攻略済みのゲームに転生した

あぷりこっと

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下町デート

繁華街へ

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アナスタシア様に送った庶民コーデは、以前文献で参考にした、ドレスだ。
コルセットなどはつけず、膝下程度の水色のワンピース風になっていた。
後ろにはでかいリボンと前には黒いエプロン、を着用できるものを選択した。髪飾りにはアナスタシア様の髪色が目立たないツバの広い帽子を。

きっと似合う。兄と話したことがあるが、ピンクが似合うと論議していたときに水色も良いのではないかと、二人で論争していた。
結果何色でも似合うのだろうけど。

ウキウキしながら、彼女との待ち合わせ場所に急ぐ。
実は待ち合わせにとても憧れを持っていた。
私とアナスタシア様との創作恋愛小説というものが下町ではやっているとカタリーナ嬢から聞いた。一つ手に取り読んでみるとアナスタシア様を想像で書いたであろう当てはまらない性格と私のクールな性格で書き出されたものだった。
その話の内容に下町デートというものがあり、参考にしようと思った。兄も下町は楽しいところだよと教えてくださったので今回のデートにいいだろうと思い計画した。
アナスタシア様はきっと、お断りの連絡が来るかなと思ったが、来なかったので一安心である。

「楽しみ…早く来ないかな。」

一足早くに私は待ち合わせにいる。
従者は3人影から私を見守っている。
城内では、知らない人はいないであろう私のアナスタシア様への執着。引きながらも、そばに控えてくれる従者に感謝だ。
兄の専属従者であるハボックが、今回はついてきてくれている。
ハボックは、魔力と、武術が最高峰の、伯父様である。兄と馬が合わないようでたまに私の部屋に来て愚痴を言って帰っていく面白い伯父様。

本日の格好は騎士がよく来ている緑のビーコートを来て中にはブラウス、ズボンは軍服が着ている黒色であり、地味に見えるものをチョイスした。
私の髪の色も目立つ金色なので、魔法で黒に変えている。
待つこと30分嫌々そうな顔をしているアナスタシア様が来るかと思っていたが、顔を真っ赤にしたアナスタシア様がやってきた。
想像通りとても似合っている。
何を着ても似合う。いつもの学生服もそうだ。気取ったドレスも似合う。

「なぜ何も言われないんですか?」

「あ、すみません。お似合いですよ。」

「遅れてしまい申し訳ございません。」

ふてくされたように、謝罪が飛んだ。
顔を真っ赤にしているところがまたかわいい。きっと道中にシャネットと何かあったのだろう。後ろでニヤニヤと、主人を見ている従者がいた。

「アルバート様もすごくお似合いです。そのような格好でもやはり目立ってしまいますね。」

不意に出たアナスタシア様の誉。
何故こうも心をかき乱すのだこのお嬢様は。
顔がだんだん赤くなっていくのが自分でもすごくわかる。
好きな人にたとえ地味な服を着ていても褒められると嬉しいものだ。

「とても、強そうに見えます。いつもの制服を着ているアルバート様もまた良いですが、今日のようなラフな格好もまたいいですね。」

ラフとはきっと形式ばっていない、私の格好のことだろうか?
でも褒め言葉なのは伝わってくる。
アナスタシア様には珍しい賛辞に、今日のデートが特別になっていくことが嬉しい。
彼女をエスコートして、馬車に乗る。

「うわ、初めて見ましたが日本の祭りとあまり変わらない風景でびっくりです。」

たまによくわからない言葉が出てくるアナスタシア様。日本とはなんだろう。
下町に着くと、とても賑わいがでている。
下町といっても、この国の中で一番にぎわっているところである。
そこら中に、店舗があり、屋台で客を引き寄せているところもある。

今日はアナスタシア様に何かプレゼントでもと思い、女性に人気である装飾品や、服の店舗が多いところに下車してもらっている。
だが彼女の目に写っているのは、最近流行であるパフェというものだ。
贈り物ではなく餌付けをしているような気分。(前回も芋揚げを喜ばれていた)

