかしら?」
と言って私はメダルを裏返した。メダルの裏には「草原の魔導士」と書かれている。
「ま、魔導士様。失礼いたしました! ただちに連絡してまいります。」
と言うなり、その兵士は走り去った。すると雲行きがおかしいのに気付いた男達がこっそりと去って行こうとする。私は残りの兵士に向かって命令した。
「あなた達、この方達が逃げ出さない様に見張りなさい。ひとりでも逃がしたら、犯人と繋がっていたとして、それなりの処罰を覚悟してもらいますよ。」
その時、兵士が5名ほど広場に駆け込み、そのまま広場を横切って細い路地に走って行った。ひょっとしてラナさんに関係があるのではと感じた私は後を追う。するといくらも走らない内にラナさんとドレークさんの姿を見つけた。なんとふたりの周りには地面から生えた短く鋭い刃が並んでいる。アーススピアだ。そしてアーススピアに足を貫かれ悲鳴を上げながらも動けずに立ち尽くしている人相の悪い男達が3人。アーススピアの外側には男達の仲間と思われる、同じく人相の悪い連中が5人程いる。その中にはラナさんの言っていた評判の悪い隣の農園主もいる。確か名前はコントラだったっけ。コントラは兵士達を見ると大声で命令した。
「早くこの女を捕まえろ。暴行犯だ、俺の部下に怪我を負わせた。」
兵士達はコントラに頭を下げるとラナさんに言い放つ、
「女、諦めてアーススピアを解除しろ。コントラさんの部下に怪我を負わせた障害罪で逮捕する。」
ラナさんが理由もなくそんなことをするはずが無い。ラナさんの隣に居るドレークさんの顔を見ると腫れ上がっている。ひょっとしてひどく殴られたのか?
「違います。この人達はドレークさんの持っているお金を奪おうとしたんです。」
とラナさんは必死に兵士に訴えるが、兵士達にはラナさんの言葉が聞こえない様だ。コントラが笑いながらラナさんに言う。
「諦めな、この町で俺に逆らうのが悪いんだよ。兵士にもたっぷりと鼻薬を聞かせてあるからな、誰もお前の言うことなんか聞かないさ。」
なるほどな、兵士も賄賂を貰ってコントラの悪事を目溢ししている訳か。周りには子供の私以外には部外者が居ないとは言え、白昼堂々とこんなことを言うなんて、よほど自信があるんだろうな。ラナさん達を助けたいが、出来るだけ派手な魔法は使いたくない。先ほどの様な騒ぎに成ったら大変だ。もちろんどうしようもなくなったら使うけどね。私は物陰に隠れると光魔法で人間族の大人の女性の姿を取る。アイラ姉さんをモデルにした美人バージョンだ。姉さんは獣人族だから顔が似ていても迷惑は掛かるまい。ちなみに、この魔法は魔力遮断結界の内部で完結するから、結界を張っていても使うことができる。さらに収納魔法で亜空間からララ女王に貰ったハルマン王国のVIPの証であるメダルを取り出した。収納魔法も同様に結界の中でも使用可能だ。
「待ちなさい! そのふたりは私の知り合いです。十分な調査を要求します。」
と後ろから声を掛けると、兵士のひとりが怪訝そうな顔で振り向いた。
「誰だお前は? 関係ないなら黙っていろ。」
とすごんで来る。これが治安を預かる兵士か...。この国は大丈夫だろうかと心配になる。
「関係はありますわ。それと私はこういう者です。」
と言いつつ、兵士の前にハルマン王国VIPの証であるメダルをかざす。メダルに描かれたハルマン王国のマークを見た途端、兵士の表情が変わる。
「失礼しました! ですが、この者達は暴行の現行犯です。」
「暴行というなら、あちらに居るドレークさんも酷い暴行を受けたようですが?」
「...それに、あの女は大金を取られたと主張していますが、あの様な者達が大金を持っているはずがありません。」
「それは不思議ではありません。そのお金は私がドレークさんに渡したものですから。 もしそのお金をそちらの方達が持っているなら、おかしなことに成りますわね。」
「そ、それは...。」
「どうやら、あなた達では話にならない様ですね。もっと上の方を呼んで下さるかしら。嫌というなら私が国王様に直接お話しすることに成りますが。」
「し、失礼しました。直ちに上司に報告します。つきましては、申し訳ありませんがお名前を伺ってもよろしいでしょうか。」
「名前は言えませんが、これでよろしいかしら?」
と言って私はメダルを裏返した。メダルの裏には「草原の魔導士」と書かれている。
「ま、魔導士様。失礼いたしました! ただちに連絡してまいります。」
と言うなり、その兵士は走り去った。すると雲行きがおかしいのに気付いた男達がこっそりと去って行こうとする。私は残りの兵士に向かって命令した。
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