7 / 68
1章 魔女狩り編
7 伯爵令嬢は王子の側近に説明する
しおりを挟む
魔術などこの世にないと言いながら、どの様な魔術を使ったのかと問うコーエンを、セリーナは手に持つ紅茶をテーブルに戻しながら、よくよく観察していた。
あくまで皇太子からの命で聞いている…と言うことなのだろうか。
「火の玉を出して、この塔を燃やしたり、人を凍らせたり出来るわ。」
「冗談は結構です。魔術など非科学的な事は信じないと伝えましたよね?」
「コーエン様が冗談の通じる相手か知りたくなっただけよ。」
セリーナが、コーエンの反応など言う前から予想出来ていたとばかりに笑顔を見せれば、コーエンは少し驚いたような顔をしたので、セリーナもその反応に驚いてしまった。
「この状況でその様な事を仰るとは…クラリス様が仰っていた様に、本当に面白い方ですね。」
そして、コーエンの口から出た親友の名にセリーナが食い付く番だ。
「クラリスは…私の事何と言っていたの?」
昨日からチラチラと考えが過ぎっては、違うと否定していた事の答えを聞けるのでは…とセリーナは拳を小さく握った。
そんな事あるはずがないと思いながらも、クラリスが自分の事を魔女だと伝えたのではないか…そんな考えが消せなかった。
「クラリス様は…いつも貴女がどれだけ素敵な女性かを語っていました。そのアドバイスは的確で、まるで未来の事を知っている様だ…魔法でも使っているようだ…と。なのに偉ぶる事もなく、いつも自分と同じ目線で悩んだり、悲しんだり、喜んだりしてくれるんだと。」
キツく握った拳から力が抜けて行くのをセリーナは感じた。
クラリスに嫌われるような事でもしたのでは…という心配が、コーエンの言葉に溶けて言った。
「そう…クラリスがそんな事を…。」
セリーナは嬉しい感情をなるべく悟られないように、ゆっくりと言った。
先程、コーエンが言ったことは、セリーナがクラリスに対して感じていた事だ。
公爵令嬢でありながら、偉ぶる事なく、私と同じ目線で居てくれたのはクラリスの方だ。
親友が自分と同じ気持ちで居てくれたという事実に、セリーナの胸が温かい気持ちで満たされた。
「リード殿下は公爵令嬢であるクラリス様が、伯爵令嬢にその様な発言をし、傾倒していく様子を元より訝しんでおられました。そこにクラリス様が隣国へ嫁ぐと言われれば…リード殿下が貴女を取り調べようと思うのも仕方の無い話だとは思いませんか?」
セリーナの心理状況などお構いなしで、コーエンが淡々と述べた。
「リード殿下は婚約者候補として、そして幼馴染みとしてずっと一緒に過ごされて来たクラリス様の事を心底心配しているんです。立場は違えど…私も幼馴染みという立場で言えば、クラリス様の事が心配で、何が起こっているのかを知りたいと思っています。」
そう言ったコーエンの表情に、セリーナはハッとした。
理不尽な言い掛かりをつけられて、八つ当たりや、嫌がらせの為だけに捕らえられたと思っていた。
でも、彼等には彼等の理由があるのだ。
大切な幼馴染が、隣国に嫁ぐとなれば、それが将来自分と結婚するであろうと思っていた相手なら、何があったか知りたいと思うのは当然だ。
「コーエン様は、非科学的な事は信じないって言ったわよね?貴方達の言う魔術…私の行う占いは、決して非科学的なものではないわ。」
「占い…?占術と言う事ですか?」
セリーナの発言に、初めて聞いたであろう占いという言葉を、すぐに占術と結びつけた辺りは流石と言うべきだろう。
セリーナの生きる世界で言う所の占術とは、例えば投げた石の並びによって将来起こる出来事を予測するような…怪しげな呪いと言われるレベルのものである。
「占術…の一種と言えば、そうなのかもしれないけど…私が行っているのは数字と色を基にした…いわば統計学ってところかしら。」
「統計学…ですか。」
