攻略済みのゲームに転生した

あぷりこっと

文字の大きさ
19 / 26
やきもち

シュリナ編

しおりを挟む
お兄様と仲の良いサナバート様とタッグを組んだ私たち。
なぜかというと、お互いに好きな人がくっつきそうだから離すために。

サナバート様がアナスタシア嬢を、好きなのに気付くのは早かった。
どの女性にもなびかない彼に、何かあることはすぐに分かった。そしてたどり着いたのがアナスタシア嬢であった。
彼女は可憐であり淑女として素晴らしいとわたしも思うが、たまに変な言葉使いだったり動作だったり、不思議な方。
そんなお方に未来のウィリアム国家を担う方のお嫁さんになんて考えてはならないものよ。

私がその座を奪い取って見せるわ。
最近はアナスタシア嬢も、アルバート様に寄り添う感じが伝わってくる。
彼をみている目も優しくなり、拒否するようなことはしなくなった。

サナバートと、アナスタシアとアルバートは同じくクラス、今日は運動場で魔力向上のために、クラス合同で魔力を使っていく。
どこでどんな魔力を使おうが勝手なのだ。

近くにいたらアナスタシア嬢の腕を掴み、

「私と決闘してくださる?」

とウキウキした顔が沈められなかった。
やっとこの方にやり返しができる。ほぼ八つ当たりなのだが。

「あっすみませんシュリナ様。アルバート様との約束がありますの。」

と言われた。
すると声を聞いたのかアルバート様がいち早くこちらにきた。
私が彼女の腕をとっているのが気にくわないのか、外すように、私が持っている腕を引いた。

「アルバート様?」

私はアナスタシアが触られた腕を名残惜しく眺めていた。アルバート様に掴まれた腕が羨ましく…
悲しくなってしまったが、ここで引いたら女が廃るわ。
お兄様も勝負事に投げて良いわけではないと教えてくれた。
正々堂々勝負して欲しい!アルバート様は私がいただく。

「シュリナ、アナスタシア様に構うなと言っただろう?」

「ですが、私は…」

アルバート様が呆れたように私に向かって構うなと言った。
かなり傷ついた。
愛しい人の言葉は聞きたいが、こればかりは、だめだ。
アナスタシア嬢を倒して、アルバート様を私のものにする。
権力も魔力も美力も上であればアルバート様はきっと私を選んでくれるから。

「アナスタシア様どうですか?私は炎を使います。」

「…私は、そうですね。魔力的にすぐに負けてしまう案件ですのでお引き取りを願いたいですがシュリナ様からの挑戦上であれば受けるしかありませんわ。」

…勝った。
アルバート様は心配そうにアナスタシア嬢を見ているが、彼女も余裕があるのか、アルバート様に「すみませんお約束投げてしまい。」「心配するな、何かあればすぐに助ける。」イチャイチャしないで欲しいわ。
今からアルバート様は私のものになるんだから。

先生が騒ぎを聞きつけやってきたが、私を無碍にできないことは知っている。
隣国の姫ですものね。

「ではこれより、アナスタシア様とシュリナ様の決闘を始める。お互い構え。」

武器を使用しないため、構えるのは手である。
彼女は綺麗な姿勢で立っており、構えと言われても深呼吸を繰り返している。

「はじめ!」

そして一気に私は彼女に向かって炎を飛ばす。
アナスタシア様は花のオールを出しガードした。
そして運動場一面に花が咲き誇る。
何をするつもり?


目を覚めるとそこは医務室。
保健医と、アナスタシア様が不安そうにみていた。

体を起こすと、前にはアルバート様もいた。

「ごめんなさいシュリナ様。私はなんてことを。」

今にも泣きそうなアナスタシア様。
勝負に負けたのは私の様子。
アルバート様は勝ち誇ったように私に微笑んでいた。

「魔力的には私の上のはずなのにどうして!?」

とても言いにくそうにアナスタシア嬢が口籠る。私には負けてはいけない戦いだった。
今も愛おしそうにアナスタシア嬢を見ているアルバート様に勢いで口付けでもしてあげたい。
でも届かない。
まだ体は回復していないみたいで、倦怠感が強い。

なぜ負けたの。

「花の絨毯を引くと、相手の魔力をすいあげることができます。それでその、魔力が暴走してしまって…」

要するに魔力量でもあの時は負けていたのだ。私が一瞬に落ちるほどに。
炎魔法は一度だけ、それにそこまで魔力を使うものでもない。

「そんな、相性も私の方が有利なのに…」

「それが分かっていて、決闘を申し込むなんて汚いな。」

アルバート様の野次が飛んでくる。
確かに相性は私の方が格段に上。
格段に上だから負けるはずがないと思っていたのに…

「そんな相手に負けるなんて姫もまだまだだな。」

厳しい言葉がずしっとのっかかった。
幼少期から魔法は好きではなかったが、10歳過ぎたあたりから、努力を重ねた。
そして得意分野まで成長したはずなのに…

「アナスタシア様いきましょう。今回のことはシュリナ様の自業自得です。」

「ですが、私が暴走しなければ…」

「…なによ、出て行って!お見舞いなんていらないわ!人を馬鹿にして楽しいかしら?」

「そんなつもりはなかったんです。」

アナスタシア嬢は、馬鹿にしているつもりはないようだが、すごく惨めだ。
早くここから居なくなって。アルバート様は居なくならなくて良いのに。
私が飛ばした激昂に、アナスタシア嬢はひどく落ち込んでいた。
そんな彼女をほぼ抱えるようにアルバート様は退室して行った。
保険医も私の元気な姿を見て、安心したのか、仕事に戻って行った。

次は負けないから。
あんな女に、あんな良い男をあげれないわ。
ただ勝負事に負けたのは事実。
おまけに決闘だった。
負けたものは勝ったものの、命令を一つ聞かなければならないルールがある。
私は勝手アルバート様に近づかないようにとお伝えする予定だった。
悔しい。悔しい。悔しい。

次はもっとうまくやるわ!
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

乙女ゲームに転生したので、推しの悲恋EDを回避します〜愛され令嬢は逆ハーはお断りです!

神城葵
恋愛
気づいたら、やり込んだ乙女ゲームのサブキャラに転生していました。 体調不良を治そうとしてくれた神様の手違いだそうです。迷惑です。 でも、スチル一枚のサブキャラのまま終わりたくないので、最萌えだった神竜王を攻略させていただきます。 ※ヒロインは親友に溺愛されます。GLではないですが、お嫌いな方はご注意下さい。 ※完結しました。ありがとうございました! ※改題しましたが、改稿はしていません。誤字は気づいたら直します。 表紙イラストはのの様に依頼しました。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

処理中です...