「ここに行きましょう!」

案の定パフェのところに指差している。
パフェもとても大きいサイズを選び苺がたくさん載っているものを注文した。
私は甘いものは苦手ではないが、さほど欲しいわけでもないのでコーヒーを頼み、彼女のパフェがくるのをまっている。

店内も女性向けに作っているのかピンクや白や黄色で装飾されている。
小さい女の子が母親と来店している組が多く、私たちは異様に目立っていた。
少し気恥ずかしくなっていると、一人の女の子が、アナスタシア様に指差してながら近づいてきた。

「ねーえ。お姉さんの帽子かわいい」

声をかけられたアナスタシア様はびくりと肩を震わせて横下を向くと、にこりと微笑んで、帽子を彼女にかぶせた。

「わーい!」

帽子の鍔を掴みながら母親のもとに走っていった。
子供好きなのか?意外だった。
アナスタシア様は人を寄せ付けないオーラが出ている時がある。
いま、子供に対して一言も発しなかったが、慈愛に満ちた笑みを子供が去った後も浮かべている。
この人なら、将来も安心だな。

「なんですか?」

慈愛に満ちた微笑みもなくなり、ブスくれて私を見ている。そんな表情も好きだな。

「いいえ、あの帽子はまた贈らせていただきますね。」

驚いた顔をしている彼女に私も驚いた。

「きっとあの子は返しに来ますよ。母親に褒められたいのでしょうね。」

女の子の心理はよくわからないけど、そうなのかな。
確かにあげるなんて一言も言っていないが、私は新しいものを送りたい。もっと似合うものを。

しばらくするとパフェが届いた。バケツほどとはいかないがそれほどまでにボリュームがあるパフェを目の前にアナスタシア様は。

「おいしそう!かわいい!苺!!一人でもいけそうね。」

私は見ただけでもお腹いっぱいなのに…
アナスタシア様はいつも特別な儀式を一人でしている。

「いただきます」

手を合わせた後にスプーンを握り、苺とクリームに食らいついた。
綻び、ほっぺたが落ちそうな、ふにゃとした表情をした後にパクパクとさらに加速をして、食べ始めた。
スプーンはもう一個用意されている。
彼女は食べていいという合図をしてくださるが、見ているだけでも私は幸せだ。
美味しい美味しいと言って苺とクリームに食らいつき、アイスの層までたどり着いたら、また表情を変えて、パクパク食べていく。
最後まで幸せそうに食べていた。

食べている途中先ほどの女の子と母親が帽子を持ってきた。アナスタシア様は帽子を受け取って、女の子に手を振っていた。

「ありがとうお姉ちゃん!」

扉までいった女の子は嬉しそうに母親とお店を後にした。

「とてもいい気分です。」

「そうですね。」


お店を後にした私たちが次に行くところは装飾品屋さんと思っていたがアナスタシア様が指差す場所は、アスレチック展。

「アルバート様私と勝負です。」

ウキウキした表情で勝負を挑むアナスタシア様。
ルートはかなり険しく、自転車というもので進むようだ。私は乗ったことがないため最初は練習した。ここで才能が出ているアナスタシア様。最初から漕いで、細い道もスイスイいっていた。
これは負けたかもしれない。負ける気はないが、差がなかなかにある。

「アルバート様って意外に自転車に乗ったことがありませんの?」

…アナスタシア様が乗れることに私は驚いています…。
一応これは庶民が乗る道具の一つだ。
私たちは裕福な家庭であるため、馬車がある。なので必要がない。
それなのにどうして彼女は乗れるんだ…。

「ハンデをあげましょうアルバート様。私は上級コースで、アルバート様は初心者コースで勝負です!負けたらお願い事をひとつ聞くなんてどうですか??」

またウキウキした顔で彼女は提案してくる。
王族に勝負を仕掛けられるのはあなただけですよ。かわいいから許しますが。
私はこくりとうなずきさらに練習を重ねる。
兄ほどではないが、私は練習を繰り返すと、習得が皆より早い。
だから負ける気がしない。負けない。
貴方に贈り物を。私とペアのものを贈りたい。
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