コーエンは興味深そうな顔をしたが、余計な口は挟まずに先を促した。
「私の占いでは主にその人の生年月日を使います。その数字達を知りたい事に応じて数式にはめ込んで行く…そうすると、その答えが…と言うよりは傾向が見えて来ると言う物よ。生年月日以外にも、数字であれば何でも…傾向は見えて来るわ。数字はそれ自体が意味を持つ物だから。」
こんな事を人に説明するのは初めての事で、セリーナは自分の説明がコーエンに伝わっているのか、確証が持てず、そこで一度言葉を切った。
「では、色と言っていたのは?」
そのコーエンの問いに、従前の話は全て理解した様子が伝わって来る。
コーエンの事を侮っていた訳では無いが、セリーナが思っていたよりも数段頭が切れるようだ。
「色はもっと簡単よ。例えば、赤やオレンジを見たら人は元気になる。青を見れば落ち着く。色は数字よりも直接的に人の心に作用するわ。数字はそれぞれに色を持っているから、その数字と色を掛け合わせて、人の気持ちが動きやすいように手助けをするの。」
疑問が解決出来たのか、コーエンはふーむと言った様子で、顎に手を当て少しの間考え込んでから、セリーナを真っ直ぐに見た。
「確かに数字の話よりは理解出来ます。でも、私は今までその様な…占い?それの存在を聞いた事もありません。統計学と言うからには、これまでに蓄積された情報があっての物でしょう。セリーナ嬢はどちらでそれを学ばれたのですか?」
うっ…っと思わず声を漏らしそうになったセリーナは手近なクッキーを1枚口に放り込む事で、多少の時間を稼ぐ事にした。
どちらで…と言われても、セリーナは生まれた時からそれらを理解していたのだ。
誰に説明されるでもなく。
前世の記憶の様な物だと言って、この非科学的な事は信じないと公言しているコーエンが信じるとは思えない。
それでも、クッキー1枚ごときで稼げる時間はたかが知れたものである。
何の解決策も思い付いていないが、これ以上の無言は、あらぬ誤解を産みかねない。
「誰にも教わってないわ。初めから…幼い頃から自然と理解出来たのよ。って、言っても信じて貰えないんだろうけど。」
セリーナが言った事は前世云々を除けば、全て真実だった。
「では、自分でその怪しげな占いと言うものを考え出した…と?」
「怪しげって…。」
コーエンは先程までの興味深そうな表情に、胡散臭そうな表情を織り交ぜてセリーナを見た。
「では…セリーナ嬢はこれを飲めば絶世の美女になれます。その効力はこれらの素材の持つ力を掛け合わせれば当然の結果です…。」
コーエンがそう言うと、自身の手元にあった紅茶にミルクとジャム、そして蜂蜜をひと匙落とすと、スプーンでくるくると混ぜてこちらに差し出した。
「どうです?信じろと言う方が無理でしょう?」
「…確かに、胡散臭すぎるわね。」
私の言った事は、目の前にある、この無駄に甘ったるそうな紅茶と同レベルだろうか…と、セリーナは目の前のティーカップを見つめながらも、言い返す言葉は出てこない。
「とにかく、セリーナ嬢がその占いでクラリス様を誘導した事はわかりました。占いの効果はもう少し精査が必要ですが…。そうですね、その占いで私を見れますか?」
そう言ったコーエンは相変わらず口元に微笑みを浮かべていた。
あくまで皇太子からの命で聞いている…と言うことなのだろうか。
「火の玉を出して、この塔を燃やしたり、人を凍らせたり出来るわ。」
「冗談は結構です。魔術など非科学的な事は信じないと伝えましたよね?」
「コーエン様が冗談の通じる相手か知りたくなっただけよ。」
セリーナが、コーエンの反応など言う前から予想出来ていたとばかりに笑顔を見せれば、コーエンは少し驚いたような顔をしたので、セリーナもその反応に驚いてしまった。
「この状況でその様な事を仰るとは…クラリス様が仰っていた様に、本当に面白い方ですね。」
そして、コーエンの口から出た親友の名にセリーナが食い付く番だ。
「クラリスは…私の事何と言っていたの?」
昨日からチラチラと考えが過ぎっては、違うと否定していた事の答えを聞けるのでは…とセリーナは拳を小さく握った。
そんな事あるはずがないと思いながらも、クラリスが自分の事を魔女だと伝えたのではないか…そんな考えが消せなかった。
「クラリス様は…いつも貴女がどれだけ素敵な女性かを語っていました。そのアドバイスは的確で、まるで未来の事を知っている様だ…魔法でも使っているようだ…と。なのに偉ぶる事もなく、いつも自分と同じ目線で悩んだり、悲しんだり、喜んだりしてくれるんだと。」
キツく握った拳から力が抜けて行くのをセリーナは感じた。
クラリスに嫌われるような事でもしたのでは…という心配が、コーエンの言葉に溶けて言った。
「そう…クラリスがそんな事を…。」
セリーナは嬉しい感情をなるべく悟られないように、ゆっくりと言った。
先程、コーエンが言ったことは、セリーナがクラリスに対して感じていた事だ。
公爵令嬢でありながら、偉ぶる事なく、私と同じ目線で居てくれたのはクラリスの方だ。
親友が自分と同じ気持ちで居てくれたという事実に、セリーナの胸が温かい気持ちで満たされた。
「リード殿下は公爵令嬢であるクラリス様が、伯爵令嬢にその様な発言をし、傾倒していく様子を元より訝しんでおられました。そこにクラリス様が隣国へ嫁ぐと言われれば…リード殿下が貴女を取り調べようと思うのも仕方の無い話だとは思いませんか?」
セリーナの心理状況などお構いなしで、コーエンが淡々と述べた。
「リード殿下は婚約者候補として、そして幼馴染みとしてずっと一緒に過ごされて来たクラリス様の事を心底心配しているんです。立場は違えど…私も幼馴染みという立場で言えば、クラリス様の事が心配で、何が起こっているのかを知りたいと思っています。」
そう言ったコーエンの表情に、セリーナはハッとした。
理不尽な言い掛かりをつけられて、八つ当たりや、嫌がらせの為だけに捕らえられたと思っていた。
でも、彼等には彼等の理由があるのだ。
大切な幼馴染が、隣国に嫁ぐとなれば、それが将来自分と結婚するであろうと思っていた相手なら、何があったか知りたいと思うのは当然だ。
「コーエン様は、非科学的な事は信じないって言ったわよね?貴方達の言う魔術…私の行う占いは、決して非科学的なものではないわ。」
「占い…?占術と言う事ですか?」
セリーナの発言に、初めて聞いたであろう占いという言葉を、すぐに占術と結びつけた辺りは流石と言うべきだろう。
セリーナの生きる世界で言う所の占術とは、例えば投げた石の並びによって将来起こる出来事を予測するような…怪しげな呪いと言われるレベルのものである。
「占術…の一種と言えば、そうなのかもしれないけど…私が行っているのは数字と色を基にした…いわば統計学ってところかしら。」
「統計学…ですか。」
コーエンは興味深そうな顔をしたが、余計な口は挟まずに先を促した。
「私の占いでは主にその人の生年月日を使います。その数字達を知りたい事に応じて数式にはめ込んで行く…そうすると、その答えが…と言うよりは傾向が見えて来ると言う物よ。生年月日以外にも、数字であれば何でも…傾向は見えて来るわ。数字はそれ自体が意味を持つ物だから。」
こんな事を人に説明するのは初めての事で、セリーナは自分の説明がコーエンに伝わっているのか、確証が持てず、そこで一度言葉を切った。
「では、色と言っていたのは?」
そのコーエンの問いに、従前の話は全て理解した様子が伝わって来る。
コーエンの事を侮っていた訳では無いが、セリーナが思っていたよりも数段頭が切れるようだ。
「色はもっと簡単よ。例えば、赤やオレンジを見たら人は元気になる。青を見れば落ち着く。色は数字よりも直接的に人の心に作用するわ。数字はそれぞれに色を持っているから、その数字と色を掛け合わせて、人の気持ちが動きやすいように手助けをするの。」
疑問が解決出来たのか、コーエンはふーむと言った様子で、顎に手を当て少しの間考え込んでから、セリーナを真っ直ぐに見た。
「確かに数字の話よりは理解出来ます。でも、私は今までその様な…占い?それの存在を聞いた事もありません。統計学と言うからには、これまでに蓄積された情報があっての物でしょう。セリーナ嬢はどちらでそれを学ばれたのですか?」
うっ…っと思わず声を漏らしそうになったセリーナは手近なクッキーを1枚口に放り込む事で、多少の時間を稼ぐ事にした。
どちらで…と言われても、セリーナは生まれた時からそれらを理解していたのだ。
誰に説明されるでもなく。
前世の記憶の様な物だと言って、この非科学的な事は信じないと公言しているコーエンが信じるとは思えない。
それでも、クッキー1枚ごときで稼げる時間はたかが知れたものである。
何の解決策も思い付いていないが、これ以上の無言は、あらぬ誤解を産みかねない。
「誰にも教わってないわ。初めから…幼い頃から自然と理解出来たのよ。って、言っても信じて貰えないんだろうけど。」
セリーナが言った事は前世云々を除けば、全て真実だった。
「では、自分でその怪しげな占いと言うものを考え出した…と?」
「怪しげって…。」
コーエンは先程までの興味深そうな表情に、胡散臭そうな表情を織り交ぜてセリーナを見た。
「では…セリーナ嬢はこれを飲めば絶世の美女になれます。その効力はこれらの素材の持つ力を掛け合わせれば当然の結果です…。」
コーエンがそう言うと、自身の手元にあった紅茶にミルクとジャム、そして蜂蜜をひと匙落とすと、スプーンでくるくると混ぜてこちらに差し出した。
「どうです?信じろと言う方が無理でしょう?」
「…確かに、胡散臭すぎるわね。」
私の言った事は、目の前にある、この無駄に甘ったるそうな紅茶と同レベルだろうか…と、セリーナは目の前のティーカップを見つめながらも、言い返す言葉は出てこない。
「とにかく、セリーナ嬢がその占いでクラリス様を誘導した事はわかりました。占いの効果はもう少し精査が必要ですが…。そうですね、その占いで私を見れますか?」
そう言ったコーエンは相変わらず口元に微笑みを浮かべていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私、魅了魔法なんて使ってません! なのに冷徹魔道士様の視線が熱すぎるんですけど
紗幸
恋愛
社畜女子だったユイは、気づけば異世界に召喚されていた。
慣れない魔法の世界と貴族社会の中で右往左往しながらも、なんとか穏やかに暮らし始めたある日。
なぜか王立魔道士団の団長カイルが、やたらと家に顔を出すようになる。
氷のように冷静で、美しく、周囲の誰もが一目置く男。
そんな彼が、ある日突然ユイの前で言い放った。
「……俺にかけた魅了魔法を解け」
私、そんな魔法かけてないんですけど!?
穏やかなはずの日々に彼の存在が、ユイの心を少しずつ波立たせていく。
まったりとした日常の中に、時折起こる小さな事件。
人との絆、魔法の力、そして胸の奥に芽生え始めた“想い”
異世界で、ユイは少しずつ——この世界で生きる力と、誰かを想う心を知っていく。
※タイトルのシーンは7話辺りからになります。
ゆったりと話が進みますが、よろしければお付き合いください。
※カクヨム様にも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【書籍化決定】憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新
7月31日完結予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる